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2014-11-02

池田理代子の漫画「ベルサイユのばら」全5巻

ベルサイユのばら 全5巻セット (集英社文庫(コミック版))

ベルサイユのばら 全5巻セット (集英社文庫(コミック版))

この漫画を初めて読んだ。

アニメ、舞台、映画など一度も接したことがないので初めての“ベルバラ体験”ということになる。
読んだのは集英社文庫版の全5巻。

冒頭“この物語は3人の人間を軸とした物語である”という趣旨の説明を読み、あれっと思った。
私はオスカル、マリー・アントワネットが登場する物語ということは知っていた。
だがスウェーデンの貴族フェルゼンが主要キャラとして登場することは知らなかったのだ。

この物語を私なりに一言で述べると

フランス革命前の激動の時代を舞台に、王族、貴族の人間模様、特に主要人物の“愛”に重点を置いて、彼らの“生き様”と“運命”を描いたメロドラマ

ということになるのだろう。

で、以下に簡単な感想を書く。

冒頭には3人の物語と書いてあるのだが、この物語、結局、オスカルに始まり、オスカルに尽きるものだと思う。
ともかく、男装の麗人オスカルの魅力に圧倒された。

登場するキャラクターは、男女を問わずオスカーに恋してしまうのだ。
そして、オスカルはそれに値する魅力、輝きに満ち溢れている。
特にこの文庫版での4、5巻での成人となったオスカルたるや、真・善・美を兼ね備えた神のごとき輝きを放っている。

そしてオスカルは物語で何度も何度も泣く。そして、オスカル以外のキャラクターも泣く。感情表現が、時代がかって大げさなのだ。
ただ、歴史ものなのでさほど違和感はなく、それが物語を盛り上げる。

ポーの一族」を再読したときに、この作品は読んだ人の人生を変えるくらいの力がある、と思ったが、「ベルサイユのばら」も同様の力を持つ作品だと思う。
そして、こちらのほうが大きなヒット作となる大らかさがある。
時代考証的なことは私にはわからないが、作品の完成度としては突っ込みどころがある気もする。
だが、オスカルという突出したキャラクターを生み出したということにおいてこの作品が名作であることは間違いないと思う。
それぐらい、オスカルはすごい。
ただ、オスカルがいなくなってからの物語は、個々のキャラクターの力が失われ、ダイナミックさに欠ける展開になったのが残念なところだった。

私の漫画経験で、昭和の漫画において一番のスターは誰かと言われたら、今の私はオスカルを挙げることは間違いない。
少年時代に読んでみたかった。

池田理代子の別作品も読んでみることにする。

スティーブ・ハケットのジェネシス再演ライブCD&DVD『Genesis Revisited: Live At Hammersmith』

Genesis Revisited: Live At Hammersmith

Genesis Revisited: Live At Hammersmith

ジェネシス・リビジテッドII』は、演奏は素晴らしいのだが、歌についてどうもモヤモヤとしたものが残り、いまひとつ楽しむことができなかった。

↓『ジェネシス・リビジテッドII』を聴いた感想
http://d.hatena.ne.jp/allenda48/20141031/1414779372

だが『Genesis Revisited: Live At Hammersmith』(日本版なし、DVD付き)を見て、印象が変わった。

まずCDを聴いてからDVDを見た。
CDを聴いたときは、あまりピンと来なかった。
まあ、こんなものかという感じだった。

ただ、DVDを見て印象が変わった。
このDVDは、2時間41分になるショーを開演から終演まですべてを収録したものだ。

映像がつくとこうも変わるのかと思った。
素晴らしい内容だった。
ヴォーカルに対する違和感はまったく生じなかった。
CDを聴いたときは、オリジナルのヴォーカリストピーター・ガブリエルフィル・コリンズを意識してしまったが、それは全くなかった。
ステージを見れば、別人が歌っているのが一目瞭然なのだから。
ただ、それだけのことだが、曲の世界に集中して入ることができるようになった。

そんなわけで、
スティーブ・ハケット・バンド”がジェネシスの曲を演奏しているものとして素直に楽しめた。

私がジェネシスを聴き始めたことろは、このバンドの紹介しては英「メロディ・メーカー」誌で年間ライブ・アクト部門連続1位! と紹介されることが多かったような記憶がある。
“『クリムゾン・キングの宮殿』がビートルズの『アビイ・ロード』をチャート1位から蹴落とした”みたいな紹介のされかたである。
当時は、そういう紹介文がよくあった(※ウィキペディアによると『クリムゾン・キングの宮殿』のこの紹介は事実でなかったとの記述がある)。

このDVDを見て、本国でそういう風に評価されていたというのは、このバンドの楽曲自体がライブ・アクトで魅力を発揮するものだったからかもしれない。そんなことを思った。

ともかく、演奏、歌が丁寧だ。
そして、タメのある演奏、歌の“間”が素晴らしい。

ハケットはステージ中央に立っているが、ほとんど動かない。
うつむいてギターを注視しながらひたすら集中して演奏を続ける。
決して派手な動きのあるステージではないが、私はまったく退屈することがなかった。
丁寧に再現される曲の世界に魅了された。

ジェネシスはかつてピーター・ガブリエルのパフォーマンスから“シアトリカルなバンド”と称されることが多かった(リアルタイムで見聞きしたわけではないが)。
だが、実は曲自体も“シアトリカル”なものなのではないかと思った。
展開がめまぐるしく、改めて普通の“歌”としては変な曲が多いと思った。
演奏、歌だけでもドラマのように起伏があり、“間”を楽しむことができる。
このステージを見てそう思った。

例えばニック・カーショウが歌う「ラミア」。
これは比較的普通の曲だが、カーショウの繊細な歌声と、歌と演奏の間に生まれる“間”は、ため息をつきたくなるほど美しい。
そして、その世界は非常にイギリス的だ(この曲を収録した『幻惑のブロードウェイ』はニューヨークを舞台にした物語だが)。
そういう風情がある。

このステージの映像を見て、スティーブ・ハケットが長年取り組んだ“ジェネシス再演プロジェクト”がひとつの到達点に達したことを確認でき、彼の再構築したジェネシスの世界を堪能することができた。
いいものを見たという気分だ。

余談だが、ひとつ気になったのが肥満体となったジョン・ウェットンの登場シーン。
ウェットンは「アフター・グロウ」を歌うのだが、ステージ全体を見ると彼の歌は若干浮いているようかな感があった。
CDで聴いたときはそれほど感じなかったのだが、彼の野太い激唱は、雑な感もあり、あまりそぐわなかった印象があった。
ちゃんとチェックしていないのだが、歌に関しては差し替えているのかもしれない。

Genesis Revisited: Live At The Royal Albert Hall』は購入するかは未定。
あまりうまくまとまらなかったが、以上とする。

Genesis Revisited: Live At The Royal Albert Hall

Genesis Revisited: Live At The Royal Albert Hall