乃木坂46『今、話したい誰かがいる』全国握手会@幕張メッセ

駅まではバイク、だったんだが激寒!10日前コミケで経験したばかりなのに学習が足りなかった。あと直前でバタバタするのやめたい。今回は衛藤さんにベマーズのシェリー好きってのと松っさんにガチャ子さんよかった!て伝えたかったのでイラスト用意してみるかと、最初ありものでと思ったのだがイマイチぴんと来なくてガチャ子さん描き下ろしたり。最初はそれ便箋に直描きしてファンレターしたためようかとも思ったのだが内容的に寧ろ伊藤衆人監督向けだなと思えたので控えたり。それと描いたはいいがどうやって見せるんだ?と悩んだ末に透明ブックカバーに入れて穴開けて紐通して首から下げることに。出来るには出来たがかっこよろしくはないな…みんなどうやってんだろ、チケットホルダーってこういう時に使えばいいのかな。

宇都宮駅7:18→7:38自治医大7:51→9:21上野9:26→9:33東京9:45→10:18海浜幕張着。
開演11時前には入場できた、今日割とスムーズだったような。A1ブロック。殆どモニター越し。みなみが元気弱そうなのが気になったけど真夏さんの「ケーキ作ってほしい人〜?」て振りに申し訳程度に手を上げてるのがけなげだった。キャプのほてった顔がかわいかった。やっぱ全握ミニライブ位で丁度いいなと思った。クラブイベントみたいな気持ちで。四つ打ちピアノ爆音で聴けるの楽しい。ミラーボールが欲しい!特にポピパッパパー!(パ行で)踊りましょ〜とかの変な振り好きだ。今誰のコロンビアもそうだけどあのヘンテコ感がいいのかもしれない。「悲しみの忘れ方」で新内優里が見えてあれ?生駒ちゃんと能條さんのアンダー?なわけないよな?全員参加?と12th選抜曲なことしばらく思い出せなかった。12時に終わってそのまま握手待機列、13時半過ぎに入場。
第4レーン衛藤美彩13:45待機14:00到達。とりあえずシェリー好きとか伝えられた。衛藤さん顔の肌つぷつぷっぽいの好きなので(10th個人pv以来)至近距離で見られてよかった。そして上述の絵も下げてはみたが特に何という反応はわからなかったような。
第14レーン川村真洋松村沙友理14:05待機14:15到達。ろってぃーニャンちゅう線がすごい!祝成人。まっさん賑やかイメージあるけどおとなしやらかい。とりあえずガチャ子さんよかったです!とは伝えられた。「ありがと〜」っておっとり言われるのかわいい。こっちでも絵に特には反応なかったのかな。なんかここにきて急に訴求力のある絵が描けたい、と思った。まあ一瞬だからよく見えんてのもあるかもしれんけどその一瞬でバンと目を引くような絵が描けたい、と。いつも好き勝手描いてるばかりでそれでいいと思ってもいるんだけど気にしなすぎってのもあるからな。あ、あと隣のレーンに覗けた斎藤ちーちゃんがすげー彫り深くて美人だな!と思った。
第15レーン和田まあや高山一実14:20ほぼ待ち無し。二人とも座位。図らずも乃木坂唯一の二回目になったまあやは喋れません張り紙。ずーさんには小説よかったてのと三島『剣』薦めたら目を見開いて関心示してくれたっぽくてうれしゅうきもち。
会場全体の混雑で人が蓮画像みたいだな!と思いつつ早々に離脱。全握3回で生生星、御三家・92年組辺りは行けたことになるのか。93年組も優里、かりん、高山とリーチきたしやっぱ次は真夏さんも行ってみようかな。ビックリマンシール完全百科で十字架天使の進化シールを集めよう!とかサタンマリア系譜のシールを集めよう!とか読んでた系オタクなので。
西千葉で鈴木書房寄って図書館で借りて読んだきりの『未成年』(ドストエフスキー)3冊250円だったので相変わらず安いな!と買い。また幕張のついでに行っては変わんねーなー!とか思いたい。あと移動待機中読んでたスティーブン・キングの短編集もとても面白かった。長編も読みたい。
あと帰り電車でめちゃくちゃ眠りまくって乗り過ごしたりしたのだがおかげで駅に設置されてるacure次世代自販機というの見られてよかった。画面タッチすると商品説明とか乃木坂の動画とか流れるやつ。初めて見たさすが東京、と思ったら宇都宮駅にもあるのね。知らんかった。

谷崎潤一郎『谷崎潤一郎フェティシズム小説集』『美食倶楽部』

谷崎潤一郎フェティシズム小説集』
『悪魔』

……これが洟の味なんだ。何だかむっとした生臭い匂を舐めるようで、淡い、塩辛い味が、舌の先に残るばかりだ。しかし、不思議に辛辣な、怪しからぬ程面白い事を、おれは見付け出したものだ。人間の歓楽世界の裏面に、こんな秘密な、奇妙な楽園が潜んでいるんだ。……彼は口中に溜る唾液を、思い切って滾々と飲み下した。一種掻き挘られるような快感が、煙草の酔の如く脳味噌に浸潤して、ハッと気狂いの谷底へ、突き落とされるような恐怖に追い立てられつつ、夢中になって、ただ一生懸命ぺろぺろと舐める。

