いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「とある飛空士への誓約2」犬村小六(ガガガ文庫)

とある飛空士への誓約 (2) (ガガガ文庫)
とある飛空士への誓約 2 (ガガガ文庫)

「空は、墓場だ。わたしは、鉄だ」父の教えを胸に刻み、一個の鉄塊となったイリアは、今日も灰色の空へ離陸する。25戦中24勝1敗。撃墜数33機。模擬空戦において驚異の記録を更新中の彼女は、「エリアドールの七人」の中では突出した存在となっていた。それに対して清顕の戦績は、11戦して2勝0敗9引き分け。撃墜数0機。互いに撃墜王の父を持ちながらも、実力の差ばかりを見せつけられ焦る清顕。「なんのために、ぼくは戦場を飛ぶ?」そして、平穏な学園生活の中で懊悩する裏切り者「ハチドリ」が動き出す――。恋と空戦の物語、激動。


1巻でいきなりの大きな山を越えて、まずは穏やかな学生生活。
恐らく束の間の休息で、1巻では出てこなかった何人かの素顔が垣間見えて面白かったのだが……
清顕がダメだ。あまりにヘタレすぎてイライラしたので一旦読むのを止めたぐらい。『恋歌』のカルエルもヘタレでお子様だったけど、こんなになよなよはしてなかった。
そういえばこのシリーズで好きな『追憶』と『夜想曲』の主人公は腕も確かだったけど、それ以上に中身が「男」なんだよなあ。
後半は清顕vsイリヤがメインかと思いきや、それがおまけになるほど裏が動く。そう、まさかの裏切り者の正体明かし。
ネタばらし早っ! 彼女はそっちか。後の二人は大体予想通りな感じで。何はともあれ、これで余分なことを気にせず悲恋と空戦に集中できるというわけか。
とりあえず、早々に清顕に現実を突きつけてくれるといいなあ。復讐を考えている人間とは思えない平和ボケした日本人かつ草食系男子の極みのような思考を何とかしてくれないと、毎回イラつきそうな嫌な予感が。