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2014-04-07

女20代のリアル「もらとりあむタマ子」

以外に前田敦子の演技の評判が良かったので、観たいと思っていた。

題名もらとりあむタマ子
原作前田司郎
監督山下敦弘
出演前田敦子(坂井タマ子)、康すおん(坂井善次、タマ子の父)、鈴木慶一(坂井啓介、善次の兄)、中村久美(坂井よし子、善次の義姉)、富田靖子(曜子、善次の彼女?)、伊東清矢(仁、近所の中学生)、他
公式サイト映画『もらとりあむタマ子』 オフィシャルサイト
制作日本(2013年11月23日公開)
時間78分
劇場早稲田松竹

内容

タマ子は大学を卒業したが、就職するでもなく家業のスポーツ店を手伝うでもなく、食べて寝て漫画読んでとダラダラした日々を過ごしている。父はそんなタマ子を案じながらも、厳しく叱ることもできない。やがて父に再婚話が持ち上がるが……

雑感

前田敦子の演技力うんぬんというより、髪はボサボサ、服装は着崩したジャージ姿、始終不機嫌と、仮にもAKBのセンターだった子にこういう役をやらせてしまうということに驚いた。まあそれはそれでうまく嵌まっていて、映画としては成功だと思うけど、結局それは前田敦子はこういう普通の子なんだ、ということか?

ところどころギャグを交えつつ、季節もうつろい、冒頭ではタマ子が逆切れしたり、後半は父に交際相手ができたり、それなりに起伏はある。あるけれど、基本的にはゆるゆるした日常を描いており、これはこれで面白いけど、延々と続くと辛いなと思い始めたら、あっさり終了。短い尺でまとめたのも、結論らしいものを出さなかったのも、好印象である。

「(テレビのニュースを見ながら)ダメだな、日本は」

「食って寝てマンガ読んで。ダメなのは日本じゃなくてお前だ!」

「その時が来たら動くわよ私だって!!」

「その時って、いつなんだよ」

「少なくとも……今ではない」

タマ子の食べ方が汚くて行儀が悪いのは演技だと思うが、父の食べ方の行儀が悪い(右手しか使わない)のは、演技なんだろうか。父がこうだから、娘もこうなっちゃった、的な。それとも康すおんの食べ方がああなんだろうか?

男女30代後半のリアル「ジ・エクストリーム・スキヤキ」

ゆる系とか言われているようだけど、結構殺伐とした話ではある。しかし盛り上がりもなければオチもない。とらえどころのない作品だ。

題名ジ・エクストリーム・スキヤキ
原作前田司郎
監督・脚本前田司郎
音楽岡田徹(ムーンライダース)
出演井浦新(洞口)、窪塚洋介(大川)、市川実日子(京子)、倉科カナ(楓)、高良健吾(風呂場にやってきたかっこいい男)、沖田修一(普通の男)、他
公式サイト映画『ジ、エクストリーム、スキヤキ』公式サイト 11月23日(土)テアトル新宿、ほか全国ロードショー
制作日本(2013年11月23日公開)
時間111分
劇場早稲田松竹

内容

楓と同棲中のウリーター・大川のところに、15年間絶縁状態だった学生時代の友人・洞口が突然訪ねてくる……

雑感

会社の終業時刻をフライングして駅まで走ったが、乗るつもりだった電車が目の前で行ってしまい、次に乗った電車が事故で遅れ、映画館に着いた時は開始10分後だった。予告編の最中だろうから、ぎりぎり間に合ったかな、と思ったら、予告編は相当短かったらしく、既に始まっていた。最初の導入部分を見逃してしまったのだ。おかげで設定はわからないし、15年前に何があったのか最後まで不明なままだった。残念なことをした……

それはともかく、何とも不思議な作品である。こういう作品をどう説明し、どう評価すればいいのか、表現力を持たない。恋愛物語ではない。ミステリーでもない。ロードムービーである、とは言えるかもしれない。40近くなる大人たちがこんな幼稚な会話しかできないなんて、彼らの将来を考えるとホラーだ、というのは皮相的な見方か。

ひとつ言えるとすると、もし僕が自分で映画を撮ったり、小説を書いたりするとするならば、こういう話を書きたい、こういう作品を作りたい、ということだ。映画を撮ったことはないし、撮ろうとしたこともないのだが。

彼らのやっていること(たとえば居酒屋でのバイトで生計を立てているとか)、彼ら同志の関係(たとえば男女で旅館に泊まって一つの部屋で雑魚寝するとか)、これが学生ならおかしくない。でも30代後半の人間としてはちょっとどうかな、と思う。彼らは15年前に「事件」があって、時計が止まってしまった。15年の月日は流れたけど、彼らは15年前のまま進んでいない。だからこういうアンバランスなことになってしまったのだ。

いや、進んでいないと彼ら自身は思い込んでいたけど、やはり15年なりの変化はあったのだ。まあ、そういう話。

大川「15年だぜ15年。15年って言ったらお前、ゼロ歳児が15歳になるまでの時間と同じだぜ」

京子「あの、それって全然喩えになっていないと思う」

大川「そうだよな。俺も今喋りながらそうだと思った」

山場もなくたんたんと続くのに、飽きもせず最後まで見られるのは役者の演技力の賜物と思う。特に窪塚洋介の口調がいい。窪塚洋介はここ最近、「愛の渦」「サンブンノイチ」と立て続けに観たが、同一人物とは思えない。