19, 03. 2012 寒気戻る


前日よりも僅かに雲が高く,時折薄日が射したものの,昨日は冷え込んだ。降雪も含めて,気温も行きつ戻りつしながら高まって行くのは承知のことながら,暖かさを体験した後では,酷く寒く感じる。洗濯機を仕掛けて,床に貼り付いた作品を外し,床を磨き直した。今日からの仕事に備えて,膠を大量に水に浸した。

「蛍の航跡」を読み終えた。負け戦と知りつつ戦地に配属され,戦闘での死傷よりもマラリアやアメーバー赤痢,更には極度の栄養失調で命を落として行く兵士の膨大な数。医薬品も欠乏し,手を拱いて見送らねばならない軍医達の無念さを想う。天候は薄暗いし,気が滅入ったので,義妹のバッグを裁った僅かな残りの革に、ハンチングを縫った残り革を合わせて,煙草入れを裁った。裏に貼る接着綿を裁って,アイロンで接着し,何時でも縫える状態にした。

2時過ぎに散歩に出かける。朝方は止んでいたのに,北風が冷たい。帰りは住宅を風除けにして戻ろうと,南へ向った。東町公園のケヤキを見ようと、踏み固められた跡を辿って公園に入る。秋に手前の樹が倒れかかっていたが、完全に折れたのか,切り倒されたのか,樹が雪面にあって通行止めの黄色いテープが張られていた。南の緑地帯を進む。シジュウカラが忙しなく飛回っていた。鉄道林手前の銀杏が、曇天にも拘わらず梢が明るく煙って来ていた。






西の雲が厚い。鉄道林前の道を西へ向う。繋がっていた歩道脇の雪と塀の雪は融けて分離し,間に氷柱が下がっている。雪で頭を抑えられたライラックも覗いていた。







中央の沢の東の遊歩道に入る。鉄道林前の道との距離が離れて行く。橋の傍の階段が見えて来た。未だ雪で降りられそうにはなかった。この階段脇の土手に、春早いエゾエンゴサクが咲く。斜面の樹々の根元は,僅かに根開けが始まっている様に見えた。北の沢の遊歩道に入る。強い北風で雲の動きが早く,薄日が屢々途絶える。大きなカシワの樹の下にも,折れた枝が落ちていた。




昨夜,数cmの降雪があった。現在は青空が見えているが,気温は低く窓ガラスが白く煙っている。開いていた石楠花の葉も、細く巻いてしまった。明日はお彼岸なのに、寒気は去らない。