2011/10/6 「坂本龍馬101の謎」


この本には、「菊池明」と「伊東成郎」と「山村竜也」の三人が共著しています。いずれも龍馬・新選組研究家として有名な方、なのだそうです。
それだけに、マニアックな内容なんですが、「龍馬の謎<徹底検証>」(加来耕三)の本と食い違っている部分があります。
加来によると、龍馬の背中に毛が生えていたというのは嘘だというのですが、山村の調査では、龍馬の妻になったおりょうさんが、毛が生えていたという証言をしている、と記しています。


また、この「101の謎」では、ジョン万次郎の言葉は政治的な部分は少なすぎて、後生に影響を与えたとは考えにくい、と書いてあって、「それじゃあ、司馬遼太郎さんの『龍馬がゆく』の前提がくずれやしないだろうか」と違和感を感じました。『龍馬がゆく』では、ジョン万次郎の見聞録が勝海舟に影響を与え、それが龍馬にも伝わった、というようなことが書いてあった記憶があります。


そういえば司馬さんとの記述の違いはほかにもあって、坂本家の先祖は明智光秀関係ではなく、『日本書紀』にあったと「101の謎」では記されています。(これは加来説も同じスタンスです)。「101の謎」では簡単に由来が書いてありますが、<徹底検証>はさすがに徹底的に調べていると言うだけあって、詳しく書いてあります。

三つの本を比較してわかるのは、坂本龍馬という人物が、やっぱり「よくわからない素性の人」で、口八丁手八丁で世の中を渡っていき、日本を変えちゃったということでしょうか。いろは丸の事件を読んでみると、紀州側が少し気の毒になってきたりもしました。司馬さんは龍馬よりですが、いろは丸には武器は積んでなかったようですしね。
「101の謎」は、いろんな裏話が気楽に読める一冊だと思いました。











坂本龍馬101の謎

坂本龍馬101の謎