いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「まよチキ!10」あさのハジメ(MF文庫J)

まよチキ!10 (MF文庫J)
まよチキ!10 (MF文庫J)

マサムネによる告白。家出から戻ってきた紅羽。そして、学校に来なくなってしまった近衛と涼月。秋から冬へと移りゆく季節とともに、自分を取り巻く人間関係も、少しずつ、けれど確実に変わりつつあるのを俺は感じていた。そんな中、紅羽が近衛に告白すると言い出して、俺とマサムネは二人のデートを見守ることになる。その結末はまあ想像にお任せするが、前に進もうと決断した妹の姿や、さらにシュレ先輩の励ましを受けて、俺も走り出すことを決める。俺の親友である執事くんと、その主であるお嬢様がいる場所へ――。学園執事ラブコメ第十弾! 少女の願いがもしも叶うなら、その時にはきっと、心を隠した仮面を外して――。「…………私で、いいの?」


紅羽ちゃん頑張った(´;ω;`)ブワッ
兄のトラウマ兼トラブルメーカーでラブにはあまり関わらないコメディ要員だと思ってた。ゴメン(おい


コメディなしのラブ100%、ドが付くシリアス展開。こんな話を「まよチキ」で読むことになるとは。
みんなが気持ちを押し殺したり誤魔化したりで、関係がもつれておかしな空気になっていた9巻。それを、それぞれに気持ちを整理し自分に素直になって、やっと相手の方を向くことが出来たのがこの10巻。
そのきっかけを作ったのはまさかの紅羽。ほぼダメだと分かっていて告白する勇気に告白前にスバルに語った言葉、告白後の行動のどれもに、彼女らしい力強さと健気さが感じられてパワーをもらうと同時に切なかった。
これは動きの鈍かったお兄さんお姉さん方には次から頑張っていただかないと。
そんなわけで、整理整頓と軌道修正、ゴール向かってラストスパートをするだけの状態にした10巻。ハーレムエンドという「逃げ」には行かず、きっちり決着をつけるという意気込みが感じられたのが良かった。では、ジローの男気を見せてもらいましょうか。