日本は高品質の国と異口同音

アーメダバードの郊外にある工場団地を訪問しました。ここは工場長屋で1つの工場は間口5メートル、奥行き10メートルくらい。東大阪大田区にも工場長屋がありますが、ここは全部で82区画もある大規模の工場長屋団地です。そこで訪問したのはMould Polymers社というゴム成形とプラスチック射出成型をやっている従業員12人の会社です。
 

工場内ははっきり言って汚い。機械は埃まみれで床に直に置いていて、従業員は床に座って作業している。日本でこんな汚い工場は見たことはありません。製品は金型が粗いのでバリが一杯でていて低品質。それでも、社長のShahさんに聞いてみると、「業績は右肩上がりが続いておりすごく調子が良い」と。社長のShahさんがこの会社を創業されたのは1993年だそうです。しばらくは大変だったがこの数年毎年売上を伸ばしており、以前はレンタル工場だったのが手狭になり、一昨年に今の工場団地で2区画購入して移ってきたそうです。インド経済の拡大とともにこの会社の業績も右肩上がり、これは今回訪問した全てのローカル製造業に当てはまっていました。


インドのローカル製造業を廻っていて気づいたこと多々あります。どの企業も口をそろえていうのが「日本の製品は高品質」ということ。そして、「でも、価格が高いのでインド市場ではなかなか売れない」という言葉が続きます。逆に言えば、市場に歩み寄った価格を提示できれば、インドのユーザーは日本製品を買ってくれます。先輩たちが築きあげた実際の品質と、そのイメージは日本全体の財産です。


もう一つ気付いたのは、インドの製造業は日本とあまり接点がない、ということです。前述のShah社長もそうでしたが、今回訪問したもっと大きな工場(数千人規模)でも日本企業との取引が一切ない。日本からもそうであるように、インドからも日本は遠い国でした。ということは、日本の良い製品を売り込んでいけば販売チャンスが大きいということだと思います。勿論、価格は合わせる必要があります。高品質高価格はインドでは通用しません、そこそこ品質低価格か高品質そこそこ価格を求めています。
インド企業との接点を増やしていけば日本製造業はインドで受け入れられる。但し、中国、韓国、台湾などの製造業もどんどんインドに入り込んでいっています。残された時間はそんなにありません。


***おまけー日本人好みのインド料理店****

ニューデリー在住の日本人(久芳さん、鈴木さん)においしいインド料理レストランに連れて行ってもらいました。タンドールチキン、ダル、バターナン・・・どれも日本人好みのマイルドな味でおいしかったです。店の名前はスワーガト(Swagath)、デリー市内に数店舗あります。Defence Colonyの本店が一番有名だが、私が行ったのはHotel Janpath内のSwagathでした。