映画の日〜アジアンタムブルー

 今年最後の1日。そう、映画を千円で見られる日。
もともとは、12月1日が映画の日であることから
生まれたサービスで、私が学生の頃は12月1日しか
このサービスは無かった。それが、今では毎月1日
は必ずこのサービスの恩恵に与ることが出来るのだから、
有難いことである。


 以前、このブログにも書いた「アジアンタムブルー
を観に行ってきた。検索してみると、意外に公開されて
いる映画館の数が少ない。それも、その殆どが12月8
日までになっていて、東京近郊でやっているのは、恵比寿
ガーデンシネマ他2箇所だけ。そんなこともあり、他に
いくつか観たい映画はあったものの、公開が終わってしまう
と暫く観れないので、今回はこの映画に決定。


http://d.hatena.ne.jp/barrios/20061024#p2


 恵比寿で映画を観るのは初めてだったので、調べてみると、
恵比寿ガーデンプレイスの一角にある比較的新しい独立系
の映画館らしい。大々的に公開される映画ではないけれど、
佳作と思われる作品を上映している映画館のようだ。



 そう言えば、恵比寿ガーデンプレイスはクリスマスの
イルミネーションが綺麗だと聞いたことがあり、いつもの
ように、デジカメの用意も準備万端だ。



 地下鉄を乗り継ぎ、恵比寿駅に到着。もともと、恵比寿
ガーデンプレイスは以前エビスビールの工場があった所で、
その広い敷地の中にショッピングモールやレストラン等
いろいろな施設が集まっている。映画館もその中にある。
 ただ、恵比寿駅からは、動く歩道を使わないと、かなり
距離があることを忘れていて、余裕を見て出てきた積もり
だったが、開演ぎりぎりになってしまった。



 映画は?、と言うと「愛する人の死を前にして、自分は
いったいなにができるのだろう?」ということをテーマに
した正統派のラブストーリー。テーマは重いはずなのに、
終わった後にはニースの明るくて鮮やかな青い海、そして
アジアンタムの緑が印象に残る。


 序盤は、阿部寛演じる隆二の心の荒廃した生活ぶりが鼻に
つき、正直言って今回ははずしたかなと思ったが、松下奈緒
演じる葉子の中に希望を見出したことをきっかけに変わり
始めてからは、上手く描写されていて、なかなかだった。



 葉子は、「水溜り」に写る風景を被写体にしている新進
カメラマン。不幸で孤独な境遇にありながら、ピュアで心の
綺麗な女性。映画では、「土踏まず」のようだ、と形容されて
いる。裸足で歩いても、そこだけは汚れないという意味だ。
隆二が惹かれていく経緯も映画という少ない時間の中で良く
描かれていたと思う。


 ラストの方も、この手の映画に有り勝ちな闘病シーンの多さ
のために、話が深刻になり過ぎることがなかった点も良かった
ように思う。私にはニースの海を背景にして、二人で写した
後ろ向きの記念写真と、バックに流れる松下奈緒自身の演奏に
よる「藍の記憶」の音楽がとても強く印象に残った。


映画終了後、デジカメであちこちを撮影してみたが、やはり夜景
の撮影はなかなか難しいと実感。結局、満足出来る出来の写真は
あまり撮れなかった。もう少し撮影術の勉強が必要みたいだ。