終戦の日。震災後の初盆。〜戦争も震災も終わっていない。この時代に生きている僕らの責務。
今日は終戦の日。ここ数年、毎年のようにこの時期に思う。そろそろ戦争体験を「生」で聞ける機会は少なくなってきたと。実家に住んでるばあちゃんは95才だから、聞こうと思えば聞けるんだけど、改めて聞く機会ってなかった。いや、避けてきたんだと思う。なんとなく「つらい思いをさせちゃうかなあ」って言い訳して。
先日、サンデーラボという社会人勉強会でお話しさせて頂く機会があって、平松利枝子さんという、小児心理士のキャリアを持つフォトジャーナリストの方とご一緒した。(平松さんのプロフィールはこちら)広島に勤務していた時代があった平松さんが言ってた。
「原爆が落ちてから、66年。
その悲しみや苦しみはまだ66年かかっても癒えません。」
「終戦」というけれど、実は、まだ「終わってない」。僕ら世代にとって、戦争は教科書に載っている「歴史上の出来事」になっているかもしれないけれど、もし、いま、その悲しみが癒えていないんだったら、それは、「僕ら」の問題であり、課題であると思う。同じ時代を生きている人間として。残念ながら、世界中では、未だ戦争がなくならないし、核兵器もなくならない。貧困もなくならない。
平松さんは、続けた。
「原爆の悲しみはまだ癒えていません。
だとしたら、今回の震災も長く付き合っていく必要があると思うんです。」
「3.11を風化させちゃいけない」と思って、震災チャリティーセミナー【HOPE100】をはじめた僕だけれど、平松さんの話を聞いて、はっとした。数ヶ月で片付く話でないことはもとより、5年〜10年のスパンの話でもない。今回の震災は、半世紀、一世紀にわたって、つきあっていく“ぼくらの”課題なんだと。第二次世界大戦の時と違って、少なくとも、いままさにこの時代を生きている。
戦争から僕らはどれだけのことが学べただろう?
震災から僕らはどれだけのことが学べただろう?
今回の震災は天災ではあるけれど、どう生きるか、どんな世界をつくっていきたいかは、僕らの手の中にあると思う。
3.11に犠牲になられた方々にとっての、初盆。そして、終戦の日。とっても意味のある2011.8.15だなと思う。震災で犠牲になられたみなさんをどんな顔で、どんな想いで僕らは見送るのか。本業のビジネスだって、被災地支援への取組みだってなんだっていい。今日は、僕らには何ができるだろうということをぐっと考えさせられる一日だ。
P.S.
今週末8月21日(日)、昨年に引き続き、『GATE』という映画の自主上映会を友人と企画した。
◎GATE上映会:2011年8月21日(日)18:00〜@梅上山光明寺(神谷町駅)
http://gate0821.jimdo.com/
※予告編(動画)はこちら
核兵器廃絶に向けてのドキュメンタリー映画ですが、この映画は反戦映画でも戦争の悲惨さを伝える映画でもありません。でも、ぼくらが忘れかけている何かを思い出させてくれる映画だと僕は想っています。つながりの力。想う力。震災後のこういうタイミングだからこそ、より一層観て欲しい映画です。ご都合つく方は、ぜひご来場下さい。