バル日記37回目

EDは「淋しくて眠れない」でも可w

遂に最終回を書くエクシです。
まあ文を映しただけですが。
でもこの刹那さと愛しさと心強さと(笑)は一体何でしょうか。
歴史は繰り返され絶望に塗れながらもマリンは立ち上がり歩いていきます。
その足が折れるまで、千切れるまで歩き続けよう。
足掻き続ける事こそ生きとし生ける者の宿命なのだから。
それでは最後の戦いをどうぞ!

最終話 永遠への旅立ち

地球を覆い始めた放射能汚染は確実に広がっていった。マリン、オリバー、ジェミー、クインシュタインたちは生存者を地球唯一のシェルターへ収容するため、精いっぱいの努力をしていた。
ガットラーはまだ生きている。彼がいる以上、地球に真の平和は来ない。ひきとめるオリバー、ジェミーをふりきって、単身ガットラーのいるアステロイドベルトへ向かうマリン。
ガットラーは、1千万人の冷凍冬眠を解除しようとしていた。彼に残された仕事はS−1星を滅亡から救うことだけだった。ガットラーの前に姿を現わしたマリンの瞳が憎悪に燃えている。
「これは運命なのだ」
うそぶくガットラーに銃を突きつけるマリン。だが、引き金を引けば、ガットラーの背後に眠る1千万人のS−1星人の命もない。マリンもまたS−1星人なのだ。
銃を投げ捨てガットラーにとびかかるマリン。なぐられるままのガットラー。なぐりつかれて床に倒れこむマリン。
「気がすんだか。わしは、また新しい星を探して旅に出る。お前も来ないか」
「誰がお前なんかと……」
マリンは吐き捨てるようにいった。冷凍エリアに光が満ち、ワープが始まった。
シェルターではクインシュタインたちがマリンの無事を祈っていた。オリバーの胸に泣き崩れるジェミー。夜空をひとすじの星が流れた。
不気味な赤い空に覆われた砂浜の朝。
砂地に突きささったパルサバーンの残骸。海辺をよろめきながらマリンが歩いていく。
「俺は……俺はかえってきたんだ……」
歩き続けるマリンの目に月影が映る。雷太もいる、優しい父や戦いに散っていった友たちが、迎えてくれているのだ。そしてマリンが誰よりも会いたかったアフロディアも。寂しそうに笑いかけるアフロディアに、マリンも笑顔で応えた。

解説……遂に最終回。大百科のP218〜P221までを掲載しました。昔メガゾーン23と言う作品を見ましたが、それを越えるやり切れなさ。主人公の矢作省吾は体制に逆らい、めったくそにやられて更に敵に情けを掛けられて生き残るけど、敗北感に塗れながら渋谷の街を歩いていく、みたいな作品でしたっけ。パートⅡでもライバルであるB.Dと言う「大人」に殴り掛かっても軽くいなされるみたいな。どのシリーズも実はこのバルディオスと言う作品のオマージュが隠されていたのかも知れません。
結局主人公マリンは地球を救えず、更に「裏切り者」の汚名を持ったまま、彼は汚染された地球をずっと歩いていく。彼の「帰ってきたんだ」の台詞は、実際に帰還したと言う事と、故郷に帰ってきたと言う意味のダブルミーニングを示しています。つまり完全な敗北でこの作品は閉じられてしまったと言う事なのです。ケイブンシャ発刊の大百科では割愛されましたが、地球を歩くマリンの傍らに巨大な壁画が描かれています。その紋章や造形こそ冷凍冬眠エリア、そしてガットラーの像でした。サブタイの「永遠への旅立ち」と言うのはまさにこれを意味するものです。
いつの時代かははっきり言及されていないので推測ですが、超古代文明アトランティス文明かムー大陸の文明。それに限らず、以降の文明の様々なオーパーツ(Out Of Place Artifacts)と呼ばれる品々は、当時よりもかなり優れた科学で作られたとしか説明しようが無い物が多々あります。デリーの「錆びない鉄柱」とか当時の研磨技術では明らかに製造不可能な「水晶髑髏」とか。更に古代の壁画に飛行機やヘリコプターを造形している物があったり、オーパーツには様々な謎が付き物です。それが実は未来からやってきた侵略者達による物だった、と仮定すれば確かに辻褄が合います。エクシはこの壁画のネタを初めて資料で読んでこれは凄いと思いました。
つまり太古の地球に君臨した超古代文明は2100年から時間跳躍してきたガットラーであり、地球の始祖たる彼らはそのまま地球人となり、2100年に未来からやってきたガットラーと大戦し、地球が汚染され、地球はそのままS−1星となる。そしてまたS−1星時代が、と言うまさにどうにもならないメビウスの輪を「永遠への旅立ち」と顕しているのです。ここまで壮絶な絶望を表現出来る作品が他にあっただろうか、と思いました。ならば人間はどこで生まれたのか、この絶望の輪廻の外からどうやって生まれたのかと言う謎も残っちゃいますがね(笑)
最後まで何とか書ききる事が出来ました。改めてこの「宇宙戦士バルディオス」と言う作品を文で描いた事を光栄に、そして今まで目にした事も無い作品に出会えて幸福だった、と考えます。
それではまた〜(>_<)ノシ