石油の起源

有機物起源の方が,いろんな意味でありがたいですね・・・

石油資源は無尽蔵?
http://books.bitway.ne.jp/bunshun/ronten/ocn/sample/enquete/050728.html
原油価格(WTI原油先物価格)が今月7日、1バレル=62ドルと史上初めて60ドル台を突破し、その後も57ドル近辺で高止まりしている。上値を追う動きはようやく小康状態に入ったが、下落の気配は見られない。投機的な側面も多分にあるが、中国やインドの台頭などによる需要増が無視できない。今後も高い経済成長を続ければ、需要はさらに拡大していくだろう。
[...]
さらに、世界の多くの油田が遅くとも2010年までに生産のピークを越え、以降は減産に向かわざるを得ないとする「オイルピーク」説(2005年1月27日付本サイトで紹介)が、逼迫懸念に拍車をかけている。需要が増える一方で実質的に生産が減退するとなれば、いよいよ人類は脱・石油社会の構築を急がなければならない。

 だが最近、これらの懸念を根底から覆すような説が注目されつつある。「石油無機起源説」と呼ばれるものだ。従来、石油は数億年前の動植物の死骸が堆積して化石化し、地熱と地圧の影響を受けて生成されたと説明されてきた。この化石を多く含む泥岩を根源岩といい、その上に堆積物が厚く累積した堆積盆地と呼ばれる場所で、さらにいくつかの条件が整って初めて、油田が形成される。これが有機起源説である。それに対して無機起源説は、もともと地球深部に大量に存在する炭化水素が、地殻の断裂を通じて地表に向けて上昇し、油田を形成したという。これは19世紀末から存在していた説だが、実際、堆積盆地ではなく、その下にある基盤岩の内部から油田が発見される例が少なからずある。

 堆積盆地から石油が滲み落ちてきたとも考えられるが、周囲に油田や根源岩がない例がある。だとすれば、深部の炭化水素が上昇したと考えるほうが自然かもしれない。こういう場所は世界各地にあり、そのうち450箇所以上ですでに商業用の採掘が行われているという。たとえばベトナム沖では基盤岩に大油田群が見つかり、なかには、28万バレル/日を記録したところもある。
[...]
もし無機起源説が正しいとすれば、石油はピークどころか地球内に無尽蔵に存在し、なお生成され続けていることになる。もちろん、その発見・採掘のための投資と技術の確立が大前提になるが、これが世界各国の政治・経済・社会に与えるインパクトは計り知れない。人類はエネルギーに対する認識のコペルニクス的大転換を迫られることになるだろう。

確か,重質油の精製技術が確立すれば,石油の埋蔵量問題は向こう数百年クリアーになるはずですが,あれはどうなったんですかね・・・ 確か中部電力とかが頑張って技術作成していたはずですが・・・


さて,地球温暖化問題からみると無機物であったとすると,今まで地球内部にあった炭素が空気中に出てきているということで,長期的なカーボンニュートラル(地球表面にある炭素の量が一定であるということ)をも破られてしまう事になる.しかも,石油が無尽蔵にあるということでコスト高な代替エネルギーは敬遠されて開発が遅れることになる.
有機説が正しければ,石油はなくなってしまうけれど,長期的なカーボンニュートラルは守られるので,現在の地球環境が変化しても大きく変わらないことが予想できる(なぜなら,昔は石油に含まれる炭素は大気中にあった).