讃岐うどん『しん』

法事やおシゴトの用足しと全く遊ぶ暇もなく過ごした先週の木曜日、桜で有名な清水の船越堤の近くにあるうどん屋さんで昼食を摂った。

何度かその店の前を通りかかっており、そのたびに楚々とした暖簾の“本場さぬきうどん”や“丸亀”という文字が気にはなっていたのだが、かなり前に地元テレビ局のグルメ番組で紹介しているのを観て「近くに行くコトがあったら絶対に寄ってみるぞ!」とヒソカな決意をしていた『しん』である。
二月以降はおシゴトで全く遠出などできなかったわけだが、ここに来てようやくそのサワリを手に入れつつありうれPなのだ。
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とにかく“コシコシ”していて(四国の方はこう表現するらしい)旨いのだ。このコシコシというコトバの意味は、単に硬くてもっちりした某うどんチェーンの麺にはない部分を含んでいるような気がする。
茹で上げて水で冷やし流した讃岐うどんはカドがきっちり立っていて、何かそこに意志の固さのようなモノを感じるのだ。
大根おろしと青葱が散らされた“しんうどん”には柑橘酢が搾られ「生醤油を二周回しかけて食せ」とテーブル上に指示書が置いてあり初めてなのでその通りにやってみたが、なるほど!ジツに当を得た食し方であり、醤油の旨味も手伝って讃岐うどん本来を楽しめる。
同行していた母君は「釜あげうどん」を食したが、コレもまた十数年前に四国を訪れた時に食べたそれそのものであり、いりこ系のだし汁がなんとも言えないヨロコビを満喫させてくれる。
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本場さぬきうどん・丸亀『しん
http://shin.beblog.jp/
静岡市清水区船越南町794-5
TEL:0543-53-7700 / FAX:0543-53-8050
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鶏肉のディアブル

ディアブルとは“悪魔”を意味するが、食べ物になんでこんなに恐ろしい名前をつけるのかイタリア人のセンスは愉快だ。
焼けた鉄板の上に鶏肉を押し付けまるで悪魔が拷問を加えるかのような調理方法に由来する訳で、それ故に鶏肉の皮にはバリッとした焼き目が均一につくという仕組みなのである。


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ローズマリーやガーリックの風味をブラックペッパーの溌剌とした辛みが引き締め、ジューシーな鶏肉にフリルのような旨味の輪を拡げる。
仕上げにかけるバルサミコ・ソースが悪魔の無念の涙のようにも見えるが、ほんのりとした甘酸っぱさと葡萄の香りがこの料理の色気でもあり、ワインへの橋渡し役も担っている。
¥1370



カルボナーラ

近年はスーパーなどでも“あの店の…”などと謳ったソースが大手食品メーカーから販売されており、なかなかの味に驚くことも少なくない。
しかしヴィノッキオのカルボナーラは本質的にステージの違う料理であり、濃厚でまったりとしたその味わいは一度食せば再び手に入れたくなるような麻薬的魅力を放つ。
パンチェッタ(生ベーコン)の使用に負う部分も大きいだろうが、生クリームとパルミジャーノの配合比率や調理プロセスの煮詰め具合から生み出されたレシピが決定的な差異を生み出しているのだと自慢してもよいだろう。
¥1680




イタリアン・レストラン「 Vinocchio 」( ヴィノッキオ )
TEL/FAX:0544-23-1115
静岡県富士宮市三園平1692 KSKビル2F
11:30→14:30 / 17:00→21:00
木曜定休(祝日は営業、翌日金曜休)
お店へのアクセスは…地図を開く