我が家のお稲荷さま。

我が家のお稲荷さま。 (電撃文庫)

我が家のお稲荷さま。 (電撃文庫)

おもしろーい!!


放電映像氏の美麗なイラストとなんとなく直感的に惹かれるモノを感じながらも、読むに流れが合わず今までスルーしていたのですが、最近制作発表された某ゲームのヒロインに狐娘、否、妖狐がいるのを目にし「陰陽両極八卦良し!場は整った今こそ読むべし!」ということで購入してきた今作品なんですが――


すげゑ、ツボに入りました。



まず、文章が非常に読みやすい事に驚嘆。や、正確に言えば読んだ文章が頭の中ですんなりイメージ化出来るといいますか。
ちょっと剣呑な部分もあるけれど根っ子は何処までも優しく暖かい、そんな作品の世界がごく自然に読み手の中に入り込んでくるテキストの巧みさは見事としか言い様がなく、また登場キャラクターも非常に魅力的で、一己の存在としての息吹がきちんと伝わってくるのが良かったです。
とりわけ、主役の一人である天狐空幻(クーちゃん)が気まぐれで好戦的だけど情に厚い霊狐として書かれており、放電映像氏の美麗なイラストと相まって極上の彩光を放っておりました。特にP.254〜258の御霊送り(反転)は本当に美しく。


でも、何より感嘆したのはテキストのテンポ。
この作品は長編というより連作短編に近い構成で書かれているのですが、その短編部分が更に幾つもの小さなエピソードの連続で成り立っており、これが軽妙で気持ちがいいのです。「トリコロ*1や「あずまんが大王*2をテキスト化したら丁度こういう風なるのではないでしょうか。


ただ、少々物語としての味付けが薄く、ストーリーにメリハリのある味付けの濃い作品ばかりを読んでいる方などは読みやすいテキストと相まって「何を読んだのか解らない」という事もありそうな気もしますが。まあ、この辺は個人の好みの問題でしょう。
んー、そうですね。例えれば「大根の水煮」としましょう。
みりんや醤油で味付けされた調理大根しか食べた事の無い方には“何の味も感じない”ものですが、その一方で“調理する事で殺される大根本来の味”を堪能できる繊細な食べ物として好む方がいるのと同じ事です。



ともあれ、個人的には大当たりな作品。
現在3巻まで出ている様なので、明日仕事が終わり次第直ちに買ってこようかと。
ああ、こんな楽しい作品だっとは。幸せ。

「あやかしびと」キャラクター紹介更新

http://www.propeller-game.com/
そういう訳で“最近制作発表された某ゲーム”*1事「あやかしびと」のキャラクター紹介が更新。
白ランに日本刀という日本の伝統美的組み合わせが目を引く「一乃谷愁巌」とウルフガイティーチャー人情派な「加藤虎太郎」というこれまた癖のあるキャラが追加されました。


くそう。どちらもツボです。