いま、住んでいる、そのまちにあるリスク

ぺんぎん堂の飯島です。意見は私個人のものです。

立秋 第三十九候『蒙(ふかき) 霧 升降(まとう)』

 いよいよ秋の気配、最近は雨の日が多く、しのぎやすくなっていますが、一方で、台風に伴う風雨による被害のニュースもたえません。


どこに住もうかと考えるときには、ここをチェックしないと

 広島の土砂災害から1年、メディアでも様々な課題が取り上げられ、指摘する報道がされています。もっとも基本は、危険なところには住まないということでしょう。そのための土地選びには、どんなところをチェックしなければならないのか。「あのまちに住みたい」という、その町は、自然災害の発生を考えて、大丈夫な町ですか。『住みたいまちランキング』の上位常連の街にも意外なリスクが潜んでいるという指摘から始まる本書は、これからの時期、チェックしておいた方がいい本だとますます思えてきています。

住んでいい町、ダメな町 自然災害大国・日本で暮らす』(大木裕子 著)



 「これ以上自然災害で亡くなる人を増やしたくない」という思いから本書を執筆したという著者は、地球科学コミュニケーターで、中小企業診断士で東大地震研、出版社編集を経て、ウェブサイト[Solid Earth Channel]http://www.solid-earth.com/を主催しています(ぜひ一度サイトを訪ねると良いと思います)。
 ある意味、インターネット時代に最も適した今日的情報収集の手だてに満ちています。

 その場所に「人間が存在していなければ、自然災害は起きません。人間が存在しなければ、地震や火山噴火はただの自然現象です。」というとおり、過去に津波が押し寄せ、甚大な被害があった場所に人が住んでいなければ、津波災害に巻き込まれることはないでしょう。住む前にその土地のことを知り、危険なところは避けることこと。また、住んでいるなら、そこがどんな地盤や過去にどんな自然災害があったかを知り、そのための備えを自らがすること、これが大事ということでしょう。
 そのための、情報入手の手段には、国土地理院http://www.gsi.go.jp/の『土地条件図』の使い方をはじめ、有効活用が可能なサイトが紹介されています。
 あとがきで2014年11月22日の長野県北部の地震について触れ、「ある家は建ったままなのに隣の家はぺちゃんこであったりすること」つまり、建物の耐震化の違いによって被害の程度が異なり、そのことについて、より注意を喚起していく報道や行政の対応、さらには、自然災害に対する教育などの必要性を訴える筆者の言葉に耳を傾け、まずは、自ら、自分が住もうとしている町、住んでいる町のリスクチェックを行いましょう。



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