安倍首相の「我が軍」発言

amamu2015-03-27

 参議院予算委員会での安倍首相の「我が軍」発言は、「軍」のほうも問題だが、むしろ「我が」のほうに驚いて声も出なかった。
 朝日新聞は「憲法軽視が目にあまる」としているが、これは「軽視」の水準ではないだろう。
 憲法を守るべき大臣や議員の立場はどうなのか。
 たとえば憲法99条。

 天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ。

 以下、朝日新聞の社説から。

 安倍首相が参院予算委員会自衛隊を「我が軍」と呼んだことが波紋を広げている。

 自衛隊と他国軍との共同訓練について問われ、「『我が軍』の透明性を上げていくことにおいては、大きな成果を上げている」と答えた。

 これが批判されると、菅官房長官は記者会見で「自衛隊は我が国の防衛を主たる任務としている。このような組織を軍隊と呼ぶのであれば、自衛隊も軍隊の一つということだ」と述べ、首相発言を追認した。

 だが歴代政府は「自衛隊は、通常の観念で考えられる軍隊とは異なる」としてきており、憲法上、自衛隊は軍隊ではない。

 単なる呼び方の問題ではない。自衛隊の位置づけは憲法の根幹にかかわる。

 首相が国会で「我が軍」と言い、官房長官が修正もせずに首相をかばうのは、憲法の尊重・擁護義務を負う者としてふさわしい所作ではなかろう。憲法によって権力を縛る立憲主義の原理をないがしろにするものと言わざるをえない。(後略)