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2017-01-19

1月21日(土)・22日(日)岸井戯曲を上演する。#5[メイド喫茶の条件]ほか


月イチペースで行っているシリーズ「岸井戯曲を上演する。」第5弾!!


今回は「メイド喫茶の条件」という戯曲を4組のアーティストが上演に挑む。


しかし、「メイド喫茶の条件」という文章は、ハンナ=アーレント人間の条件』を用いて、日本に生まれた「メイド喫茶」、それを生み出した文化的、精神的、思想的背景を読み込んでいくというもの。


読み進めていくと、アーレントの『人間の条件』を読みくだしているようにも、他の国には起こりえなかった不可思議な現象を読みくだしているようにも、どちらとも受け取れるような内容。


とはいえ、一般的な戯曲には見えないものばかりだったから、論文だからといって驚いていてはいけないのだろうが、さt、名乗りを上げた演出者たちは、これをどうやって料理するのだろうか?


どちらにしても文章をそれぞれに読み込んで、再解釈を加えるのだろうか? 上演に向けて、さらに別の台本を書くのだろうから、何か二重の作業が重ねられるのだろう。(それを上演台本というらしい)


世界の経済アメリカを中心に高度に情報化、消費型経済に移行していく過程で書かれた、アーレントの『人間の条件』が予言していた未来を、現在の日本の社会に重ねあわせて考えるとしたら…? 演出者たちからの岸井戯曲とはまた違う角度からの解釈や考えが出てきたら面白い。


すでに「メイド喫茶の条件」を上演したことのある二十二会は「演劇はおもしろいものです」と「弱点の正気」という別の戯曲に挑戦するらしい。


併せてお楽しみください。



現在[岸井戯曲を上演する。#5]へ向けた放送室を生放送中。こちらもぜひご覧ください。

2017/1/19/二十二会/山田カイル/佐藤朋子/岸井大輔/blanClass放送室↓

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こばやしはるお

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Live Art 月イチシリーズ

岸井戯曲を上演する。#5[メイド喫茶の条件]ほか


2016年9月から1年間毎月、blanClassで、岸井大輔作の戯曲を、さまざまなジャンルのアーティストにより上演します。ひとつの戯曲を、何バージョンかで上演し、終演後それぞれの上演を行ったアーティストでトークを行うことで、現代戯曲の可能性を考えるシリーズ。


第5回にあたる1月は『メイド喫茶の条件』を上演します。岸井戯曲中最長の論文形式の戯曲。21世紀日本のオルタナティヴスペース史を、秋葉原におけるメイド喫茶の盛衰の歴史に仮託し、ハンナ=アーレント九鬼周造をつかって読み解く、「東京の条件」の姉妹作品。過去に2回メイド喫茶の条件を上演した二十二会による別の岸井戯曲上演付。


メイド喫茶の条件]

バージョンA 榎本浩子(アーティスト)

バージョンB 大川原脩平(舞踏家/仮面屋)

バージョンC 萩原雄太(演出家/かもめマシーン)

バージョンD 鷲尾蓉子(アーティスト)

[演劇はおもしろいものです]&[弱点の正気]

二十二会

司会:佐藤朋子(アーティスト/Comp) マンガ:今井新(アーティスト)

21日トークゲスト:長島 確(ドラマトゥルク)


日程:2017年1月21日(土)・22日(日)

時間:19:00〜21:00(開場:18:30)

予約:2,000円/当日:2,500円

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〈予約方法〉ご予約は前日までにご連絡をお願いします。

〈タイトル〉[岸井戯曲を上演する。#5]予約〈本文〉1)日にち 2)氏名 3)住所 4)メールアドレス 5)参加人数

上記の内容でイベント前日までに以下のメールアドレス送信ください。こちらからの返信を持って予約完了とさせていただきます。なお定員に達した場合などお断りすることもございますので、あらかじめご了承ください。

