のだめ#13を読む。
ノラ・ジョーンズを聴く。
ラーメンとチャーハンを食べる。
クーゲルをかける。
エバポをぶんぶん回して、濃縮。


カミさんは実家に帰った*1
今週一週間はろくに寝ていない。


そんなけだるい深夜2時。

                                                      • -


結晶性が極端に低くて、結晶化がうまくいかない。
純度が少しでも低いと、オイルにしかならない。
でも、ここで不純物を落とさないと、次でもっと困る。
悪戦苦闘。


もう5時をまわった。
これ以上やると明日に響くので、4時間ほど寝ることにしよう。


連休なのだが、間違いなく3日連続で実験三昧だろう。
1.5 kg のハンマーで叩くのはリチウムばかり。
本来の目的から逸脱した使用法。
よく延びるけどね。


石採りに行きたい。
山歩きに行きたい。
カヌーを出して、海の上を散歩したい。


この合成が最後までたどり着けたら、気分転換に採集に行ってこようっと*2

                                                                                    • -


あー。結局7時までやっちゃった。
結晶化したものの、収量が著しく低い。
マスバランスがまったく合ってない。
クーゲルで熱分解している模様。
歪んでいるとはいえ、根性のねえヤツだな。


カラムにしようかね。

*1:夫婦仲が悪いわけではない

*2:まだ7段あり、その中に異性体分離が二カ所ある。目的物は酸素にめっぽう弱い。誰だ、こんな殺人的なスキームを考え出したのは(怒)。いや、オレなんだけどさ。

天秤

「ガツン」という鈍い音で後ろを振り返る。
女子学生さんが買ったばかりの電子天秤を落っことしてやっつけた音。
犯人は万有引力か?
いじめてやれ。


再起不能
メーカー修理でユニット交換10万円コースかな。


精密天秤はどんなものでも精緻なメカなので、落とすと確実に壊れる。
この5年で3件の落下を目撃。

プロジェクトX

NHKプロジェクトX」が、年度いっぱいで放送を打ち切るようだ。
ネタがつきたか、ヤラセ問題がいよいよ激化したか。
しかし、あの番組は、本当に理学に理解の乏しい番組だった。
純粋な理学ネタでは、小柴さんのぐらいしかなかったんじゃないかと。
実学よりの工学ネタはそれなりに多かった。
これは、目標が目に見えてわかるので、話の組み立てが容易だからだろう。
理学の研究は終わりがなく、やればやるだけ理解は進むが新たな疑問が増え、かつ地味な作業が多いため絵にならないということか。
特に化学は、分子が目に見えるわけでないので間接的な表現にしかならないからなあ。
ノーベル賞クラスのプロジェクトですら取り上げられない。
土木や機械、電気電子は目標がはっきりしていて、product が目に見え、人様の役に立つので話を盛り上げやすい。
お涙ちょうだいなら、迷わず後者だろうね。


放送を見ていると、明らかにオーバーすぎる表現が多数出てくるのが鼻についた。
NHK は偶像化が大好きらしく、オヤジが「関東甲信越小さな旅」で取り上げられたときは、見ていて本人とのギャップにあぜんとした。
それでいて、当事者のもっとも伝えたいことというのは、ほとんど取り上げられない。
あくまでも出演者は番組組み立ての材料でしかなく、意思やメッセージを持つ必要はない。内容はすべて NHK 側が考えるようにできている。
ひとの話なんか聞きゃあしない。
で、取材の金はべらぼうにかけるのだが肝心の理解が薄っぺらで、使った金に見合っていないお粗末な番組が出来上がる。
昔からそう。
プロジェクトXもその色が濃かったように思える。
ああいう番組は意味があると思うし、オレも好きなのだが、やり方に疑問点が多かった。
イデアはいいが、もう少し理解を深めた方がいいんじゃないかと。
週刊金曜日の「買ってはいけない」みたいな印象を受けた*1


そして、中島みゆきだけが大勝ちした。
♪ひとーり上手と呼ばないで♪

*1:イデアは悪くないし、週刊金曜日にしか作れない本なのだが、著者があまりにも科学についての知識が乏しかったため大失敗した極端な例。トンデモ本に近い。やる気だけは買うんだが。

「日本硝子細工夜話」日本硝子細工夜話刊行会 秋山寵三著、木下義夫編

昭和42年刊のやや古い本だが、すごく面白い。
日本のガラス工業、特に理化学ガラスの開拓者に焦点を置き、さまざまなエピソードど共に歴史を記録する良書。
理化学ガラスについては、何冊かの本を読んでいると、川村禄太郎が MVIP で、東北帝国大学理学部付属硝子技術員養成所*1が最重要機関であるらしいことがはっきりとわかる。
ドイツ、イギリスから理化学ガラスを輸入して実験した明治末期、壊れたガラス器具の修理を川村がしたところから始まり、日本人独特の器用さで見よう見まねでガラス器具を作っていく。
日本の理化学ガラスの品質は、現在ではアメリカ、ドイツなどと比べても見劣りしないところまで成長した。もちろん、より優れたものも多い。


職人芸だけではダメなのだが、後継者不足の昨今の状況を考えると、優れた技能者にもっといい待遇をしてやってもいいんじゃないかと思う。
きちんと動作するファイアストンバブラー*2の作れる人がいかに少ないことか。
落とせば割れる消耗品だけど、とても重要な器具のひとつ。
大事に使えば100年もつ。

*1:昭和16ー30年の14年間、多くの技術者を輩出した国内唯一の官営ガラス技術員養成機関

*2:系内の内圧が上がると内部のガスが抜け、下がるとフロートが弁として働き空気の侵入を防ぐガラス器具。こういうダイナミクスを必要とするガラス器具は、形だけじゃダメで多くの経験がないときちんと動作しない。フロートの形状と球面ズリの加減が命で、Ace やスギヤマゲンなど数社の製品を購入比較してみたが、国内のある職人さんの作るものが例外的に優れた性能を有することが判明した。24時間真空にしてオイルが上がってこずに、スパッとわずかの圧力差で開閉するような優良品をいっぱい作れる人はそうそういない。