いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「終末領域のネメシス」吉野匠(このライトノベルがすごい!文庫)

終末領域のネメシス (このライトノベルがすごい! 文庫)
終末領域のネメシス (このライトノベルがすごい! 文庫)

なぜか住民が誰も市外へ出ようとしない「天野原市」。その状況に疑念を抱いた少年・遠野冬輝は、外部への脱出を試みるも、市境にて警備兵に捕らえられてしまう。連行された先で、冬輝は「天野原市」が洗脳により封鎖されていたこと、人類が敵――意思を持つウィルス「ネメシス」――との戦いの渦中にあること、そして滅亡寸前であることを知る……。『レイン』『クロス・エデン』の吉野匠が贈るサスペンス異能力アクション、ここに開幕!


人間の脳に寄生し同胞にしてしまう「ネメシス」によって存亡の危機に瀕している人類。
人間vsウイルス生命体でいわゆるセカイ系の異能アクション。よくあると言うか、取っ付き難かったり目を引いたりする変わった設定は特にない。
変わっていると言えば、主人公が戦い方はともかく世界の現状についてもほとんど知らないこと。なので、彼と一緒に世界の現状を学んだり戦い方を模索したりと、小説を読みながらにしてゲームのチュートリアルをやっているような感覚になる。
また、キャラクター的にも目立つのはその主人公・冬輝。中学生にして一杯飲んだ飲み屋の親父みたいな性格で(酷い例えw)、日常シーンは明るく(初心なヒロインたちに彼の下ネタが空振りする様が面白い)、戦闘ではそのふてぶてしさが頼もしい。
ヒロインの方はと言うと、
澪ちゃんロリかわいい。あざとい、だがそれがいい。メインヒロインがヒロインというより戦友って感じなので、彼女の活躍?が目立つ。もう一人途中で覚醒する子がいるのだが、こっちはネタバレになるからやめておこう。
まだ語られない謎も多く、基本的には1巻らしい1巻だったと言う感想。
ただ、敵の能力がすこぶる強力で状況が絶望的という、ゲームで例えるとかなりのハードモード。人類に逆転のチャンスがあるとは思えないのだが、ここからどう挽回するのかが楽しみ。