アフター・ダーク

雨の音が激しい夜です。夏の深夜となると、クラシックよりジャズだな、と思い付きでリー・モーガンハービー・ハンコックソニーロリンズを聴きました。ジャズとくれば村上春樹でしょう、というわけで、大分以前から読まずに棚にあった「アフター・ダーク」を一気に読みました。ストーリーは24時少し前から、翌朝の7時少し前まで。流石にそこまで起きておれない年齢になりましたが、夜明けまで街をうろうろしていた、若い頃のことを小説にかぶせて、血が少し熱くなりました。

コーラス

 名古屋は蒸し風呂のようです。朝、メールがあって「『コーラス』と云う映画を是非観てください」とのお勧めがあり、早速午後から出かけて観て来ました。
 フランス映画で、少年院でどうしょうもない不良たちが一人の愛のある音楽教師によって一つになるという古典的な手法の作品ですが、主演の13歳の男の子の憂いを秘めたボーイソプラノと少年たちの合唱に、何のためらいも無く涙を流しました。心に優しい映画でした。

トロイアの女

久し振りに完成度が高く、特に役者たちの訓練が行き届いている芝居を観ました。と言っても、よい芝居を観ることは今までほとんどなかったのですから、偉そうなことは言えません。「トロイアの女ク・ナウカ(日本)、旅行者(韓国)の二つの劇団のコラボレーション。名古屋市東文化小劇場。ここも初めてでした。地下鉄名城線、「ナゴヤドーム前矢田駅」、この駅もなかなか立派。その駅から雨に濡れずに歩いて行ける所に、いつの間にかこんないい施設ができていました。

プラハからの風

 名フイルの特別演奏会「チェコ特別演奏会<プラハからの風>」を聴きに行きました。ペトル・アルトリフエル指揮、ルドミラ・ペテルコヴァーのクラリネット、二人ともチェコ人。曲はスメタナ交響詩「わが祖国」から「ヴルタヴァ」。ドヴォルザーク交響曲第9番「新世界より」。この二人の作曲家はチェコですね。特に「新世界より」の第2楽章は懐かしい「家路」がイングリッシュ・ホルンで歌いだされ、よい気持ちになりました。クラリネットのルドミラは大柄な女性で、スタイルのよい大きな身体からの演奏は迫力がありました。演奏したのはモーツアルトクラリネット協奏曲。指揮者のベトルの指揮はエネルギッシュで、クライマックスへの一気の力強い駆け込みには興奮させられ、アンコールのスラブ舞曲では、式台の上でリズムカルにステップを踏んで踊りながら指揮をして、すっかりのせてくれました。楽しい一夜でした。

お土産次第?

富山のかもぼこをお土産にいただきました。上等のようです。30年前に勤めていた会社の先輩が夫婦で万博にやってきて、ついでに私に会いたいということで、会ったのですが、お土産を頂いたせいでしょうか、なかなか好いご夫婦でした。お互いあくまで個人的なことを細々話したり、尋ねたりしない方がいいですね。その辺をよくわきまえて下さって、3時間余りをそれほど疲れずに過ごすことが出来ました。

見えていない、見ようとしない現実があります。

 今日の聖書の勉強会で、参加者の一人、この方は民生委員をされておられた婦人ですが、この方が長くボランティアに関わっていた施設。精神の発達に障害のある方たち、100人程の人たちがいたそうです。今から20年位前のその施設の運動会には、その入所者の家族が来て賑やかで楽しいものだったけれども、今は本人たちも平均年齢が60代になり、家族も高齢化、少なくなり、運動会も大変寂しいものになっている。多少の人の出入りはあったが、ほとんど同じ100人が同じ施設でそのまま年をとっていく。そして、最近その施設は山奥の新設された方へ引越ししていったそうです。
 更に、入院する必要が無い、精神障害者の地域の中でのぶらつきに対する住民、殊に子どもを持つ親からの「何とかして」の声。地域のかかえる様々な葛藤の中で、現実に対峙していかなければならない困難さを聞きました。

賞(ショー)ほどステキ(?)な・・・

 昨日、名古屋駅に用事があったついでに、「ミリオンダラー・ベイビー」を観ました。朝一番の上映ということもあってか、観客はまばらでした。高齢者がほとんどで、聞こえてくる会話から、夫婦ではないカップルも観に来ているようでした。映画は期待が大きすぎたのか、未だ何かあるだろうと思っているうちに終わってしまいました。隠されているかもしれないテーマも私には見つかりませんでした。結婚式場のようなチャペルと、余りにお粗末な神父は情けなかったですね。