自衛隊オスプレイ,木更津に配備検討 佐賀断念の場合 朝日新聞デジタル 2月9日(火)8時27分配信


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[写真]米海兵隊のMV22オスプレイ


陸上自衛隊が導入するオスプレイ佐賀空港佐賀市)配備計画をめぐり, 防衛省自衛隊が佐賀配備を断念した場合に備えて陸自木更津駐屯地(千葉県)を候補地として検討していたことが分かった. 具体的な行程を記した検討資料を作成していた. 佐賀配備は地元との調整が難航しているが, 防衛省関係者は佐賀配備の断念は考えていないとしている. 代替地の検討が明らかになるのは初めて


 複数の関係者が明らかにした。それによると, 防衛省自衛隊は昨年夏までに配備計画の検討状況資料を作成. 佐賀県などが受け入れない場合, 同10月にも佐賀を断念して木更津配備の準備に着手すると明記した. 木更津で来年度以降に本体工事にとりかかり,2019年度末までに格納庫などを整備するとした. こうした内容は, 佐賀側にも伝わっているという


 資料作成後, 中谷元(げん)防衛相が佐賀県を訪問して山口祥義知事らに改めて配備を要請したが, 受け入れの見通しは立っていない


朝日新聞社

自衛隊オスプレイ,木更津に配備検討 佐賀断念の場合(朝日新聞)

【出典】http://micro.asahi.com/i/article/ASJ2962PDJ29TTHB011.php


 陸上自衛隊が導入するオスプレイ佐賀空港(佐賀市)配備計画をめぐり、防衛省自衛隊が佐賀配備を断念した場合に備えて陸自木更津駐屯地(千葉県)を候補地として検討していたことが分かった。具体的な行程を記した検討資料を作成していた。佐賀配備は地元との調整が難航しているが、防衛省関係者は佐賀配備の断念は考えていないとしている。代替地の検討が明らかになるのは初めて。


 複数の関係者が明らかにした。それによると、防衛省自衛隊は昨年夏までに配備計画の検討状況資料を作成。佐賀県などが受け入れない場合、同10月にも佐賀を断念して木更津配備の準備に着手すると明記した。木更津で来年度以降に本体工事にとりかかり、2019年度末までに格納庫などを整備するとした。こうした内容は、佐賀側にも伝わっているという。


 資料作成後、中谷元(げん)防衛相が佐賀県を訪問して山口祥義知事らに改めて配備を要請したが、受け入れの見通しは立っていない。


 今年度予算に盛り込んだ佐賀空港隣接地の買収費など106億円は、地権者である地元漁協組合員などの合意を得られず未執行。防衛省は新年度予算案では佐賀配備関係の予算計上を見送った。一方で同省は、18年度末までにオスプレイを17機購入するため、新年度予算案にオスプレイ4機分の購入費として447億円を計上している。


 防衛省は佐賀配備の目的について、南西諸島防衛のため新設する「水陸機動団」(長崎県佐世保市陸自相浦駐屯地に配備)と連携させるとしてきた。木更津については、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の米オスプレイを含めた整備拠点だと説明。木更津への配備は、こうした前提が崩れることになる。


 佐賀配備をめぐっては8日、佐賀県議会の特別委員会のメンバーら29人が木更津駐屯地を視察し、現状について説明を受けた。同駐屯地では格納庫一つを今年中に改装し、来年1月からオスプレイの整備を開始する予定だ。ただ、佐賀側は受け入れについて、県のほか佐賀市や漁協を含めた地元の意向が固まっていない。


 防衛省関係者は木更津配備の検討について、「(佐賀の受け入れ環境が整わない中、)新年度予算編成を考えた。佐賀配備の断念は考えていない」と説明。佐賀側に受け入れを促す材料だとしている。
(02/09 08:27)

佐賀)オスプレイ、木更津代替案に不信と戸惑い

(朝日新聞)


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 佐賀空港への陸上自衛隊オスプレイ配備計画が受け入れられない場合、自衛隊が代替地として陸自木更津駐屯地(千葉県)を検討していたことが明らかになった9日、関係者には不信感や戸惑いが広がった。


 防衛省佐賀空港を選んだ理由として、オスプレイに乗せて運ぶ部隊を置く陸自相浦駐屯地(長崎県佐世保市)との近さを強調していた。しかし木更津と佐世保は千キロ近く離れており、防衛省が主張する地理的根拠は無かったことになる。


 検討は少なくとも昨夏にはなされていたが、九州防衛局の川嶋貴樹局長は昨年11月、配備計画に関する県議会の特別委員会で「佐賀でやり抜く覚悟。不退転の決意で取り組む」と宣言していた。


 特別委のメンバーらは8、9の両日、木更津駐屯地を視察し、木更津市役所を訪問した。現地では木更津案について「初めて聞いた。確認しないといけない」といった戸惑いの声が上がったという。


 藤木卓一郎委員長は「(川嶋局長の)『不退転の決意』という見解に基づき、やりとりを続けていく以外にない」と語った。徳光清孝県議(県民ネットワーク)は「佐賀でなくても配備できるということ。佐賀しかないとしながら、こんないい加減なことでは防衛省は一切信用できない」と語気を強めた。


 佐賀市議会で配備計画を審議する特別委員会の川原田裕明委員長は「全く聞いていない」。12日にある特別委で防衛省に説明を求めるかどうかなど、何らかの対応を検討する必要があるとの考えを示した。


 防衛省とやりとりを続けてきた首長たちは戸惑いを見せる。


 山口祥義知事は9日の定例会見で「防衛省からは聞いていない」と断ったうえで、「『えっ』という思い」「相浦との関係をどう考えるのか」と語った。ただ、「木更津という考えがあるなら向こうから話があるだろう。私は佐賀空港への提案について対応していくことに尽きる」と、すぐに問いただすことには消極的だった。


 佐賀市の秀島敏行市長も木更津案を伝えられていないといい、「もし話がそれなりの立場の人にこそこそと伝わっているなら、そちらを問題視したい」「国は今まで『佐賀が絶対』という言い方をしてきたのに、『だめなら木更津』ということなら、最初から言ってほしい」と不信感を示した。さらに、これまで「よそに持っていかれる」と決断を急がせる人たちがいたことも明かし、「揺さぶりに出ているのかも」。ただ、山口知事と同様、防衛省にすぐ問い合わせることはないという。(松川希実、菅原普、石田一光)


(02/10 03:00)