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「魔法科高校の劣等生 (13) スティープルチェース編」佐島勤(電撃文庫)

魔法科高校の劣等生 (13) スティープルチェース編 (電撃文庫)
魔法科高校の劣等生 (13) スティープルチェース編 (電撃文庫)

西暦二〇九六年、七月。今年も、魔法科高校生にとって夏最大のイベントである全国魔法科高校親善魔法競技大会、通称『九校戦』が開催される。しかし今年の『九校戦』はひと味違っていた。
競技種目及びルール改定。
本番まで残すところ一ヶ月の段階でもたらされた何の前触れもない大幅変更に、魔法科高校各校は慌ただしい対応を迫られる。
そんなある日、九校戦の作戦立案に当たっていた達也の元へ、匿名のメッセージが届けられる。
それは、九校戦を舞台とした新たな陰謀の存在を示唆するもので――。
華やかな競技の裏で繰り広げられる暗闘。昼なお暗い富士の人工樹海を駆け抜ける達也が、背信の陰謀に挑む! 『二学年度の部』九校戦編登場!


微妙。
一年時の九校戦である3,4巻がシリーズで一番好きなところなので、あの楽しさと爽快感を期待したのだが……。
競技変更からそこで行われる実験まで、大人たちの思惑・陰謀が複雑に絡み合う情報戦がメインで、九校戦は完全におまけ。
狐と狸と鼬の化かし合いのようなやり取りも面白くなかったわけではないのだが、それを九校戦を蔑ろにしてまでやるのはどうだろう。主役はあくまで高校生たちじゃないのか?
何かと理由を付けて新競技をねじ込んできたから、前と同じものをやってもつまらないから新しい競技の駆け引きを見せてくれるものだと思っていたのに。まさか国防軍の思惑以上の意味をなさないとは。。。
それでも達也が無双してスカッとさせてくれたなら救いがあったのだが、大人たちの思惑通りに動かされて戦闘も危なくない程度の苦戦と、圧勝でも逆転でもなく盛り上がらない。
シリーズ13巻で一番面白くないかも。九校戦だからって期待しすぎたようだ。