天使に見捨てられた夜

作者:桐野夏生講談社文庫
江戸川乱歩賞の「顔に降りかかる雨」が面白かったので、続編も読んでみることにした。
フェミニズムの運動をしている編集者から、失踪したAV女優の捜索を依頼された村野ミロ。
マンションの隣人のゲイバーの経営者を助手にして、捜査を開始する。
AV女優のリナはレイプビデオに出演し、自殺モノにも出ていたという噂があった。
AV制作会社や同棲していたホストに聞き込むが、彼らはリナの存在をひたすら隠そうとする。
一見無関係と思われる往年のブルース歌手の殺人事件に、ミロはリナとの共通点を見出す。
周囲の人間の証言を集めると、リナはもう誰かに殺されているという可能性が高い。
そんな中、依頼者の編集者が赤坂のビルから転落して、死亡する。
意外性に富むストーリーで、特にリナの素性を調べ上げていくシーンは面白く、印象的だった。
リナの存在はホラーチックだが、正統派のハードボイルドミステリーだと思う。
自分は前作より、こっちの方が面白かったと思う。このシリーズは全部読むか。