いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「ストライクフォール」長谷敏司(ガガガ文庫)

ストライクフォール (ガガガ文庫)
ストライクフォール (ガガガ文庫)

その時代、戦争は競技に成り代わった――。人型のシェルを身にまとい、広大な宇宙を駆けるチーム競技、ストライクフォール。鷹森雄星も、その熱狂に魅せられたひとりだ。弟は、トップリーグでのプロデビューが決まった若き天才、鷹森英俊。幼なじみの環に見守られながら、雄星は宇宙を目指すが――。
「知ってるか、兄貴。宇宙では、あらゆるものが落ち続けてるんだ」
だから、兄弟は空に手を伸ばした。欲しいものを、宇宙をその手に掴むために。
SF界の俊英が放つ疾走スペースグラフィティ、待望の離陸!

宇宙空間でロボットで戦うという競技に、天才の弟とそれを追いかける熱血漢の兄。設定にはロマンを感じた。でも、それ以外は頭に「?」しか浮かばんのですが。
まず競技。アクションシーン。
読んでも読んでも文章が頭に入ってこない。競技の様子がイメージできない。
これは円環少女を途中でリタイアした自分と長谷先生の相性が悪いのか、ライトノベルでアクション重視のロボット作品はやっぱり難しいという結論でいいのか。
まあ、そこは自分の理解力が足りないのが悪いのだろうから置いておいて、問題は事故後の展開。
まずは弟の死への反応。
チームメイトがかけてくる言葉の軽さにも違和感を感じたがそこは勘違い+他人だからいいとしても、家族である兄・雄星や幼馴染み・環の反応が淡泊すぎないか? 親は出てきすらしない。大事な人が亡くなったシーンで一切涙腺を刺激されないの初めて。
それに、その後の雄星の行動理由。
どうしたって試合後事実が発覚してニュースになるのだから、活躍しようが無様な姿を晒そうが兄が弟と入れ替わっていたということしか、人々の記憶に残らないよね? 色々吠えていたけど「その理屈はおかしい」という感想しかなかった。ギャグ作品ならともかく、ストーリーもので話が理に適ってないのは凄く苦手。
全体的に「よくわかりませんでした」としか言いようがない。作者との相性が悪いことを再確認しただけの作品だった。