MF文庫Jもいっぱい控えていることだし久しぶりに感想2冊うp
面白くなければストックにしてサボり日穴埋め用でもいいと思っていたのだが、両方良かったもので。
月色プラットホーム (一迅社文庫 み 2-1)
片田舎を走るローカル鉄道・志ノ崎電鉄には、終電もとうに終わった深夜に、彼岸の幽霊たちをこの世へ運んでいる「幽霊列車」が出るという……。
そんな噂はこれっぽっちも信じていなかった高校生・園崎匠海だったが、幼馴染みの少女・綾芽に引きずられる形でやってきた深夜の駅で、本当に「幽霊列車」と遭遇してしまう。
ドジな車掌少女・紗月を放っておけなかったこともあり、「幽霊列車」の業務を手伝うことになってしまった匠海だったが……。
良質ハートフルストーリー。
なんと言ってもキャラクターがいい。それぞれ個性はあれど心根は正直で優しい人たちばかり。その正直さゆえにやってることがわかりやすく、見え隠れする本心が切なくかったり微笑ましかったり。また、そんなキャラたちが作る作品の雰囲気が優しくて心温まる。
中でも紗月と綾芽が明るさがいい。
主人公である匠海の心が沈めば作品の雰囲気も暗くなるのだが、紗月の明るさと綾芽の元気で救われる。ただ、等の匠海は朴念仁で気づいてないのだが・・・。
正直、匠海の朴念仁は度が過ぎてるよなぁ。あれだけ言われて毛ほども気づかない匠海の鈍さはありえないと思ったが、これは続刊(つぐみ参戦)への含みか? 何にせよ綾芽が不憫でならない。
何はともあれ、こういう奇をてらわないストレートなハートフルストーリーは久々に読んだ気がする。いや、良いものを読んだ。
これはゾンビですか?1 はい、魔装少女です (富士見ファンタジア文庫)
「これはゾンビですか?1 はい、魔装少女です」木村心一(富士見ファンタジア文庫)
あなたは隕石を避けられますか? 俺は避けた。だが、避けきれなかった。出合いは突然落ちてくるも隕石みたいなものなんだ。
俺――地味な高校生だったはずの相川歩は、何の因果か世を騒がす連続一家殺害事件に巻き込まれ、あっさりと殺られたはずだった……が、なぜか生きていた。事件直後に出会ったネクロマンサーの少女・ユーにより、ゾンビとして甦ったという。んなバカな!?
そればかりか、魔法の世界から来た少女戦士ハルナに、勢いのまま魔装少女に任命される。何それ!? と思う間もなく吸血忍者の女の子まで出てきて、気づくと全員と同居していた――俺はいったい何やってんだ!?
第20回ファンタジア長編小説大賞佳作受賞作。
基本的には女の子がいっぱい出てくるキャラ萌え小説、なんだけど・・・これはいったいどこからツッコめばいいんだよ!w
タイトルのインパクトも凄いけど、中身も負けず劣らずのカオス状態。
美少女達と同棲、魔法少女にその敵、意外と万能型の主人公♂。出てくるものはラノベでも他の媒体でもよく見られるものなのに、なんでこんなものが出来上がるのか不思議でしょうがない。ずらし方が絶妙。作者はボタンをわざと掛け間違える天才かもしれん。
女の子がいっぱいいるのにラブコメ、エロコメの描写はあんまり上手くなかったり、格好や道具のわりにアクションが地味だったりするけど、バカ小説としては非常に面白かった。