- 出版社/メーカー: メディアファクトリー
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インドのスラム街に生まれ育ったジャマール(デーヴ・パテル)は、人気番組「クイズ$ミリオネア」に出演していた。難解な問題の数々に冷静な対応するジャマールは、とうとう最後の1問というところにまでたどりついた。だが、不正容疑で彼は逮捕されてしまう。
スラム育ちの彼は、如何にして問題の答えを知ったのか?それは彼が今まで生きてきた過去にあったのだった…
観賞日
2009年4月29日
【85点】
アカデミー賞を総なめした今作。
イギリス制作ながら、全編インドで撮られたボリウッド映画だ。
監督は『トレインスポッティング』等で知られるダニー・ボイル。
だからだろうか、生々しい暴力的表現やスピード感のある構成が印象的。
取り敢えず良かった。
スゴく良かった。
ストーリーはいわゆるサクセスストーリーで
まぁけっこう普通に見えるんすけど…
この物語がただのサクセスストーリーで終わらないのは、
BRICsの一国として急速に発展するインドにいまだ根強く残る貧困、宗教問題。
だが、ここではそれを嘆く対象ではなく、その現状の中で生きる子供達のバイタリティーをみるべきだ。
ただただ、「可哀相」とみるのでは能が無い。
正解を人生で経験してきたなんていう話は「普通」に考えればありえないだろう。
だが、この映画をみていると混沌の中に生きてきたジャマールが、答えを知っているのもなるほどと頷いてしまう。
インドだから成り立ちうる混沌。
アメリカ版をやっても釈然としないでしょうな。
そして厳しい現実と愛の狭間で揺れる主人公達もなんだか、古臭いけどやはり新鮮に見える。
美術面では様々なカメラワークや表現方法、随所にちりばめられた音楽が光る。
表現方法も時間軸ずらしとか巻き戻しとか、昔に開発された表現が巧みに使用されてて、古臭さを感じさせません。
もしも技法が少しでも不用意な使用のされ方をするとなかなか野暮ったい映画になったに違いない。
それを感じさせないことに、ただただ映画館で感心してしまった。
ほんとうに口がポカーンと。
音楽も洗練されてて、音楽が中心のインド映画のエッセンスを上手く取り入れられていました。
いわゆる7人の侍やローマの休日といった過去の名作のような面白さがありました。
思えばレッドクリフもそういうもんでしたね〜未来にはレッドクリフとスラムドックが「過去の名作」と言われるのではないでしょうか
普遍的面白さがあり、引き込まれます。
これは観て損はしない筈。
ラストにワクワクする作品とはこういうものだと思う。
本編とは関係が無いが、インドならではのエンディングでのダンスシーンは必見!