メールアドレス

info@blanclass.com

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大川原 脩平 Shuhei OHKAWARA

  • 舞踏家/仮面屋。「豆」をテーマにしたダンス作品をつくる。また、振り付けの概念を拡張することによりアートプロジェクトも行う。仮面専門店「仮面屋おもて」店主。

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榎本 浩子 Hiroko ENOMOTO

  • 1986年群馬県生まれ。自身の家族や友人、身近な出来事を主題に、私的な視点で社会との関係性を追求する作品を制作している。主な個展に「あたらしい朝がきた」(ya-gins、群馬、2016)、「話したくないこと 英語の勉強 布団を干す」(シャトー2F、東京、2013)など。

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萩原 雄太 Yuta HAGIWARA

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鷲尾 蓉子 Yoko WASHIO

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二十二会 NIJYUNIKAI

  • 劇作家、渡辺美帆子と俳優・美術家、遠藤麻衣による演劇ユニット。演劇を構成する要素を使って遊ぶ。身体に鏡をつければ誰でもへんなうごきができる『へんなうごきサイファー』、観客一人の周辺視野演劇『目に殴られた』、食事会『ひばり』などを創作。2017年は音楽劇を創作予定。

http://watanabemihoko.com/

http://www.maiendo.net/

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今井 新 Arata IMAI

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長島 確 Kaku NAGASHIMA

  • 日本におけるドラマトゥルクの草分けとして、演劇・ダンス・オペラからアートプロジェクトまで、さまざまな集団創作の現場で活躍。最近のプロジェクトに「長島確のつくりかた研究所」(東京アートポイント計画)、「←(やじるし)」(さいたまトリエンナーレ2016)など。

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佐藤 朋子 Tomoko SATO

  • 1990年長野県生まれ。2012年より振付家の小山柚香と共にComp.というカンパニーで主に「サンカ」というかつて日本にいたといわれる集団をテーマに作品発表をする(現在カンパニーとしての活動は休止中)。最近は自身の祖母の生い立ち話を「今ここに再生する」方法としてのパフォーマンスを制作したり、長野県飯山市北原地方に伝わる「狐にだまされた話」の調査をしている。

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岸井 大輔 Daisuke KISHII

  • 1970年劇作家。他ジャンルで遂行された創作方法によるジャンルの形式化が演劇でも可能かを問う作品群を発表している。代表作「P」「potalive」「東京の条件」「好きにやることの喜劇(コメディー)」。2013年ー2018年にかけ、日本における現代演劇を探求するプロジェクト「始末をかく」実施中。

2017-01-18

暇になろうよ(2017_2-3)

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ブラック企業と認定された企業に限らず、どういったシチュエーションでも、人に見られていると感じると、長い時間をかけたものの方が価値があるように錯覚するようで、長時間労働というものは、押し付けられているわけでもなく、どうやらそれぞれの人たちが自主的に「仕事した感」を味わうために増長していくものらしいのだ。


最近いろいろな人と喋っていたら、どうも身体が空いたり、退屈を感じると、なにかしらの空間恐怖のようなものが働くのか? それをどうにかして埋めてしまう傾向というものがあることを知った。こうなると、ダラダラと仕事をするどころか、もはや、やることすらないのに「なにもしない」という選択が取れないということ。


「効率」と言ったら、少し聞こえが悪いけれど、仕事なんてものは時間をかければいいというものでもないだろうし、気持ちが入っていたからといって、良い結果が得られるわけでもないだろう。仕事が一番大事という人たちには大きな声では言いにくいが、一生にやり続けなければならないことは「仕事」ばかりではないし、「仕事」とレッテルの張られていないけれど、やらなくてはならないことは、果たして「仕事」ではないのだろうか?


なんでもかんでも「仕事」とか「勉強」と言ってしまったら、今度はどちらもやる気が失せるから、ではなんと呼んだらいいのだろう? どうせやることの中に大事なことと大事ではないことにグラデーションをつけるのがおかしいという話なのだが、安易に優先順位をつけていくと、実はツケが溜まって、結局はコストがかかってしまう。それが現在の経済社会というものだ。


「なにもしない」とか「やることがない」とか「なにをしたらいいのかわからない」とか「そもそもなんにもわからない」というような心持ちは恐怖の対象のようだが、どうだろう?


