涜書:ワン編(1963→1995)『行動主義と現象学』

信頼―社会的な複雑性の縮減メカニズム』講演準備:http://d.hatena.ne.jp/contractio/20160516

行動主義と現象学―現代心理学の対立する基盤

行動主義と現象学―現代心理学の対立する基盤

第2章 現象学実験心理学への挑戦(R.B.マタレオード)

  • I. 歴史的考察
  • II. 現象学実験心理学
  • III. 現象的恒常性
  • IV. 他者
  • V. コミュニケーション
  • VI. むすび
  • 引用文献
  • 文献の解説
  • 討論の抄録

涜書:ラントグレーベ(1963→1980)『現象学の道―根源的経験の問題』

現象学の道―根源的経験の問題 (思想史ライブラリー)

現象学の道―根源的経験の問題 (思想史ライブラリー)

  • 第2章 現象学的問題としての世界
    • 一 あらゆる経験の普遍的地平としての「世界」とその根源の問題
    • 二 「生世界」への還帰
    • 三 「生世界」の諸本質類型
    • 四 自然的世界概念と世界根源への現象学的問い

借りもの:モートン・ドイチェ(1954→1957)「社会心理学における場の理論」

ゴードン・オルポート(?→1956)「社会心理学史」みすず書房社會心理學講座 1

  • Gordon W. Allport, The historical background of social psychology.
  • 七 快楽主義
  • 八 エゴイズム(権力)
  • 九 社会心理学における非合理主義と合理主義
  • 十 同情
  • 十一 模倣
  • 十二 暗示
  • 十三 群衆
  • 十四 集団心
  • 十五 分析の単位
  • 十六 客観的方法の起源
  • 十七 社会心理学の教科書
  • 十八 結語 

モートン・ドイチェ(1954→1957)「社会心理学における場の理論」みすず書房社會心理學講座 2

  • Morton Deutsch, Field theory in social psychology.
  • 序説
  • 一 メタセオリー
    • 心理学的接近
    • 全体場の強調
    • 体系的・対・歴史的因果性概念
    • 「分類的」接近に対する「構成的」接近
    • 力学的接近
    • 数学と場の理論
  • 二 個人心理学において展開された場理論の基礎的諸概念
    • 生活空間
    • 構造的諸概念
    • 力学的諸概念
  • 三 心理学的環境内の変容を扱う諸概念
  • 四 アクション・リサーチとグループ・ダイナミックス
    • アクション・リサーチ
    • グループ・ダイナミックス
  • 五 要約

モートン・ドイッチ(1973→1995)『紛争解決の心理学』

紛争解決の心理学

紛争解決の心理学

  • はじめに
  • 本書出版にさいして
第I部 理論篇
  • 第1章 序論
  • 第2章 協力過程と競争過程
  • 第3章 精神内部の葛藤
  • 第4章 集団の形成
  • 第5章 集団間の紛争
  • 第6章 脅迫、約束、影響
  • 第7章 信頼できること信用できないこと:理論的ノート
第II部 研究篇
  • 第8章 信頼と不信の実験的研究
  • 第9章 脅迫とコミュニケーションが対人間取引に及ぼす影響:初期の研究
  • 第10章 さらに深めた脅迫の効果の研究
  • 第11章 取引行動の構造要因と態度要因
  • 第12章 協力を引き出す方略:実験研究
  • 第13章 紛争の解決に影響をもたらす要因

