いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「久宝さゆりがセンキョします! 萌える区政実践マニュアル」鷲宮だいじん(電撃文庫)

久宝さゆりがセンキョします! 萌える区政実践マニュアル (電撃文庫)
久宝さゆりがセンキョします! 萌える区政実践マニュアル (電撃文庫)

今より少し窮屈になり、オタクが白眼視される日本。だが、その状況に風穴を空けるため、一人の美少女が立ち上がる!
「わたくし、久宝さゆりは――千代原区長選挙に立候補することにいたしました!!」
えっ? 立ち上がるってそういうこと?
久宝さゆり。レイヤーで天然ボケで、超が付くほどのお嬢様。そんな美少女が、ひょんなことから生まれた法の抜け穴を突き区長選に出馬! 剛腕美人戦闘メイド&男前な美人先輩まで加勢して、選挙戦の行方は神のみぞ知る? みなさま!無所属新人・久宝さゆりに清き一票をっ!


高校生が区長選に立候補する話。
キャラクターや会話のセンスは平凡だけど発想の勝利でこれはなかなかの良作か、、、と思った時期もありました。
しっかり下調べして法に則った活動をし、自分たちの主張と過去の得票率のデータからターゲットを明確にとらえ、票の目標も現実的。ラノベで予想外にしっかりした選挙活動をしているのがかなり新鮮。
だがしかし、その後の演出過剰がそれらを台無しにしてしまった。
折角現実味のある活動をしていて臨場感があったのに、起こる事件がファンタジーじみていては現実感はどこへやら。カーチェイスやI can flyには思わず「ねーよ」と呟いてしまった。
後半でも、演説の内容やある人の説教など言葉に力のある良いシーンもあっただけにもったいない。いやホント、選挙法改正以外に現実外の要素は要らなかった。
発想は良かった……残念ながらこういう結論になってしまった。