そういう気持ちとうまく付き合って、そちらの方に時間をかけた方が視野が広がって、より良い考えが生まれていくはず。


だから「余白」のような時間を簡単には「無駄」とは言わずに、逆にそういう時間をつくるために、そのほかの時間を切り盛りしてはどうだろう?


自分の視野で抱えている物事とそれ以外の場所で起こっていることにギャップがあって、いざ外で起こっている深刻な問題に触れるとストレスで行き詰ってしまったり、逆に無理に言語的な接続だけを頼りに「社会性」を装ってしまうことも、きっと「仕事」らしきもので日々を埋めてしまうことと似たことをしているのではないだろうか?


本当は「なんにもない」と思い込んでいる方に、身近に実感できる「社会」が垣間見えるはず。まずは自分の持っている視野の狭さを実感して、あえて暇に耐えてクリエーションに臨みたいもの。


というわけで、心置きなくゴロゴロするためだけに「仕事」、もしくは「アート」をしよう。


小林晴夫(2017.2-3 チラシ掲載)

2017-01-09

1月13日(金)杉田 敦 ナノスクール第4期 [ブッダに会ったらブッダを殺せ #9]

blanClass、新年一発目の月イチセッション杉田敦さんのナノスクールから始まります!


去年の4月に始まったテーマ「ブッダに会ったらブッダを殺せ」を現在も継続して続けています。今回で9回目になりますが、ブッタに会うことすら結構な難題で、未だに何かという具体的な答えは僕自身出せていません。


もしかしたら、あらゆることに対して思い込みや、偏見を持っていて、それに気づかないまま暮らしているのかもとも思います。


だけどあまり考え込んでも発見やアイデアはでてこないものです。ではどうしたらいいのでしょうか。


それを探すのもナノスクールでしたね。


ナノスクールは連続のセッションですが、一回きりの参加も十分楽しめる内容になっています。初めての方も、続けて参加していただいている方も、2017年最初のナノスクールにぜひお越しください!


みやざわひびき

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★月イチセッション|杉田 敦 ナノスクール《nano school》#46[ブッダに会ったらブッダを殺せ #9]

http://blanclass.com/japanese/schedule/20170113/

極小の学校、ナノスクール第4期。知っていると思い込んでいることを可能な限り小さくして、再び、本当の意味で知るために努力してみること。アートにとって重要だと思われるそうした姿勢を、これからもいろいろ試していければと思います。

井土ケ谷事件の当事者になってみるというスタートから、「協調/反駁/誤解」、「そこにそれはない、あるのかもしれないけれど」、「裸になること、左になること」とテーマを替えて開催してきたナノ・スクール第4期は、「ブッダに会ったらブッダを殺せ」のタイトルのもと、権威から自由になり、自律性を保つための精神そのものについて考えます。五日市憲法文化学院ホモソーシャル連続体、イスラ・クラブ、グルジェフゾロアスター教シュタイナー大逆事件人間原理、安藤昌益、ブランショセリーヌなどがテーマとなります。指摘しやすい権威のみならず、ときにそれを糾弾するものの中にさえはびこっているはずの権威の本質を凝視め、考え、試み、挑みます。

また、現在開催中の《第3回イドガヤ・ビエンナーレ》(2017年12月12日まで開催中)は随時振り返りながら、今後のあり方について考察していけたらと考えています。

※ナノスクールは完全予約制となります。 参加資格は、アート、あるいはそれに関連する分野の専門家、あるいは専門家を目指す人とさせていただきます。


日程:2017年1月13日(金)18:30〜

参加費:1,200円/学生 1,000円(要予約)