ドイッチ、コールマン&マーカス編(2000/2006→2003/2009)『紛争管理論』

紛争管理論

紛争管理論

紛争管理論

紛争管理論

  • 序章(Morton Deutsch)
  • 第1章 協調と競争(Morton Deutsch)
  • 第2章 正義と紛争(Morton Deutsch)
  • 第3章 信頼、信頼形成、信頼修復(Ro J, Lewicki)
  • 第4章 パワーと紛争(Peter T. Coleman)
  • 第5章 言語、平和、そして紛争解決(Francisco Gomes de Matos)
  • 第6章 集団間紛争(Ronald J. Fisher)
  • 第7章 ジェンダーと家族(Janico M. Steil, Liora Hoffman)
  • 第8章 紛争における怒りと報復──帰属の役割(Keith G. Allred)
  • 第9章 情動と紛争──いかに情動が紛争に影響し、紛争が情動に影響するのかについて理解することの重要性(Evelin G. Lindner)
  • 第10章 暗黙の知能観と紛争解決(Carol S. Dweck, Joyce Ehrlinger)
  • 第11章 紛争のアウトカムにおける創造性(Peter J. Carnervale)
  • 第12章 自省による学習(Victoria J. Marsick, Alfonso Sauquet, Lyle Yorks)
  • 第13章 深刻な紛争(Peter T. Coleman)
  • 第14章 文化と紛争(Paul R. Kimmel)
  • 第15章 組織間紛争(W. Warner Burke)
  • 第16章 紛争解決研究のフロンティア(Dean G. Pruitt)
  • 第17章 都市計画における「参加」機能としての調停(兼重賢太郎)
  • 第18章 ADR法施行状況の検討に向けて(レビン小林久子

畠山洋輔(2008)「近代社会における帰責のロジックとしての信頼」

  • 畠山洋輔(2008)「近代社会における帰責のロジックとしての信頼─信頼論はいかにして信頼を記述するのか」 ソシオロジ 53-1.
    http://htn.to/B3yBeY
  • 1 信頼論の興隆
  • 2 四つの信頼論
    • 2.1 信頼論の分類
    • 2.2 心理的アプローチ
    • 2.3 合理的アプローチ
    • 2.4 文化的アプローチ
    • 2.5 機能的アプローチ
  • 3 帰責のロジックとしての信頼
    • 3.1 責任実践と帰責のロジック
    • 3.2 近代社会における帰責のロジック
  • 4 不在の存在──「信頼」回復/喪失言説の円環

三上剛史「信頼論の構造と変容」

  • 1. 「安全」の脱構築
  • 2. 信頼論の構造
    • (1) 信頼-信仰、知識-無知:ジンメルの枠組み
    • (2) 〈信仰-信頼-確信〉:ギデンズによる二重性の解消
    • (3) 〈信頼/不信〉:ルーマンの二元図式
  • 3. 信頼の構造転換
    • (1) リスク社会の信頼
    • (2) 信頼と監視

千葉隆之(1996)「信頼の社会学的解明に向けて」

  • 1. はじめに
  • 2. 「信頼」概念の多様性と類型
  • 3. 「信頼」関係の基本的構図
    • (1) 信頼する当事者
    • (2) 信頼される対象
    • (3) 状況
  • 4. 信頼の特質と効果
  • 5. 信頼と社会秩序

2. 「信頼」概念の多様性と類型

「信頼」は従来、社会学ではしばしば言及されても決して正面から取り上げられることのない概念であった。例えば、日本はもちろん欧米の社会学辞典にも「trust」という項目は記載されていない。ただ、風向きは変わりつつあり、最近の辞典(Marshall ed., 1994)では取り上げられ始めている。わが国では、「信頼」を直接に扱った論考は皆無に等しいが、社会学社会心理学のいくつかの理論潮流の中ですでに、この現象への部分的接近が、多様な視点からなされている。

  • ドイチェにおいては:「信頼とは、前者では、囚人のジレンマやそれに類する利得配置で示されるような利己的利害を追求する複数の行為者を想定した状況下で、相手が協力的行動に出るであろうという信念である(Deutsch, 1958)」
  • ガーフィンケルにおいては:「日常生活の基本的な慣習的行動や基礎的ルールを相手が守るであろうという漠然とした期待のもとに、自らもそうした行動を行ない、そうした基礎的ルールに従った出来事を産出すること(Garfin kel, 1963: 193-4)である」

秩序問題との関わりでいうと、前者が協力的秩序形成に寄与する行為者の信念を問題にしているのに対して、後者は当事者視点からみた日常的社会秩序一般の成立基盤にあるものに関心を向けているのである。