『「塩」の世界史―歴史を動かした、小さな粒』

生命が生きるに欠かすことの出来ない「塩」がどのように生産され、流通し、使われていったか、という視点から世界史を見詰めるという内容です。この本を買って良かったな〜と思えたところは、バルト海のタラ漁と塩の関係に枚数をさいていること。南で製塩して、北に運び、北で獲れたタラを塩漬けにして、ヨーロッパ全土に運ぶ。西欧は肉食というイメージがありますが、キリスト教は肉食を奨励しなかった(もちろん高いという理由もあるだろうが)ので、基本的に魚が蛋白源だったみたいです。

「塩」の世界史―歴史を動かした、小さな粒

「塩」の世界史―歴史を動かした、小さな粒

青銅器や行動や

色々なことに興味が移ります。

書評を読むと、絶賛絶賛大絶賛の『グロテスク』なのですが、本屋さんでパラパラと読んで見たら、ああこれは絶賛されるのも分かるわ、という情念カオス。小説を読むのは正直きついんですけれども、我慢して読んでみる価値はあるかなと思いました。

不意に、一年ほど前にしたゲームのことを思い出す。アトラスの作品の中では、際立つ微妙さがどうか、と思うのですが、世界観は良かった。感情のない人たちが頂点を目指して殺しあうって、なかなかないゲームだった。僕は2よりも1のほうが好き。1の世界観をもっともっと広げていけば面白かったのに。2は閉じた系の世界と、終末的な展開に鼻血が出そうになるからなぁ……

  • 青銅器についての本はこれがいいかも

『図説中国文明史』という本が解説とか写真とかが沢山あって面白そうです。

世界に鉄が存在しなかったら

世界に鉄が存在しなかったら、ってそれはありえんだろ!(もちろん、人間の血液には鉄分が流れているので、鉄が存在しないというのはありえないのだが、……産業的になりたつ鉄鉱山が存在しない世界、というのならどうだろう)まあ、ともかく、鉄はレアメタルで、海底や辺境にはあるけれども、それよりも銅と錫が大量に産出される世界での、ファンタジーというものを考えています。青銅器文明って、なかなか血生臭くて僕好みですし、生贄とか酒池肉林とか焙烙とか中国残酷物語の出発点がここなので、面白いものが書けそう。

  • 青銅とは

青銅は製鉄が始まる以前から生産されていた金属で、銅と錫から(二つの割合は、作られるものによって変化したらしい)出来ています。銅に錫を混ぜるのは、融点を低くすることで精錬しやすくするためで、ユーラシア大陸ではトルコから中国くらいにかけて青銅器文明が花開きました。僕が考える青銅器の特色は、土の中にあって朽ちることがないので、当時の精神性が良く分かるということです。殷の時代の青銅器には祭祀用としてビッシリと文様が描きこまれていました。その複雑さや彫金技術の素晴らしさは、今観ても感嘆してしまうほどです。

  • 青銅器の武器としての性能

青銅は鉄と比較して柔らかいので、剣や槍という使い方は難しいかもしれない(発掘された武器の中には剣や鉾があるけれども、実用的と言えるかどうか)。やはり武器の華は弓矢・石弓・砲の飛び道具であるし、戦いになれば打撃兵器のほうが実用的だったりするので、そちらが発展しているとする。