- 出版社/メーカー: ジェネオン・ユニバーサル
- 発売日: 2009/08/21
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1974年、リチャード・ニクソン(フランク・ランジェラ)はウォーターゲート事件で大統領を辞任する。
英国のテレビ司会者デビッド・フロスト(マイケル・シーン)は、ニクソンの代理人スイフティー・リザール(トビー・ジョーンズ)を通じてインタビューの交渉をする。
数ヶ月後、フロストはニクソン邸に乗り込む。彼は前払い金20万ドルを自腹で払う羽目になるが、ニクソンからアメリカ国民への謝罪を引き出して、米国で成功するという野心に燃えていた。
そして1977年、4500万人が観た、伝説のインタビューが始まる。
観賞日
2009年3月31日
【75点】
この映画は、実際にあったテレビ・インタビュー番組の舞台裏や人々の葛藤を描いたもの。
なので、テレビ全盛時代を背景として、当時の空気感などが良い感じで再現されている映画。普通の映画とはスタンスが違います。
まあつまりは、
実際にあったことなのでドキュメント風にもエンターテイメント風にも映画が構成されています。
監督が『ダヴィンチ・コード』『バックドラフト』『ビューティフルマインド』などの大作を生み出してきたロン・ハワードなのも大きいかも。エンターティンメント性が上がったのは。
ちなみにアカデミー作品賞ノミネート作。
これはもともとは舞台版のお芝居があり、それをもとに映画にした作品。
ニクソン役のランジェラはアカデミー賞主演男優賞候補にもノミネートされた俳優だが、実は舞台からこのニクソンを演じている。映画化ということでジャックニコルソンなど大物起用という噂もあったが、ロンハワードが選んだのはランジェラだった。
実は演劇のほうでランジェラはトニー賞を受賞していて、いかに彼が素晴らしい演技をしているかがうかがえる。
世界史を受験科目で勉強した身としてはいまいちウォーターゲート事件あたりがわからなかったので、(詰め込みだったから?笑)ニクソンには正直、不名誉な大統領のイメージしかなかった。
今作では、そんな彼にスポットライトが当てられ、黒い部分から人間性溢れる部分まで細部にわたって描かれる。メディアが往々にして作り上げる悪徳政治家ではなく、生身の人間を描きたかったという思いが伝わってくる。
この映画には深みがある。
そして、やはり映画の見どころはインタビューシーン。
ニクソン、フロスト両者の"口"撃は圧巻の一言かも。
凄い応酬を繰り広げます。
特にニクソンの演技は、前述の通りアカデミー賞にノミネートされたということもあり、素晴らしい。
まぁハデなアクションは無いですが、ニクソンの演技でお腹一杯になるくらいですよ。
基本的に心情を吐露するようなシーンというのはあまり観られないのですが、ところどころに人物の心情を表すしぐさや言葉が垣間見える。それを拾っていく作業がなかなかの楽しさ。
観る時は役者の表情で、フロストやニクソンの感情を読むとより楽しめるでしょう。
とりあえず、「インタビュー」という主題を映画にしたにもかかわらず、
エキサイティングに仕上がった映画なので、
興味があるなら観てみるべき映画。
まあ多少の前知識は必要ですが…笑