いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「ラストセイバー 救世の後継」兎月山羊(電撃文庫)

ラストセイバー 救世の後継 (電撃文庫)
ラストセイバー 救世の後継 (電撃文庫)

ときは西暦2140年。史上最悪の敵「天使(アイオーン)」による容赦ない猛威にさらされ、人類はその数を極端に減らし、まさに絶滅の危機に瀕していた……。
東京ビッグサイトで奇怪な事件に遭遇し、2015年の平和な世界から2140年に飛ばされてきた高校生・名薙綾月は、その過酷な境遇に動揺しながらも、自らの運命と人類の未来に希望を見出すべく、立ち上がる。その手に輝く剣を携えて――。
『アンチリテラル数秘術師』の兎月山羊が渾身の力で生み出す、かつてない新次元スピードバトル、開幕ッ!!


未来科学の要素が大いに盛り込まれた世界観に、往年のロボットアニメのような王道展開。なんとも電撃らしい作品。
とにかく世界観の作り込みが素晴らしい。
進んだPCの技術に人類の一部を異常に発展させてしまったDNAコンピュータという発想。それをちゃんと科学的根拠を交えて説明されているので、理系人間はワクワクすること間違いなし。帯の「量子コンピュータVS.DNAコンピュータ」という謳い文句はピッタリでキャッチーだと思うんだが、なんでこんなに小さくしたし。
ストーリーとしては、主人公・名薙が未来へ飛ばされて能力に目覚めるまでという1巻らしい内容で特に文句はない。世界観が凝っているのでここで奇をてらう必要もないし。
ただ少し、台詞回しが引っかかる。
名薙は子供っぽ過ぎやしませんか? 16歳なら充分子供なんだけど、台詞やテンションでそれ以上に幼く感じさせる。それに1巻のボスも大物のはずなのに台詞に頭の悪さと小物臭が漂うキャラだったので、二人のバトルはどうにも小学生の言い合いみたいで、最大の見せ場でイマイチ盛り上がれなかった。
続きはどうしよう。主人公の合わなさよりも、一番のお気に入りのおっさんキャラが早期離脱したのが痛いかったり。