アフター・ダーク
雨の音が激しい夜です。夏の深夜となると、クラシックよりジャズだな、と思い付きでリー・モーガン、ハービー・ハンコック、ソニーロリンズを聴きました。ジャズとくれば村上春樹でしょう、というわけで、大分以前から読まずに棚にあった「アフター・ダーク」を一気に読みました。ストーリーは24時少し前から、翌朝の7時少し前まで。流石にそこまで起きておれない年齢になりましたが、夜明けまで街をうろうろしていた、若い頃のことを小説にかぶせて、血が少し熱くなりました。
プラハからの風
名フイルの特別演奏会「チェコ特別演奏会<プラハからの風>」を聴きに行きました。ペトル・アルトリフエル指揮、ルドミラ・ペテルコヴァーのクラリネット、二人ともチェコ人。曲はスメタナの交響詩「わが祖国」から「ヴルタヴァ」。ドヴォルザークの交響曲第9番「新世界より」。この二人の作曲家はチェコですね。特に「新世界より」の第2楽章は懐かしい「家路」がイングリッシュ・ホルンで歌いだされ、よい気持ちになりました。クラリネットのルドミラは大柄な女性で、スタイルのよい大きな身体からの演奏は迫力がありました。演奏したのはモーツアルトのクラリネット協奏曲。指揮者のベトルの指揮はエネルギッシュで、クライマックスへの一気の力強い駆け込みには興奮させられ、アンコールのスラブ舞曲では、式台の上でリズムカルにステップを踏んで踊りながら指揮をして、すっかりのせてくれました。楽しい一夜でした。
お土産次第?
富山のかもぼこをお土産にいただきました。上等のようです。30年前に勤めていた会社の先輩が夫婦で万博にやってきて、ついでに私に会いたいということで、会ったのですが、お土産を頂いたせいでしょうか、なかなか好いご夫婦でした。お互いあくまで個人的なことを細々話したり、尋ねたりしない方がいいですね。その辺をよくわきまえて下さって、3時間余りをそれほど疲れずに過ごすことが出来ました。
見えていない、見ようとしない現実があります。
今日の聖書の勉強会で、参加者の一人、この方は民生委員をされておられた婦人ですが、この方が長くボランティアに関わっていた施設。精神の発達に障害のある方たち、100人程の人たちがいたそうです。今から20年位前のその施設の運動会には、その入所者の家族が来て賑やかで楽しいものだったけれども、今は本人たちも平均年齢が60代になり、家族も高齢化、少なくなり、運動会も大変寂しいものになっている。多少の人の出入りはあったが、ほとんど同じ100人が同じ施設でそのまま年をとっていく。そして、最近その施設は山奥の新設された方へ引越ししていったそうです。
更に、入院する必要が無い、精神障害者の地域の中でのぶらつきに対する住民、殊に子どもを持つ親からの「何とかして」の声。地域のかかえる様々な葛藤の中で、現実に対峙していかなければならない困難さを聞きました。
賞(ショー)ほどステキ(?)な・・・
昨日、名古屋駅に用事があったついでに、「ミリオンダラー・ベイビー」を観ました。朝一番の上映ということもあってか、観客はまばらでした。高齢者がほとんどで、聞こえてくる会話から、夫婦ではないカップルも観に来ているようでした。映画は期待が大きすぎたのか、未だ何かあるだろうと思っているうちに終わってしまいました。隠されているかもしれないテーマも私には見つかりませんでした。結婚式場のようなチャペルと、余りにお粗末な神父は情けなかったですね。