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見て読んで聴いて書く

2014-10-13

原作・大場つぐみ、作画・小畑健による漫画「バクマン。」全20巻

バクマン。 1 (ジャンプコミックス)バクマン。 (2) (ジャンプ・コミックス)バクマン。 3 (ジャンプコミックス)バクマン。 4 (ジャンプコミックス)バクマン。 5 (ジャンプコミックス)バクマン。 6 (ジャンプコミックス)バクマン。 7 (ジャンプコミックス)バクマン。 8 (ジャンプコミックス)バクマン。 9 (ジャンプコミックス)バクマン。 10 (ジャンプコミックス)バクマン。 11 (ジャンプコミックス)バクマン。 12 (ジャンプコミックス)バクマン。 13 (ジャンプコミックス)バクマン。 14 (ジャンプコミックス)バクマン。 15 (ジャンプコミックス)バクマン。 16 (ジャンプコミックス)バクマン。 17 (ジャンプコミックス)バクマン。 18 (ジャンプコミックス)バクマン。 19 (ジャンプコミックス)バクマン。 20 (ジャンプコミックス)
DEATH NOTE」の原作・作画コンビによる漫画。

漫画家を目指す2人の少年コンビの成長を描く立志伝的物語である。
読む前は平成版「まんが道」みたいなものか、と思っていた。
だが、読んでいて「まんが道」の時代とは社会、メディアの状況が激変しているので比較することに意味がないと悟った。

ウィキペディアの作品解説によると

高い画力を持った真城最高と文才に長けた秀才である高木秋人の少年コンビが漫画家を目指していく道のりとその活動を描く。

とある。
冒頭と結末をしっかりと書いたあらすじも載っているので、それを読めば概要はわかると思う。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%90%E3%82%AF%E3%83%9E%E3%83%B3%E3%80%82#.E7.99.BB.E5.A0.B4.E4.BA.BA.E7.89.A9

で、感想メモを残す。

DEATH NOTE」は前半は非常にスリリングに物語が進むが、中盤でかなりダレた印象があった。

だが、今回この作品では主人公の大きな目標が初めに設定され、その目標に向けてのさまざまな試練をむらなく描き、最終目標の達成までを非常にきっちりと描ききっていた。
感心するほどに。

主人公・真城最高の目標は
少年ジャンプで連載を持ち、ヒット作を出してそれをアニメ化する。そしてそのアニメ声優志望の両思いのクラスメイト・亜豆美保に演じてもらう。そして2人は結婚する”
ということ。
この目標設定が中学3年生のとき。
そしてアニメ化を決めてテレビ放映され、プロポーズするのが24歳のとき。
漫画家を志望する少年が目標を達成するまでの10年間を描いている。

大きな目標が設定され、その過程で直面するさまざまな問題、それを克服する過程を無駄なく配置、20巻という長編ながら非常に引き締まった造りに仕上がっている。

ここまできっちりと描ききった漫画作品を読んだのはあまりない気がする。

そしてそこで展開するのが
少年ジャンプという世界で展開するさまざまな勝負”。
手を変え品を変え次々と漫画勝負が繰り広げられる。

さらに漫画家を目指す少年という地味になりがちな物語に彩りを添えるため、作中での創作漫画も次々と描かれていく。
バクマン。」という漫画は“作中漫画を描いている漫画家を描いた作品”といってもいいくらいである。

その作中漫画を描くことで主人公たちが勝負しているのは、少年ジャンプにおけるアンケート集計だ。
主人公は、新妻エイジをはじめとしたライバルと漫画勝負を繰り広げるのだが、それをジャッジするのがジャンプのハガキアンケート集計システムである。

アンケート集計でトップを取ることを目指し、さまざまな戦いが繰り広げられるという図式となっている。
・作中漫画の描写
・アンケートシステムによる勝負
この2つを巧みに使って盛り上げ、見せ場を造っている。

ドラマ作成のお手本のような漫画であると感心した。

ほか興味深かった点は2点。

◆単行本の各話の最後には1ページを上下に分けて各回のコンテの一部が原作者、作画者ともに掲載されている。
そのコンテが連載の初期には詳細に絵がいてあるのだが、ラストのころになるとものすごく絵が荒くなってくる。信じられないくらいの落差である。
もうコンテに描き込まなくても問題ないという境地に達した、ということなのだろうか。

◆主人公のライバルとして登場する七峰透は、集団のアイデアを集約するシステマティックな漫画制作システムを提唱、ヒット作を生み出す。
作中では七峰はモラルに反した行為で主人公と対立、結局システムは破綻する。
だが、読んでいる限り原作者はこのシステムに関して実現可能であり、創作の可能性を広げるものになり得ると好意的に考えているように思えた。
物語が工学的にシステマティックに創作することが可能であるのか、私にとってはずっと興味深い問題であるので、このエピソードは非常に面白く読むことができた。
原作者には、ぜひ七峰の試みを実践していただきたいところである。

色々漫画について勉強になる作品だった。そして面白かった。
ほかにも興味深い点はあったような気もするが、忘れてしまった。
また思い出したら付け加えたい。