長宗我部元親

作者：近衛龍春｜講談社文庫
「姫若子」「土佐の出来人」「鳥なき島の蝙蝠」と言われた戦国大名を描いた作品。
四国をほぼ手中にした戦国大名だが、小説に取り上げられているものを初めて見た。
で、読んでみたのだが、史実を忠実になぞっているのか、盛り上がりに欠ける。
元親自身のエピソードが史実にもないのか、野望を独白するものの、能力は伝わってこない。
それなら家臣の活躍を期待したのだが、「信長の野望」で知っていることばかりだった。
面白くない歴史小説で、500ページ近い長編だったが、なぜか一気に読めた。
これは作者の力量なのか微妙なところだが、読んでみて損をした気分にはならなかった。
裏切り、謀反を「返り忠」と表現していて、頻繁にでてくるので印象に残った。

長宗我部元親 (講談社文庫)