〈予約方法〉ご予約は前日までにご連絡をお願いします。なお定員に達した場合などお断りすることもございますので、あらかじめご了承ください。

〈タイトル〉ナノスクール予約〈本文〉1)日にち 2)氏名 3)住所 4)メールアドレス 5)参加人数

上記の内容でイベント前日までに以下のメールアドレス送信ください。こちらからの返信を持って予約完了とさせていただきます。

info@blanclass.com


美術批評。オルタナティヴ・スペース art & river bankディレクタ。女子美術大学教授。最近の著書に、『静穏の書』、『ナノ・ソート』(共に彩流社)、『アートで生きる』(美術出版社)、『リヒター、グールドベルンハルト』(みすず書房)、『inter-views』(美学出版)がある。作品に”critics coast”(越後妻有アートトリエンナーレ, 2009)など、キュレーションポルトガル現代美術展『極小航海時代』(JAM)などがある。また、批評タブロイド紙 “+journal” の編集、アーティストの増本泰斗と、ディスカッション・プロジェクト”Picnic”も行っている。

あらためて、Do it yourself !(2017_1)

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2017年のLive Artはキャッツヘブン企画「ヤミ市」でスタートする。

今年の新年パーティーの企画を吉田和貴さんにお願いしたところ、cat's heaven…!というプロジェクトの展開として企画をしたいとのこと。cat's heaven…!とは、2005年に8月15日の敗戦記念日を念頭に置いたグループ展のために立ち上がったプロジェクト。第二次世界大戦終結の日を考えるときの「犬死について考える(thinking about dog's death)」という姿勢に対峙して、吉田さんの周辺にいたアーティストたちが「猫たちの幸福(cat's heaven)」を想うことをあえて標榜したことから、この名前が当てられたということらしい。

cat's heaven…!が逆転して示そうとしたは、ひとつの事柄の認識を、ひとつの方向に固定化させたくないという意思の表れだろう。批判というと、ネガティブ方向に傾きがちだけれど、ポジティブ方向への批判だって怠ってはいけない。それこそ現状を誤解してしまう恐れがあるからだ。実際、問題だらけの世の中だけれど、クリアしていることだってたくさんあるはずで、そこを無視したら、結局のところ過去を振り返るだけで、同じところをグルグル回ってしまうことになる。

そしてそのcat's heaven…! の今回の提案が「ヤミ市」というわけ。

一瞬、政治や経済が空白になった時代に、無法と言わず自由の名の下に、そこらじゅうで市が立った。善も悪も一時休戦、商魂たくましく、すいとん汁やら饅頭やら、果てはカフェまでが現れて、食い気を糧に生き抜く様は、ものの本やら映画やらで聞き知るばかりだけれど、きっとヤクザなことが吹き荒れたのだろう。それでも、そこにあったであろう熱のようなものを想像して、憧れてしまう気持ちはよくわかる。

その時代、なにも官僚たちだけが夏を謳歌したわけでもなく、「ヤミ市」に限らず、多くの人々が自分たちで足りないものを補うことから、多くの発明が実践されていったはず。

今の時代は、ともすると、既存の方法やシステムに知らず知らずに乗って考えをめぐらしてしまいがちになる。やってはいけないことばかりだし、なにかしようとすると、お金ばかりがかかって二進も三進もいかない…。本当にそうだろうか? 既存の美意識やクオリティーと少しだけ距離を置いて考え直せば、自分たちでいろいろとデザインしていけるのではないだろうか?

大半の飼い猫は、明日からでも野生に帰れるたくましくて珍しい生き物。そんな猫たちを見習って、あらためてDIYしていこうと思う。まあ、とりあえず今年は、持ち寄りで売り買いを楽しむところから始めよう。



こばやしはるお(2017.1チラシ掲載)

2017-01-01 賀正

あけましておめでとうございます

ことしもよろしくおねがいします


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blanClass一同

2016-12-31 2016年を振り返って

blanClass + portfolio 2016

art & river bankで毎年開催しているファイル展「depositors meeting #14」に、今年もポートフォリオ出展する。これが7回目。そしてセレクターとして棚がもらてからは3年目。1年間にblanClassに出演したアーティストから、有志で十数組のファイルが一緒に並ぶ予定。相変わらず段取りが悪くて、締め切りを大幅に遅れて、2日ほど徹夜して間に合わせたのだが、早足で1年を振り返る年中行事となっている。


