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【「琉球新報」社説】福島廃炉40年 「脱原発」の本気度示せ

【「琉球新報」社説】福島廃炉40年 「脱原発」の本気度示せ
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-185269-storytopic-11.html

2011年12月17日

 世界に類を見ない重大事故の後始末に、膨大な時間とお金を費やさなければならない。

 東京電力福島第1原発を解体撤去する廃炉作業は、最長40年もの期間がかかるとの予測が示された。

 野田佳彦首相は原子炉の「冷温停止状態」を達成し、事故収束工程表のステップ2は終了したと宣言。今後、2年後に使用済み燃料プールからの燃料取り出しなど、収束に向けた作業は中長期的段階に入る。

 原子炉が同時に三つもメルトダウンするという深刻な事態だ。現段階で溶けた燃料がどこに、どのような状態であるのかさえ、詳細に分かっていない。

 これまで誰も踏み込んだことがない領域での作業であり、困難を極めることは間違いない。

 作業員の安全確保、被ばく管理、除染作業の徹底は当然のことながら、周辺に放射性物質がこれ以上拡散しないよう、最大限の注意を払い作業に取り組んでもらいたい。

 また、地元はもちろん国民に対して、どういう手順、方法で何をするのか、その都度説明し、納得してもらう必要がある。丁寧で正確な情報公開は欠かせない。

 避難生活を送る15万人以上の人たちが早期に古里へ戻れるようにするため、政府は生活支援、環境整備に全力を挙げてもらいたい。

 これほどの重大事故を起こしたからこそ、責任を持って廃炉作業を通じて得られる知識や経験、事故の教訓を世界に向けても発信し、還元する必要がある。

 福島を廃炉技術、放射線管理や放射性物質の除染などの研究拠点とすることも考えたい。

 廃炉作業の透明性を高めることは、日本の国際的な信頼回復にもつながるはずだ。

 今回の原発事故で「安全神話」は崩壊し、費用対効果の問題が指摘され、原子力産業界の閉鎖性、不透明性もあらわになっている。

 事故後、脱原発を目指す動きは国内外で強まっている。野田政権は新たに原発は造らず、寿命が来た既存原発廃炉にする方針を示している。

 その一方で、原発技術の輸出を可能にする協定を他国と結ぶ姿勢は、あまりに原発事故に対する鈍感さを示すものであり、金もうけ優先と国際社会から批判されよう。

 政府は原子力に依存しない、発展可能な社会づくりを強力に進める日本の本気度を国際社会が注視していることを忘れてはならない。