LIFE&LIVE Vol.3 全12回講座 第一部【医療と保健】 第3回「ガイドラインの読み方と性別適合手術」

以下ESTO様より

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LIFE&LIVE Vol.3 全12回講座 第一部【医療と保健】
第3回「ガイドラインの読み方と性別適合手術


日時:2006年8月20日(日)
時間:13:00〜16:15(講演開始13:30)
講師:高松亜子さん(形成外科医)
事前申込:必要(下記をご確認ください)
定員:36名(年齢は問いません)
参加費:ESTO会員・協力団体会員:500円
非会員当事者(自己申告):1000円  一般:3000円
申込〆切 8/16(水) 22:00まで
会場:北沢区民会館北沢タウンホール
(東京都世田谷区北沢2-8-18)
小田急線・井の頭線下北沢駅南口徒歩5分
・バス北沢タウンホール(駒沢陸橋〜北沢タウンホール)

<お願い>
ご参加に当たり、ガイドライン第3版の全文に
事前に目を通していただけますようお願いいたします。
http://www.jspn.or.jp/04opinion/2006_02_20pdf/guideline-no3.pdf
↑こちらからダウンロードできます。

<内容>
日本精神神経学会ガイドライン第3版を読み解きながら、
性別適合手術についてご説明をいただきます。
術式や入院、退院後のアフターケアなど、安全に安心して
手術を受けるための基礎的な知識を、高松先生にお話して
いただきます。
なお、半陰陽などの性分化障害を伴う手術については、
FTMMTFの術式を参考例としてお聞きください。
また、事前に講師へのご質問を受け付けます。
参加希望者は、参加申込と質問をお送りください。

<講演要点(予定)>
1.ガイドラインに沿ったGID治療とは
2.FTMの手術(乳房切除〜陰茎形成まで)
3.MTFの手術(睾丸切除〜膣形成まで)
4.入院と手術前の準備
5.退院後のアフターケア
6.手術前後のホルモン投与中断と開始時期
7.ガイドラインの課題と行動

<スケジュール>
13:00〜   受付
13:30〜13:45開催諸注意および講師紹介
13:45〜14:45講演(60分)
14:45〜15:00休憩(15分)
15:00〜15:30質問への回答(30分)
15:30〜16:00ディスカッション(30分)
16:00〜16:15閉会挨拶

※第3回目は会場が狭いため、講演と同じ机配置のまま
高松先生とのディスカッションになります。

<申込み&問合せ>
E-MAIL esto_tokyo@yahoo.co.jp

※下記の項目をご連絡ください※
ESTO会員&前回参加者
1)登録名
2)TEL(緊急時の連絡用)
3)講師への質問
4)懇親会への参欠

その他
1)氏名(通称名OK)
2)E-MAIL
3)TEL(緊急時の連絡用)
4)セクシュアリティや参加理由
5)協賛団体名(割引適用になります)
6)講師への質問
7)懇親会への参欠
※定員になり次第、受付を終了いたします。

◆LL講座終了後、懇親会(17:00〜19:00)を開きます。
参欠をお知らせください。会費は2200円+ドリンク2杯目
から400円の予定です。
なお、要望により年齢制限を外しましたが、未成年者
の飲酒と喫煙は禁止厳守です。

◆「LIFE&LIVE Vol.4」 全12回講座 第二部【法律と保障】
第4回講座「名の変更・戸籍の性別変更、子供を持つことの法的問題」
講師:大島俊之さん(法学博士)
※社会生活の障害となる名前や続柄の変更手続き、子供を持つことの
課題について考えます。
次回開催は11月4日(土)開催を予定。詳細は、決定次第お知らせいたします。

主催:性は人権ネットワーク Est Organization (ESTO)
詳細は、http://akita.cool.ne.jp/esto/をご覧ください。

ほんとうのじぶん ―性同一性障害の子どもたち 8.身体治療

http://www.kobe-np.co.jp/rensai/200607gid/08.html
8.身体治療 (2006/08/09)
低年齢ゆえに苦悩深く

 「十五歳くらいまでに、お金をためて、タイで性別適合手術をさせるつもり」

 女の子の心を持つ男の子、兵庫県播磨地域の小学二年優(ゆう)(7つ)=仮名=と、県外の小学四年春(はる)樹(き)(9つ)=仮名=が会った際、春樹の母が言った。

 「ニューハーフの人に、早く手術しないと声変わりをするって言われて…。(手術)ツアーを扱っている会社も教えてもらったんです」

 優の学校では、優の身体が男であることを、ほかの児童や保護者は知らない。「女児」として通学する優の最も大きな課題は、第二次性徴を迎えたときの身体の男性化だ。

 六月の参議院厚生労働委員会。優の報道を受け、性同一性障害の子どもたちのサポート体制に関する質問に、川崎二郎厚労相はこう答えた。

 「低年齢における性同一性障害者は、成長の過程で心と身体の性別が一致していくことも多く、治療選択に関する自己決定や自己責任などの面からも慎重を要する問題であることから、主に精神面の治療によるべき」

 日本精神神経学会ガイドラインに則した答弁で、身体的特徴を変化させる「ホルモン療法」の開始年齢を十八歳以上と定めていることも確認した。

 十八歳まで優は十一年、春樹も九年。春樹の母が海外に突破口を求める背景には、そういった事情がある。

◇   ◇

 岡山大学医学部の研究チームが、二〇〇〇年九月から〇四年二月に受診した性同一性障害の患者(十五―七十歳)を対象にアンケートを実施した。

 「ホルモン療法の開始は何歳がいいか」という問いに、身体は女性で心は男性(FTM)の百十七人は、平均一五・六歳、身体は男性で心は女性(MTF)の六十四人は、同一五・五歳と答えた。

 ガイドラインで二十歳以上と定められている「性別適合手術」については、FTM一八・二歳、MTF一七・三歳だった。

 身体的治療は、後で元に戻せないため、慎重論が大勢だが、開始年齢については、ガイドラインと患者の希望に差がある。同医学部の調査では、患者の八割が小学校までに性別違和感を自覚し、第二次性徴を迎えていた。十八歳までなすすべなく進む身体の変化。十代の患者は、深刻な精神的苦痛に耐えている。

◇   ◇

 今、一部の医療現場で使われているのが、「抗男性(女性)ホルモン剤」だ。身体を変化させるホルモン剤と違い、成長を止める効果がある。これもある意味では身体に影響するが、ガイドライン上に明確な規定はない。

 「十八歳まで待てない」

 優の母は、抗男性ホルモン剤を検討しつつ、副作用を心配する。

 「高学年になったら、どちらの性で生きていくか固まるだろう。そのとき、本人に聞こうと思う」

 一生を共にする身体の治療。だからこそ慎重に。だからこそ早急に。母の思いは、常にそこを行き来する。