ぶたのひとり言

趣味のことなどいろいろ書いたりです。 この日記も整理中なので内容とか表現を変えるかもです。

バベル(ネタばれ注意)

試写で見る機会があったので鑑賞。バベルの塔を作ったために神の怒りをかい、異なる言葉を話す運命になったという人間のコミュニケーションの不自由さによっておこる様々な悲劇。発想やストーリーしては面白かった。また聾唖者のチエコが、思春期のいらだちのはけ口が見つからず、不器用な行動に出てしまうという場面も痛々しく涙が出た。災難に巡り合わせるブラピとケイト・ブランシェットのの演技はさすがである。

ただ、表現にもう少し繊細さが欲しかったと思う。
いくら子供であっても12才にもなれば銃で車を狙えば乗っている人に当たるかもと考えつくだろう。そこら辺はもう少し偶然起った事故だったとかいう表現にしたほうがよかったと思う。
またチエコの表現も聾唖者である必要性をあまり感じない。たとえば、物質的に恵まれて、普通に言葉がしゃべれても、なにか自分の寂しさややるせなさのはけ口をどのように表現してよいのか分からない女子高生というのでもよいだろう。また菊池凛子さんの体当たりの演技はそこに必要性があまりないので逆に頑張った彼女が気の毒に思えた。日本の女性はああいう表現の仕方はしない。あれでは白痴と同じであろう。誰とでもかまわず寝てしまう寂しい女性というのならリアルにいるが、治療している歯医者にいきなり襲い掛かったり、ほとんど知らない男性の前でいきなり素っ裸になるということをする女性は精神の病気でもなければまずいないであろう。