今日の頭痛の原因も寝不足（確信）
昨晩、BS1の海外サッカーを点けたまま寝てしまったので、緊急地震速報で飛び起きる羽目に(^^；
それにしても天災が続きますね……。
「彼女のL 〜嘘つきたちの攻防戦〜」三田千恵（ファミ通文庫）
遠藤正樹は嘘がわかる特異体質で、川端小百合は決して嘘をつかない少女だった。そして学校のアイドル佐倉成美は、常に嘘をふりまく少女だった。ある日、川端と佐倉の共通の友人が亡くなってしまう。自殺という噂だったが川端は「彼女は殺された」と言い、佐倉も「彼女を追い詰めたのは私」とうそぶく。真相を知りたいと川端に頼まれた正樹は、その力で誰も知らない佐倉の心の内を知ってしまい――。願いと嘘と恋が交錯するトライアングルストーリー。
他人の言葉の嘘を感覚的に見抜いてしまう少年・遠藤が、全く嘘をつかないことに惹かれていた少女・川端から、親友の死の真相を一緒に探って欲しいと頼まれる。その親友の死には学校のアイドル、嘘つき少女・佐倉が関わっていて……！？ といった導入で始まる青春ミステリ。
嘘だらけの世の中に嫌気がさし、さらに小学生の時のある出来事から嘘を見抜く体質にトラウマを持っていて、嘘と嘘つきを毛嫌いしている主人公が、優しい嘘、人を助ける為の嘘に触れていくことで、自分の体質と嘘、父親への態度を見つめ直す、優しさに溢れた物語だった。誰かを傷つけない為だったり、会話や人間関係の潤滑油だったり、全てが良いことではないが、全てが悪いことでもない。現代人が感覚的に使っている嘘を、三人の家族のエピソードを交えて、主人公と一緒に言葉として再確認させてくれるよう。
と、嘘にまつわるエピソードがメインの物語なのだが、事件の顛末も主人公の心も、予想外の方向転がっていってくれたので、青春もミステリも楽しめる内容だった。やっぱり予定調和より予想を裏切ってくれた方が面白い。
綺麗に終わっているから続きはないかな。これの続きを書かれても、どちらかが折角現れた心の拠り所を無くしてしまう結果が待っていそうだから、怖くて読めないが(^^；
