ことり公園のドロノキ(泥の木, Populus maximowiczii A.Henry)
朝の散歩で歩く範囲はごく限られている。せいぜい1キロ四方に過ぎない。自分が住む町のすべての道を歩くことがかねてからの目標である。そしてすべてを見ること。見えないものまで見ること。
今日は朝の散歩とは別に2時間ほど歩き回った。いつものように首からカメラをぶら下げて変な帽子をかぶって。手拭いはなし。初めて歩く道では見知らぬ町にやってきた旅人のような得した気分になる。発見もある。その気になりさえすれば、自分が住む町で旅ができる。新鮮な眼ですべてを見ることができる。
五つの公園
左上:エゾトリカブト(蝦夷鳥兜, Aconitum yesoense Nakai.)、右上:ジャコウアオイ(麝香葵, Musk mallow, Malva moschata)、左下:ムクゲ(木槿, Rose of Sharon, Hibiscus syriacus)、右下:未同定の庭木
左:クルミ(鬼胡桃, Japanese walnut, Juglans mandshurica subsp. sieboldiana)の樹が寄り添う札幌軟石の住宅、右:クリ(栗, Japanese chestnut, Castanea crenata)の巨木に守られた住宅
途中、住宅街にある五つの公園に立ち寄った。ことり公園でポプラの仲間のドロノキの下に佇み、近くの林にトリカブトの花を見かけ、さくら公園で白いムクゲを見かけ、ライラック公園ではジャコウアオイを見かけ、川沿公園で一休みした。帰り道、中央公園のそばのお宅の庭に見知らぬ樹を見かけ、クルミの樹が寄り添う札幌軟石が健在の住宅を見かけ、栗の巨木に守られた住宅を見かけた。
商店が建ち並ぶ大きな通り(国道)沿いでは、廃業したガソリンスタンドや葬儀屋、レンタルAビデオショップ、質屋、焼き芋屋、ふとん屋、のんちゃん食堂、色褪せた暖簾の居酒屋などが目に留まった。そんななか、ふとん屋の壁になぜかこんな猫ポスターが飾られていて不思議な気分になった。
居酒屋の暖簾。特に意味はなし。
久しぶりに、本物の猫にも出会った。ポスターの猫に似ていて驚いた。何かの符号か。