天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

ICHI-METER (1)

NHK-BSテレビの画像から

 リオ五輪の話題でMLBイチローの話題が霞んでしまったが、このシリーズでは、イチローの技量と人格に惚れ込み、追っかけに十数年を費やしたアメリカ人主婦Amy(エイミー) Franz(フランツ)さんを年代を遡って詠んでみたい。
エイミーさんは、まずICHI-METER(イチ・メータ)を考案した。ICHI-METERとは、イチローが作るMLBに残る記録の目標の途上値を示すカードプレートである。
 今回はシアトル・マリナーズ時代(2000年―2011年)をとりあげる。


  イチローが守る右翼の領域は空軍を真似「AREA 51」
  シスラーの記録越ゆるかエイミーさんICHI-METERをはじめて掲ぐ
  ヒット打つ毎に一たすICHI-METERセーフコフィールド右翼客席
  MLB最多安打のICHI-METER野球殿堂に寄贈されたり
  ヒット打つ毎に一たすICHI-METER今年はつひに二百に満たず
  マリナーズを去るイチローの最終戦エイミーさんの涙とまらず
  ICHI-METERの看板裏にサインしてエイミーさんに手渡しにけり
  ICHI-METER消えにしセーフコフィールドをさみしと言へり武田一浩


 右上の画像には、ICHI-METERのパネルの上にAREA 51のパネルがある。本来「AREA 51」は、アメリカ空軍によって管理されているネバダ州南部の一地区を指す。UFOやステルス戦闘機などの研究開発が任務とされ、厳重な立入禁止区域となっている。マリナーズで背番号51のイチローが守る外野(マリナーズ時代は右翼が主体)は、鉄壁の守備領域という意味合いから、ファンがいつしか「AREA 51」と呼ぶようになったのである。パネルを作ったのも、エイミーさんであろう。後方の観客席にこのパネルを掲げて、イチローにもファンの存在を知らせた。
 年間最多安打数がシスラーの記録257本を超えて262本になった時のICHI-METERは、米国の野球殿堂に寄贈されたという。