ニコニコ動画、単月黒字化1年前(メモ)


ニコニコ動画が、メディアとしての継続性を有するまでに、あと1年ほどというニュース。


「2008年9月期には単月黒字化する」--数値で見るニコニコ動画の強さ - CNET Japan

 現在のところニコニコ動画は赤字が続いているが、「2008年9月期には単月黒字化する」とドワンゴ代表取締役社長の小林宏氏は言い切る。そしてその算段はすでについているようだ。

 月額525円の「プレミアム会員」と呼ばれる有料会員の数は10月9日時点で10万3000人で、2カ月半でおよそ倍になっている。バナー広告の売上は9月時点で月間1800万円で、前月比約1.8倍。ニコニコ市場の売り上げについては明らかにしていないが、9月上旬時点で1日約5000点の商品が売れているという。
 ここでニコニコ動画の1カ月の売り上げを簡単に試算してみよう。有料会員からの収入は約5400万円。バナー広告は前述の通り1800万円。ニコニコ市場での平均売上単価を仮にAmazon.co.jpで配送料が無料になる1500円とすると、アフィリエイト料は7%のため、(1500円×5000点)×7%×31日=約1600万円がニコニコ市場でのアフィリエイト収入となる。すべてを合わせても8800万円程度だ。かつてForbesの試算でYouTubeの回線費用が月額100万ドル(邦貨換算で約1億2000万円)とされていたことを考えると、これだけで運営費用が賄えるとは言いがたい。さらには、年間約200億円を売り上げるドワンゴから見て、この額は満足できる規模とは言えないだろう。


アフィリエイトによる収入だけ、根拠が薄いように思う。
9月上旬時点でのニコニコ市場の売上げというのが、本当に1日平均なのかどうかはわからない。ニコニコ動画の開発者ブログで、9月25日の販売数が5600超となっていて*1、ピークがそれだけならば平均はだいぶ低いだろうという意見を何処かで見て、尤もだと思った。半数くらいになるのだろうか?
平均単価1500円というのも、適当な数字なので信憑性はない。ただ、上位100位の平均単価が3000円*2という話もあり、アフィリエイトでの収益は引用先の数字からそれほど大きくは下がらないのかもしれない。


だが、2008年9月期での単月黒字化については、「算段がすでについているようだ」という記事(記者の印象?)からある程度の確実性があると考えたい。単月黒字化によって、メディアとしての継続性が確保される。
gyaoが広告モデルの無料配信という手法で、ですでに単月の黒字化は達成しているようなので。インターネットでの映像コンテンツの配信メディアは、すでに有料配信、広告モデルの無料配信があると言える。
この報道は、新たに「ニコニコ動画」という継続的なメディアが生まれる可能性が高まったということになるだろう。


そして、コンテンツ権利者との交渉という次のステップへと進むことができる。(すでにMTVがチャレンジングな提携を行ってはいるが、やはりテレビアニメが必要だ)
コンテンツ製作者にとっても、一つの収益チャネルとしての価値が生まれることを意味するので歓迎すべき事態だろう。


1年後、どういう状況になっているのかを確かめたいニュースだ。

参考リンク

gyaoが単月黒字化してるらしいという話。
USEN、TVで視聴する有料の動画配信「ギャオネクスト」を6月開始 | 日経 xTECH(クロステック)

 USENGyaOブランドを冠したサービスで有料動画配信に踏み切るのは今回が初めて。GyaOはすでに単月黒字化は達成しているものの、「(PC版の)GyaOのみで勝負するにはまだ時間がかかる」(USEN)状況。ギャオネクストで、広告収入以外の収益を見込む。USENは、無料動画配信サービスの会員を1414万人にまで伸ばしており、今回のギャオネクストでは「10万人の会員を目指す」(USEN)。


(染原 睦美=日経パソコン)  [2007/04/25]