さて今年は新年パーティーイベントの企画を河口遥にお願いをして、音楽フェスからスタートした。[NEW YEAR MUSIC, MONKEY MUSIC!!]、通称「さるフェス」。出演バンドは、うたにならないうた おどりにならないおどり/川久保ジョイ/CAMP/集中力/DJもしもし/tnwh/Hideki Umezawa+Yoichi Kamimura/ファンテン/松尾宇人/真美鳥Ulithi empress yonagunisan/吉濱翔。即席で結成されたバンドもあったらしいが、ワイワイと楽しい新年の幕開けとなった。


2月には昨年に引き続き、TPAMショーケース2016に参加した。昨年は応募してきた作家をTPAMから紹介してもらい、演目を決めるという方法だったのだが、どうもblanClassの運営とかみ合わない感じがしたので、これまでのイベントから飛び出した形で、さらなる実験の場になればとの思いから、自主企画で一種のアンソロジーとして参加することにした。それが、中村達哉 週イチセッション発表[ボディマップを重ねる]、岸井大輔 戯曲「好きにやることの喜劇(コメディー)」上演、第3回 Whales公演[名絵画探偵 亜目村ケン episode1]の3組。


週イチセッション発表は、中村達哉担当以外にも、津田道子、平倉圭が担当したセッションの発表も土曜日の枠で実現したのだが、どのセッションの発表も個々人の作品をそれぞれに示すというよりも、なかなか個別にはわけがたいような「場」が立ち現れるような印象が強く見られた。その示され方を「プロジェクション」と呼んだらどうだろうと考えたりした。


年度が変わって、大きく普段と違った試みをした。それは、blanClassのスタッフを長年やっていた野本直輝、新年イベントの企画もお願いした河口遥の2人に隔月で、土曜日のLive Artイベントの企画をお願いしたこと。


野本直輝へのミッションは、彼が彼の周辺で起こっている彼と同世代の作家たちと一緒に、今彼らがやろうとしている表現について考えていくこと。総合タイトルが「シリーズ 〇〇のかたちを探す」で、ゲストの抱える問題を1つの概念として捉え、トークも含めたイベントを企画している。これまでに呼んだゲストとお題は、レンタルズが「遊び」、奥 誠之が「ものがたり」、佐藤史治が「仲良し」、荒木美由が「なくなる」となっている。


河口遥へのミッションは22:00画廊でやっていたようなことのミクロな展開だった。ゲストは外島貴幸、渡辺美帆子、酒井貴史、遠藤麻衣。それぞれに割と近い距離対話をしながら、それまでに企画者と作家、双方が交換し得る問題を展開していたように思う。


というわけで、いつもの年とはまた違った雰囲気が流れ込んだのは間違いないのだが、9月からは1年間、「岸井戯曲を上演する。」というシリーズも始まったので、その分、土曜日に私がゲストを呼べる枠が大幅に減ってしまったため、楽になると思いきや、寂しいというか、責任が足りないというか、思ってもみなかった感想が芽生えている。


私の方から声をかけたのが誰かというと、藤川琢史、金川晋吾、冨井大裕菅谷奈緒、百瀬文、橋本聡、小山友也、吉川陽一郎、良知暁と本当に少なかったことがわかる。その中でも、いつもと違った企画をしたのが上村洋一。[0℃]という水や氷にまつわるサウンドイベントを立ち上げ、国内外から有志で参加した作家は、Leah Beeferman/Marc Behrens/Hafdís Bjarnadóttir/Daniel Blinkhorn/Jez Riley French/藤本由紀夫/蓮沼執太/Lily Hibberd/France Jobin/上村洋一/川崎義弘/Francisco López/森田浩彰/Katie Paterson/Steve Roden/齋木克裕/Philip Samartzis/sawako白石由子/鈴木昭男/高橋征司/梅沢英/Jana Winderenと、なんだかそうそうたるメンバーが参加するイベントとなった。


