マドリッド


今日は昨日行けず仕舞いだった「王立サン・フェルナンド美術アカデミー」からスタートする一日。今日は何と「ホワイト・ナイト」という年に一度のお祭りで、王宮・美術館などの公共の施設が夜の9時から1時まで再オープンし、大きな通りは歩行者天国になり、マドリッド市内の主な広場で音楽会やパフォーマンスが繰り広げられる、という街をあげてのイベントがある、ということだ(来るまで知らなかったが・・・)


【 本日の行程 】

ホテル →→ 王立サン・フェルナンド美術アカデミー →→ グラン・ビア →→ チュエカ →ロエベ(本店) →→ ホテル →→ ソフィア王妃芸術センター →プラド美術館→ ホテル →→ (ホワイトナイトがスタート!) →→ 王宮 →→ 国立装飾美術館 →プラド美術館→ ホテル

王立サン・フェルナンド美術アカデミー (3€)


昨日「時間がない」と諦めた本美術館。実は展示室の半数が閉じられており、収蔵作品の質と量を期待していただけに残念に終わった。ただ、アルチンボルドの「春」があったのが救いか。アルチンボルドの四季の中では、この「春」が一番好きなので、ここで本物に出会えるとは思わず、かなり心躍る作品との対峙となった。
他には子供を描いたゴヤの一連のシリーズが見応えがあった。


企画力  :★★★☆☆
展示方法 :★★☆☆☆
作品充実度:★★☆☆☆
満足度  :★★☆☆☆

ソフィア王妃芸術センター(土曜日の14時半以降入場のためFree)


ピカソゲルニカがあることで有名なソフィア王妃国立センター。現代美術好きなこともあってかなり期待して訪れたのだが、結論から言うと、「大ガッカリ」の美術館となった。


ティッセン・ボルネミッサ美術館美術館の「すっきりとした美しさ」と比べ、本美術館の作品に共通する感覚は「混沌(カオス)と思索」な感じがした。とにかく収蔵作品の多くの画面構成が、ゴチャゴチャとしていて、安定した構図をもった作品が少ない。ただ作品自体にはパワーがあるものが多く、その混沌と相俟って、対峙する鑑賞者にもある程度の心構えが必要な作品が多かった。Caltecは初っ端から作品酔いしてしまい、この美術館は「流し見」することに決めた。


現代美術のインスタレーションも、動きのない映像にアーティストのモノローグ的な台詞や言葉が語られる作品が多かった。これはこれで作者の考えを一方的に押し付けられているような感じがし、鑑賞するこちら側と。作品との「対話」が生まれづらい作品であると感じる。


混沌とした構図の作品が多かったり、アーティストの主張がダイレクトに伝わってくる作品が多かったり、という作品のセレクションもさることながら、「元病院」という場所のせいもあってか、かなり気分が悪くなったのは確か。今までのほかの美術館の多くで「居心地の良さ」を感じてきただけに、本美術館のゴチャゴチャ感には、すっかり参ってしまい、ガッカリ度もいつも以上に高くなってしまった。


この美術館の展示作品に共通するセンスが、収蔵作品全体に共通なのか、展示作品のみに共通なのかは分からないが、著名画家の作品でも、「一体なぜこの作品を選んで展示する?」というティッセン・ボルネミッサ美術館とは逆の意味での「?」が満載で、ちょっと惜しいなあと感じた。


企画力  :★★☆☆☆
展示方法 :★★★☆☆
作品充実度:★★★☆☆
満足度  :★☆☆☆☆