歩道橋の上のアジール

和賀正樹著『大道商人のアジア』の本編でマレーシアの「犬売り」を商売にする劉玉東さん(2002年当時67歳)を紹介するページの下段の注に並んで「盲人の菓子売り」と題した小さな写真が掲載されている。


和賀正樹著『大道商人のアジア』160頁


大道商人のアジア

大道商人のアジア


そこには「歩道橋の上は、どの国でも一種のアジール(避難地)のようだ。2000年 クアラルンプール」という言葉が添えられていて、大変興味をそそられた。明記されてはいないが、おそらくその盲人の菓子売りたちは歩道橋の上でひと休みしていたのではなく、そこで商売していたのだろう。和賀正樹さんはその様子から「一種のアジール(避難地)」を連想した。その連想の隙間を想像で埋めてみたくなった。


歩道橋の上にはどんな風が吹いていただろう。


目が見えるなら、左右を確認して道路を横断することができる。しかし、目の見えない人にとっては、たとえ音声案内が流れる信号機つきの横断歩道であっても、交通量の多い道路であれば、横断するのは怖い、危険である。おそらく彼らは普段から歩道橋を使っていた。ある時までは他の「大道商人」のように、歩道橋の上なんかではなく、下の歩道で商売していたのではないか。しかし、目の見えない彼らにとって、「下界」は騒々しく、色んな危険に満ちてもいる。その点、歩道橋の上なら、幾分マシであることにある時気づいた。ここで商売しよう。もちろん、「下界」に比べたら、人通りは少ないし、稼ぎも少ないかもしれない。でも、「下界」よりは安心して商売ができる。


二人の盲人の菓子売りの写真を見て、そんな粗筋が浮んだ。


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今日も冷たい雨



ベニシダレ(紅枝垂, Acer palmatum shidare



アメリカノリノキ(亜米利加糊の木/糊空木, Smooth hydrangea, Hydrangea arborescens 'Anaabelle' )、通称「アナベル」。



チョウセンゴミシ(朝鮮五味子, Schisandra chinensis




イヌサフラン(咱夫藍, Autumn crocus, Meadow saffron or Naked lady, Colchicum autumnale



バラ(薔薇, Rose, Rosa



藻岩神社の手水舎



藻岩神社のヤマモミジ(山紅葉, Japanese maple, Acer palmatum var. matsumurae



藻岩神社のカラマツ(唐松, Japanese larch, Larix leptolepsis Gordon



キキョウ(桔梗, Balloon flower, Platycodon grandiflorum



ギボウシ(擬宝珠, Plantain lily, Hosta



シュウメイギク秋明菊, Japanese anemone, Anemone hupehensis var. japonica



キャンベル・アーリー(Campbell Early)の蔓




小森さんの鉢植えのキク(菊)



アメリカフヨウ(亜米利加芙蓉, Common rose mallow, Hibiscus moscheutos)、しぶとい。



クジャクソウ(孔雀草, Perennial aster, Aster hybridus





コリンゴ(小林檎, Japanese flowering crab, Malus sieboldii Rehd.)、別名ズミ(酸実)。



ギンナン(銀杏)



イチョウ(銀杏, Ginkgo, Ginkgo biloba L.)とナナカマド(七竃, Japanese Rowan, Sorbus commixta




ナナカマド(七竃, Japanese Rowan, Sorbus commixta



齋藤青果直売所は閉じたまま、、



キノコ(茸)、未詳。






キンレンカ金蓮花, Nasturtium, Tropaeolum majus)、別名ノウゼンハレン(凌霄葉蓮)。



ハクチョウソウ(白蝶草, Butterfly gaura, Gaura lindheimeri




アカツメクサ(赤詰草, Red clover, Trifolium pratense



オオイタドリ(大虎杖/大痛取, Giant Knotweed, Polygonum sachalinense



ヤブラン(藪蘭, Big blue lilyturf, Liriope muscari