セクサロイドと恋愛できるアンドロイドは根本的に別ではないか

P2Pとかその辺のお話@はてな」さん経由で、以下の文章を読みました。

「今晩どう?」「今夜はいや。ロボットとどうぞ」――。恋人とのこんな会話が、SFや未来の世界ではなく今世紀中に交わされるようになるかもしれない。

 こう考えるのは、性研究と人工知能の教授で『Sex with Robots: The Evolution of Human-Robot Relations(ロボットとのセックス――人間とロボットの関係の進化)』の著者でもあるデービッド・レビー(David Levy)氏(62)。同氏は、21世紀半ばまでには「電子化された魔性の女」、つまりセックスボットが人間生活の一部として受け入れられると予測。「素晴らしいセックスが24時間週7日楽しめることを想像してみてくれ。人間はロボットに恋さえするかもしれない」と語る。

未来の人間はセックスロボットと恋に落ちるのか?」


また、以前「G★RDIAS」でこんな記事がありました。

私は開発者の(隠された)性欲がこれらの動きを作り出していると思うし、このままいけば上記のようになっていくのは避けがたいと思う。もし仮に多くの男がロボットを伴侶に選ぶようになったら、女性たちはどうすればいいのか。

女性型ロボットへの性的欲望の未来

これらの文章では、セックスと恋愛が結びつけられていますが、個人的には、この二つは全く別物だと考えた方が良いだろうと思います。何故なら、以前私が与太話で述べたように、セックスはすでに高度に商品化されているのに対して、恋愛は商品化されていないからです。

セックスは、非常に商品化が容易です。世界最古の職業が娼婦であると言われるように、セックスは昔から商品化されていました。現在も、ありとあらゆる性的欲望を満たすためのサービスが存在しています。セクサロイドが実用化されても、これらの極めて多様な性的サービス・商品の中の一つに過ぎないですし、既存の性的サービスと比べて、セクサロイドが著しく魅力的というわけでもないでしょう。そのため、新たな大きな市場を切り開くと言うこともなく、社会的な影響は、非常に小さいだろうと思います。

しかし、恋愛は現在まで商品化されていません。これは、家族や友人などの人間関係がまだ商品化されていないのと同じことです。しかし、恋人や家族や友人には、莫大な需要が存在します。今まではこれらの存在は、商品化されておらず、サービス産業化していませんが、需要自体は莫大なので、商品化された場合、超巨大な市場が生まれ、それと同時に大きな社会変化が生じるはずです。

アンドロイドは、恋愛や家族や友人を金銭を媒介としたサービスとして消費可能にするための手段としては、途方もなく巨大な影響を社会に及ぼすだろうと思います。逆に、セクサロイドは、それ自体はさして大きな影響を及ぼさないだろうと思います。

そのため、セックス用のアンドロイドと恋愛対象としてのアンドロイドは、全く別のものとして扱った方が良いのではないかと、個人的には思います。


Love and Sex with Robots: The Evolution of Human-Robot Relationships

Love and Sex with Robots: The Evolution of Human-Robot Relationships