いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「氷結鏡界のエデン 楽園幻想」細音啓(富士見ファンタジア文庫)

氷結鏡界のエデン 楽園幻想 (富士見ファンタジア文庫)
氷結鏡界のエデン  楽園幻想 (富士見ファンタジア文庫)

『対・穢歌の庭(エデン)術式へ移行了承。――第七天音律(ソフィア・コード)を結んでください』
結界を張るように要請された少女の頬を、透明な滴が滑り落ちる。
「シャルティス……わたしたち、本当にもう会えないの?」
幽玄種と呼ばれる存在に、人が侵される世界。巫女の祈りで守られた浮遊大陸オービエ・クレアでのみ、人は生きることができた。
結界の巫女・ユミィは、ある少年を待っている。巫女を守る護士だった、幼なじみのシャルティス。大陸から堕ち、異端として追放された彼は、かつてユミィと約束していた――必ず君の隣に行く、と。
世界の理を体現する少女と、世界の理に拒絶された少年。
二人の想いが錯綜する、重層世界ファンタジー、開幕!


おっと、今作は切なさ>優しさなのか?
黄昏色の詠使い」の細音啓の新作は前作の世界観が微かに感じられる本格ファンタジー
1巻ということで説明は割と多めだが、王道と言うかお約束は外さない話の作り方は前作同様で、盛り上がるところはきっちりと盛り上がり安定して面白い。
特筆すべきはメイン二人の関係性。とにかく切ない。再開シーンのユミィのセリフとかもうね、、、相変わらず泣かせるの上手いなぁ。
ただ今回は終わり方を見る限りでは序章といった感じ。
過去や世界観などを明け透けにしすぎかなと思いながら読んでいたが、本題がここに無いなら納得。でもこの展開だとエリエやユトはこれでお役御免? 良いキャラだったのにもったいない。特に恋愛方面はエリエを絡めた方が盛り上がると思うのだが。まあ、まだ出ないとは決まってないけど。
そんなわけで「主人公がスタートラインに立ちました」な1巻だったので、次からの展開に期待。