- 出版社/メーカー: ポニーキャニオン
- 発売日: 2009/07/24
- メディア: Blu-ray
- 購入: 1人 クリック: 34回
- この商品を含むブログ (20件) を見る
国家への忠誠を誓った軍人でありながらも、ヒトラー政権の行いに結果として加担してしまっているドイツ人将校シュタウフェンベルク(トムクルーズ)は、ドイツの未来を案じた末にヒトラー暗殺を決意する。
ヒトラー暗殺を密かに企てる様々な人間の思惑が交差する中、彼はナチスの非常時の作戦であるワルキューレ作戦を利用し、ヒトラーを暗殺、ベルリンからドイツを掌握することを試みるが…
観賞日
2009年3月26日
【65点】
まず、この映画は歴史の闇に葬られかけた実話を描いたものです
ほんとにこの映画のように大規模な暗殺計画が実行され、それでもヒトラーは生き残ってしまった。
それでもドイツを根本からひっくり返そうという動きはドイツ国内でもあったということを示した映画。
個人的印象として、ドイツ人は皆がヒトラーに心酔していたというイメージがあったので今作の概要を聞いたときに思わず観ようと思いました。
行き着く結末はわかっているのに。
この映画はともすると、ハリウッドのアクション映画になるのではという恐れもあった。
主役は『ミッションインポッシブル』のトムクルーズだし、監督は『X-MEN』『スーパーマンリターンズ』のブライアンシンガー。
そりゃあこのキャストなら心配もするさ。
だが、ブライアンシンガーは見事に描ききった。
登場人物の思惑の複雑さ、舞台のリアルさ、など様々な要素は、単なる「作戦スリラーモノ」映画ではなく、「実話」としての映画を成立させた。
実話でもスリルは満点。
終盤はまさに手に汗握る展開。このあたりは上手いなーと思ってしまった。
何度も言うが、結末はわかってるけど。
チェゲバラの映画と似たものを感じました。
とくに当時の街、衣装など美術面のリアル度は高いです。
実話としての映画であるが故に、観たあとに、「なるほどー」みたいな納得感を覚えさせる。説得力が違う。
シンガー監督は、ユダヤ人らしいので、この事実をユダヤ人やドイツ人以外の人にも知らせたかったのではないのだろうか。
だからこそ「看板」としてトムクルーズが生きた。
だが、トムクルーズはただ名ばかりの「看板」ではなかった。
トムクルーズもなかなか難しい役どころを演じきったのではないか。
彼は劇中で、
ドイツでも英雄として言われることのある、シュタウフェンベルクとしての葛藤や勇気を自分のうちで解釈し、表現できていた。
最期まで。
この映画ではヒトラーという権力の周りで人々の葛藤、保身、野心、正義が複雑に絡まりながら渦を巻いていきます…
「ドイツのために」という主人公の正義は、チェ28歳で見たような正義にも似ています。
信念の強さが描かれた映画。
「自由のための正義
未来のために実行しなければならないことがある」
そういうことですかね…
「ドイツ人がヒトラーだけだと思われたくない」という主人公のセリフが全てを表しています