チャールズ・M・シュルツミュージアム

スヌーピーの処世哲学
廣淵 升彦
海竜社
売り上げランキング: 343430


日本出発前に一冊の本を読んで、にわかピーナッツファンになってしまった単純な私。
スヌーピー、かわいいだけのキャラクターと侮ってたけど、原作のオモシロさにはまりました。
これは大人になってから読んだほうが面白い漫画かも。


たったの4コマで人生の普遍的なテーマを扱っていて、登場人物は子供や動物ばっかりなのに多くの示唆や哲学に溢れてる。それが、ストレートな視点じゃなくてややシニカルな視点で描かれてるのがまたオモシロイ。アメリカ合衆国大統領を始め、多くの政治家や経営者がこの漫画を愛してきたのも頷ける。


著者であるチャールズ・M・シュルツの生涯についても興味深い。彼は大学にも行っていないし、高い教育を受けた訳じゃない。でも登場人物の子どもたちの会話の中で、教養のある人にしか分からない引用をするなど、非常に高い文章力がうかがえる。これらは独学で身に付けた能力で、全ては彼自身の読書体験に基づいているそうだ。努力の人だなぁ〜。


そんなチャールズ・M・シュルツの博物館がサンタ・ローザの街にある。
サンフランシスコから北に約1時間ほどの場所である。
ワイナリーで有名なソノマカウンティに位置する。
最終日の日程は完全に私の一存でここに行くことに決めてしまった。
「ワイナリーにも行けるよ。」との誘い文句で。



行ってみてびっくり。ミュージアムの他にもギフトショップやカフェ、さらにはアイスアリーナまで併設されているという充実っぷり。おかげで長居してしまい、結局ワイナリーには行けずじまい。



ミュージアムでは、バカラのクリスタルスヌーピーや、スヌーピーが二足歩行するまでのイラスト、アポロ関連の展示、シュルツの書斎を再現したものなどがあり、スヌーピー、ピーナッツ、シュルツについて深く知れる展示がいっぱい。
説明は英語なのであんまり理解できなかったけど(汗)



ミュージアムの中にはエデュケーションルームなるものがあり、子どもたちが絵に関して色々学べるようになっている。ビデオの上映もやっていて、実際にシュルツ氏がイラストを描いているシーンを見ることができた。何の迷いもなくザックザックとキャラクターをかきあげていっているのにびっくり。筆の迷いが全然ない。天才技とはこういうことを言うのかな。




ミュージアムには中庭があり、そこにはスヌーピーやチャーリーブラウン像が。ちょうど桜の花も咲いていてとても心地良い。ここで存分に写真撮影も楽しんだ。



カフェに行ってみると、いたるところにスヌーピーのイラストが描かれており、全体に60'sアメリカンな雰囲気。メニューも「スヌーピースペシャル」とか「ウッドストックスペシャル」などあり面白い。ちなみに我々はウッドストックスペシャルを注文。何と犬のエサ用のお皿に乗って出てきた!何とシャレの利いた演出。



またこのカフェからはガラス越しにアイス・アリーナの様子を見ることができる。最初は地元青年がアイスホッケーをしておりなかなかの迫力。その後小学生くらいの女の子達が集まり、フィギュアスケートの練習を始めた。スピンやジャンプの練習をしている光景は可憐な限り。これは一見の価値アリ。



ミュージアムの入館料を支払うと、手の甲にスヌーピーのスタンプを押してくれる。一旦ミュージアムを出てカフェで一休みしてからミュージアムに戻ってもOK!ゆっくり遊べるスポットだった。



ピーナッツを読んでて思うのは、主に会話表現など英語の勉強にもなるなってこと。
子どもたちが話す会話だから、割ととっつきが良い。
4コマ漫画のためセリフが短く、シンプルで簡単なフレーズが多い。
キャラクターの性格を引き立たせるために繰り返し同じ表現が出てくるので覚えやすい。


できれば原作のまま読みたいんだけど、それじゃ心もとないので谷川俊太郎訳のものを読んでいる。
訳がこなれていて読みやすいので気に入ってマス。
こうやって訳すのか〜。という発見もあり、大変にオモシロイ。
しばらくはこのシリーズを読んで過ごすことになりそう。


A peanuts book featuring Snoopy (1)
チャールズ M.シュルツ 谷川 俊太郎 Charles M. Schulz
角川書店
売り上げランキング: 40991


チャールズ・M・シュルツミュージアムの公式サイト(英語)
Charles M. Schulz Museum


チャールズ・M・シュルツWikipedia
チャールズ・M・シュルツ