もうひとつ特殊だったのは、元中学校教員で、関東大震災時の横浜での朝鮮人虐殺を研究している後藤周という人をお招きしお話を聞くイベント。聞き手に岩田浩、佐々瞬、趙純恵をお願いして、珍しくblanClass企画でイベントを行った。それは、世の中に急に増えてきたヘイトなムードに対して、考える場を設けるためだった。


その他に、アーティストからの提案に応じて、話し合った結果、お呼びしたゲストや企画が、A/T (近藤愛助/古堅太郎)、シュウゾウ・アヅチ・ガリバー+川久保ジョイ+荒木悠、橋本匠、南雲由子/野本翔平/清野和彦、小口菜緒実、タカハシ ‘タカカーン’ セイジ×仲俣暁生+YukoNexus6、うつくしい雪(河村美雪)、[公開!! 眞島竜男 踊ります 2016年参議院選挙]、橋本聡[Fw: 国外(日本〜マレーシアなど)]、大道寺梨乃と、こういうことは、以前より多くなっていて、当初から望んでいた「場」のシェアが現実的に機能してきたことを実感している。


ステューデントナイトをステューデントアートマラソンと呼び変えた。というのも、そもそも夜にやっていたわけでもないし、今年から、参加者を募集することにしたからだ。それまでは、いろいろな学校で教えているアーティストたちに、blanClassを使って面白いことをしてくれそうなステューデンツを紹介してもらっていたのだ。募集を始めて、4月の回はさすがに召集開催だったが、11月の回では、おかげさまで、14組のステューデンツが参加した。


月イチセッションは、2012年に拡張計画として、月1企画を始めた当初から未だに続いている2つのお化けセッション杉田敦ナノスクールと、CAMPの月1イベント(今年は前月の話をするという「先月の話」)の2セッションが中心の年だった。その他には、特別セッションという形で、笠原恵実子[アメリカ先住民、大陸横断鉄道、そしてアメリカ現代美術]を3回行った。これは、不定期に数年間は続ける予定。ちなみにナノスクールは来年度、一旦お休みすることになったが、リスボン発のナノスクールがひそやかに開催されるという噂もある。


CAMPは月イチセッションのほかに、土曜日のLive Artの枠に隔月でお呼びしているのだが、昨年同様、ゴールデンウィークには5泊6日のホテルCAMPを行ったほかに、CAMP、基礎芸術とともに参加した「POST-ER OFFICE 実行委員会」として、トーキョーワンダーサイト本郷での「オープンサイト」公募企画を出張参加した。そこでは、blanClassも前後(神村恵、高嶋晋一)、(ウラブラ、百瀬文、笠原恵実子、眞島竜男にお願いをして、ミーティングプログラムを実施した。


昨年からトライしている週イチセッションは、週1回のペースで全10回〜12回、3ヶ月完結にして、参加者たちによる発表を前提にしたセッションだが、今年は前後(神村恵、高嶋晋一)[固有時との会議]を行っている最中。来年2月からは沖 啓介[ARTCOG (Artistic Cognification)プロジェクト|空想科学Science Fictionと科学現実Science Factで越境する未来]が始まる。


blanClassがデザインしようとしているのは、形があって触れるものというよりも、もっとグニャグニャとどんどん変形していってしまい、なかなか触れないようなものをデザインすること。そういう不確かなものごとをなんとかデザインしようともがくことで「場」らしきものが、一瞬だけれど立ち上がる。そういう仕事に不可欠なのは、イメージを持つということよりも、目の前に起こることに、いかに柔軟に対応できるかということ。


とか言っているが、それはとても難しくて、たまにはへこたれそうになるが、ちょっとずつ、ゆっくり進めていきたい。


こばやしはるお(2016.12.22)