ソラニン

OL2年目の芽衣子は、フリーターでバンドマンの種田と暮らしていた。彼らの出会いは大学の軽音部だった。
やりがいの無い仕事に憂鬱を覚えた芽衣子。種田の一言で彼女は、仕事を辞める。サークル仲間とたまにバンド活動をする種田。そこにあるのはゆるい日常。

しかし、芽衣子は音楽をしたい種田に詰め寄る。そして彼は決意する。バイトを辞め、バンド活動に専念すると。
しかし、彼らに待ち受けるのは現実の壁。ゆるい日常に再び戻った2人はどうなっていくのか…

観賞日4月13日

【70+α点】


+αはアジカンの主題歌分です(笑)










甘い、とは言い難い青春群像劇。



まさしくそこにあるのはアジカンの詞の世界。テンプレ的に言えば「自己主体を失った現代の若者像」。理想と現実の狭間・不安で揺れる若者だ。



リライト以来、アジカンの詞に共感し続けている自分としては、非常に共感出来る映画となった。



自分は普通、凡才。
そう述べてきたアジカンの後藤。彼は、表現の衝動・手段としてのロックに「感染」した種田と全く同じだった。
















となりの女性は終わるなり「浅っ」とか言っていたが、言った人は既にその段階と別れを決め込んでいるから、そう言えるのだろう。

とはいえ、映画としてライブシーン後のラストシーンが駆け足+蛇足になった感は否めない。そこだけで判断すると物語がやけに浅く見える。

原作要素は盛り込めば良いわけではないというのは、ハリーポッターでも証明されている。




だが、不況などによる常に暗い未来を目の前にすると、この物語は00年代以降のロックが表象していた世界と繋がる。

アジカンSTRAIGHTENERACIDMAN…が紡いだ世界に。









主題歌ソラニンの作曲を担当したのはアジカン

そして、BGMを担当しているのもSTRAIGHTENERのVo.ホリエアツシ
ここ数年でバリバリのロックテイストから一変し、奥行きのある世界観をつくりだし始めた彼もまた、この映画の世界観を盛り上げている。

サウンド面から単純なバンド映画ではなく、2000年代の音楽的な若者の精神を表した映画になったと言える。














まぁ要は

映画としてものスゴく面白いわけじゃない。

だが、
「現在」の青春ものとしての世界観は秀逸だ、とは言える。


宮崎あおいの「ソラニン」の歌は中々の下手さだった件