星を追う子ども



山間の村で暮らす中学生・アスナ金元寿子)。山の高台の秘密の場所で鉱石ラジオを聞くのを楽しみにしていたアスナは、ある日、見たこともない怪物に襲われ、不思議な少年・シュン(入野自由)に命を救われる。

シュンとの再会を楽しみにしていたアスナだが、シュンらしい少年の遺体が発見されたと聞く。その頃、新任教師のモリサキ(井上和彦)から死者を蘇らせることのできる力を持つ地下世界・アガルタの話を聞き、アスナは地下世界への興味を抱き、再び山へと赴く…





観賞日

2011年6月22日









【60点】




今作は、
秒速5センチメートル』、『ほしのこえ』の監督・新海誠監督の最新作。




公開はだいぶ前でしたが、公開終了を目前にして友人が観るというのでついていきました(笑)
前述した作品の評判が高いので、今作も面白いのではないかと期待していったのですが…





なんとまあ。うーん。
一言で表せば、近年のジブリ作品をごった煮にしたような内容。


自分も詳しいほうではないですが、
新海監督らしさとらしくないところのバランスが非常に悪かった作品だと思います。


















まずは、
「らしかった」ところ。

新海監督の真骨頂ともいえる、風景描写。

とにかく美しいの一言。特に「空」は秀逸で、青空・夕焼け空・星空など多種多様な「空」が物語を彩ってくれます。


物語が説明少なめなところも手伝って、この「空」をみながら心情だったりを読む必要があるのもある意味「らしい」ところでしょうかね。


















次にらしくなかったところ。

こっから長くなるでゲソ
(ちなみに主役の少女の声優はイカ娘の人)






まずは最初にも述べたとおり、
最近のジブリ総まとめ的な内容。











どのシーンを切り取ってもデジャブ感マックス。

いつの間に自分が、「先にこの映画を観たパラレルワールド」から移動したかな?と疑いたくなるような既視感。






最初のほうは、ジブリでよくある原風景のような感じ。

さらに登場人物、シュンは、見た目が「ハウルの動く城」のキムタクで、キャラは「千と千尋の神隠し」のハク。

さらにさらに、アガルタの生物はなんだか「もののけ姫」で出てくるような…

モリサキは、突然ラピュタがどうこう言い出しそうな、ムスカさん的雰囲気もあったりなかったり。


アガルタの服装やアガルタで出てくるシンというキャラは、なんだかゲド戦記



まあ、上映中さまぁ〜ず三村さんの如く怒涛の勢いで突っ込みたくなる程度のデジャヴ感ですよ。














さらに
人物の描写がなんだか…




アスナがアガルタにいく動機もなんだかモヤモヤ。
シュンが人間界に来た同期もモヤモヤ。

結果的にメインになりそうなのはモリサキ先生なんだけど、
そこも最後がなんだか中途半端。モヤモヤ。

ちょっとハガレン混じってたし。




ストーリーも早回しすぎて、観客置いてけぼり。
やりたいことはわかるんですけど、尺的にもそれは無理がある。

ぶつぎりなシーンがさらに違和感を加速させてしまいます。やはり要素が多すぎたのだろうか?


特に前半はかなりキツかった。
アガルタ以降はなかなか盛り上がったんだけれども。



もっと焦点をしぼったらわかりやすくなったのかも。












つまり今作は、
テーマが「モヤモヤ」だったんだ!!(嘘)



前作が傑作だっただけに、今作はハードルがあがりすぎた様相でしょうか。
個人的には監督には静かな作品が似合っているのかも?






















以下、ネタバレ












シュンがあこがれていたのは、星空。(シンが始めて見たような反応をしたことから推測)

シュンは長くはなかった。(突然挿入されたシンたちの村の人の会話から推測)

つまり、『星を追う子ども』は地下から死ぬとしてもなんとしても星空をみたかったシュンことだと解釈しました。(全部空想に過ぎないですが (笑)