『美食倶楽部』
『病蓐の幻想』

たとえてみれば、上下の顎骨の歯の根から無数の擾音が喧々囂々と群り生じ、一つの大きな、綜合された呻りを発して、Qua-an!Qua-aan!というように、口腔内の穹窿へ反響し続けているのであった。それはちょうど、恐ろしく野蛮な力でグワンと頬桁を擲られた跡などに、長く長く残っている痺れた感覚に似通っていた。そうして一々の歯の痛み工合を、よく注意して感じてみると、痛むというよりは、Biri biri-ri-ri!と震動しているように想われた。
「そうだ、痛みが極度に達すると、むしろ音響に近くなるのだ。あたかも空中で音波の生ずるように、歯齦の知覚神経が一種のヴァイブレエションを起すのだ。」と、彼は腹の中で呟いた。

『白昼鬼語』

近頃の私は、純日本式の、芸者風の美しさには飽き飽きしていた一人であるが、その女の輪郭は必ずしも草双紙流の瓜実顔ではなく、ぽっちゃりとした若々しい円味を含みながら、水の滴るような柔軟さの中に。氷の如き冷たさを帯びた目鼻立ちが物凄く整頓していて、媚びと驕りとが怪しく入り錯っているのであった。
そうしてもし、その女の容貌の内に強いて欠点を求めるならば、寸の詰まった狭い富士額が全体の調和を破って些か卑しい感じを与えるのと、太過ぎるくらい太い眉毛の、左右から迫ってくる眉間の辺に、いかにも意地の悪そうな、癇癖の強そうな微かな雲が懸かっているのと、こぼれ落ちる愛嬌を無理に抑え付けるようにして堅く締まっている唇の閉じ目が、渋い薬を飲んだ後の如く憂鬱な潤味を含んで、胸の悪そうな、苦々しい襞を縫っているのと、ーーまずそれくらいなものであろう。しかしそれらの欠点さえもこの場の凄惨な光景にはかえって生き生きと当て嵌まっていて、一層彼女の美を深め、妖艶な風情を添えているに過ぎなかった。

「全く綺麗ですな。この色を見ると、とても恐ろしい薬だとは思えませんな。」
男はなおもガラスの管を眼よりも高く差し上げて、うっとりと見惚れている。
「恐ろしい薬だから綺麗なんだわ。悪魔は神様と同じように美しいッていうじゃないの。」

「恐るべき殺人鬼、……そうだ。であると同時に美しい魔女でもある。そうして僕の頭の中には、恐るべきだという事は理窟の上から考えられるばかりで、あの女の美しい方面ばかりが際立っている。ゆうべの光景を想い浮かべてみても、ただ素晴らしい怪美人だ、この世の中の物としも思われないほどの妖艶な女だ、というような感情のみが湧き上って来る。昨夜節穴から覗き込んだ室内の様子は、たしかに殺人の光景でありながら、それが一向物凄い印象や忌まわしい記憶を留めてはいない。そこには人が殺されていたにもかかわらず、一滴の血も流れてはいず、一度の格闘も演ぜられず、微かな呻き声すらも聞えたのではない。その犯罪はひそやかになまめかしく、まるで恋の睦言のように優しく成し遂げられたのだ。僕は少しも寝覚めの悪い心地がしないで、かえって反対に、眩い明るい、極彩色の絵のようにチラチラした綺麗なものを、じっと視詰めていたような気持ちがする。恐ろしい物はすべて美しい、悪魔は神様と同じように荘厳な姿を持っていると云った彼女の言葉は、単にあの宝玉に似た色を湛えた薬液の形容ばかりでなく、彼女自身をも形容している。あの女こそ生きた探偵小説のヒロインであり、真に悪魔の化身であるように感ぜられる。あの女こそ、長い間僕の頭の中の妄想も世界に巣を喰っていた鬼なのだ。僕の絶え間なく恋い焦れていた幻が、かりにこの世に姿を現わして、僕の孤独を慰めてくれるのではないだろうかと、いうようにさえ思われてならない。あの女は僕のために、結局僕と出で会うために、この世に存在しているのではないだろうか。いやそれどころか、昨夜のあの犯罪も、事によると僕に見せるために演じてくれたのではないだろうか。ーーそんな風にまでも考えられる。僕はどうしても、たとえ自分の命を賭しても、あの女と会わずにはいられない。僕はこれから彼女を捜し出して、彼女に接近する事に全力を傾けるつもりでいる。……君が心配してくれるのは有り難いが、どうぞ何も云わないで勝手にさせてくれたまえ。前にも云った通り、僕はあの女の秘密を探るのが目的ではない。僕は彼女を恋いしているのだ。あるいは崇拝しているのだ、と云った方が適当かも知れない。」