わたしが猫に蹴っとばされる理由

文学・芸術・哲学・思想の読書&鑑賞日記が中心ですが、雑食系なのでいろいろ取り上げてます。猫もいるよ♡

くりぃむしちゅ〜

 八時四十五分起床。気づけば花子が腕枕で寝ている。いっそう冬めいた冷え込みに辟易し、人肌で暖を取ろうとしたのだろう。これでは起きるに起きられない。だが、ちょっと声をかけたらすぐに起き上がり、どこかへ行ってしまった。
 母から電話。父が網膜剥離らしい。あちゃー。歳だからなあ。どんどん身体がぶっ壊れていく。手術で治るんだから、早く治療してしっかり再発防止してほしい。
 昼ごろ、カミサンは個展会場へ。ぼくはパスタで簡単に昼食。午後はKeith Jarrett を聴きながら、安彦良和の「神武」を読んで過ごす。「Inside Out」は、Trioとしては珍しい即興演奏。ポップな感じで、意外に気に入っている。静寂の美が感じられる「Dark Intervals」とは対比的。「Paris Concert」は、聴きどころが多すぎる作品。

Inside Out

Inside Out

Dark Intervals

Dark Intervals

Paris Concert

Paris Concert

 夕方、買い物へ。 
 夕食はぼくがつくった。鶏肉とサツマイモのくりぃむしちゅ〜。
 

よだれとくるまり

 花子、顔を撫でるとよだれを垂らして喜ぶ。エリザベスカラーのために自分で手入れできないのが相当なストレスらしい。
 麦次郎、午後はずっとホットカーペットの上で毛布にくるまって寝ていた(写真)。
 ぷちぷちは相変わらず。換羽などまるで気にしていない。

青柳いづみこ『音楽と文学の対位法』みすず書房
 「楽譜に書けない」芸術の本質へ(朝日新聞

音楽と文学の対位法

音楽と文学の対位法

ポール・オースター柴田元幸訳『ティンブクトゥ』新潮社
 読者自身を映し出すコメディ(日経新聞
ティンブクトゥ

ティンブクトゥ


ガブリエル・ガルシア=マルケス木村栄一訳『コレラの時代の愛』
 命の尊厳と悲しみで「奇跡の渦巻き」(朝日新聞
コレラの時代の愛

コレラの時代の愛

古井由吉『山躁賦』

「千人のあいだ」読了。主人公は、もともとは川の流れる谷だった町にある寺に一泊し、そこで夢を見る。夢に登場するのはいかめ房。うーん、ただひたすら描写描写描写。時系列は混濁している。書きたいことから書き、おもしろいことはあとに残しておく。そして、そっと終わらせる。そんな流れ。これは物語などではない。そこにあるのは記憶なのか進行形の行動なのか、それらが渾然一体となって…と書こうとしたら、頭がこんがらがってきた。
「海を渡り」。寺巡りの旅、船で四国へ渡る主人公。

安彦良和『古事記巻之二 神武』読了。

 タケノツノミが暗殺され、物語はいったん終幕となる。神話を歴史に読み替える作業が、ここでもう一度、一瞬だけであるが神話に還る。しかも、その神話は愛に支えられている。うーん、安彦良和、本作ではひょっとしたら神話の歴史化という作業への意欲をもつ一方で、歴史の神話化、それも、記紀の神話世界とはどこか(本質的に?)違ったかたちでの神話の創造をも目指していたのかもしれない。
神武―古事記巻之二 (2) (中公文庫―コミック版)