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2017-05-14

後ろ向きに出口へ

好景気になって、異次元の金融緩和からの出口で、日銀債務超過に陥るみたいな財務論が、にわかに流行ってきて嬉しいわけだが、当ブログが継続して書いてきているテーマのひとつなわけだが、誰が何を言おうと誰もピンとこない振り返っても過去に例のない話は、いつだってエキサイティングだ。なので今日も、なるべく具体的に書きたい。


好景気になって、日銀が兆円単位の債務超過に陥り、国庫に納付できないばかりか、税金による補填が必要になる。つまり兆円単位のカネがかかるとしよう。別にいいじゃないか。好景気なら、兆円単位の税収増があっても、ちっともおかしくない。そのくらい痛くも痒くもない。ただ待て。後になって痛くも痒くもない程度のアクションで、世界は劇的に変わるだろうか。その程度の話に、僕らは四半世紀も費やしてきたのか。


好景気になって、日銀が十兆円単位の債務超過に陥り、国庫に納付できないばかりか、税金による補填が必要になる。つまり十兆円単位のカネがかかるとしよう。これは微妙だ。十兆円でも前半なら、なんとかなる場合もあるかもしれないが、その後半あるいは百兆円単位のカネがかかるとなれば、どうしたって大惨事である。ただ待て。後になって大惨事になるようなアクションで、好景気は訪れるだろうか。僕らは未来を読みはしないか。


というわけで、そもそも出口「戦略」なんて能動的なモノには、どうしたってなり得ない。カッコウつけてるのがコッケイなくらいだ。よし、ならば、日銀が出口へと追い込まれる姿を、改めて具体的に考えてみよう。最も極端に、わかりやすさのために、異次元に買い付けたのは百兆円単位の株だとしよう。そして何らかのきっかけで、例えば利上げや、あるいは外国の経済危機で、それらが十兆円単位で下落した。


マズいぜコレ。現在でさえ黒田総裁が頻繁に呼ばれる国会で、怒号と紛糾の様子が見えてこないか。あるいは新聞テレビ週刊誌に至るまで、叩きまくる太鼓の響きが聴こえてこないか。「あくまでも物価安定のために」みたいな弱い防御シールドなんて、笑いのネタにさえならない。そもそも物価が安定しているかさえ怪しい。そうした状況下で、日銀は株を持ち続けることができるだろうか。まだ下がるかもしれないのに。無理だろそんなの、誰のカネだよ。損切りしろ。そういう話に、どうしたってなるじゃないか。


さて仮定を緩めよう。日銀の抱える資産は、全部が株ではなく、REIT国債も含んで、ややマイルドだ。あるいは売られたのは、株じゃなくて国債だった。下落の幅も、相対的には小さい。もちろんご察しのとおり、状況は質的には変わらない。マイルドになるだけだ。つまり出口へと転がり落とされるポテンシャルの坂道は、単にリスク資産の棄損によって描かれる。怒号は損失に比例する、よく見る光景だ。


ここのところFRBでは、急にバランスシートの議論が目立ち始めた。理由は言うまでもない。すこしずつ利上げ*1を始めてみたら、こうした状況が一部、視野に入ってきたからだ。

2017-04-17

死亡率リスクを弄ぶ

生命保険に使われる生命表が改定される*1そうで、ちょこまかと策*2を施して、要するに医療保険の保険料を上げたいようなのだが、そこはしかし細かい話で、以前に書いた大きな問題*3は依然として変わらないままだ。保険のような仕組みは、それこそ大昔から存在するわけだが、それぞれ皆がいくら払えばよいのか、さほど簡単な話ではない。もちろん詐欺だって少なくないので、どうしたって役所っぽくカルテルっぽくなりながら、これまで皆で工夫して転がしてきた。そうした「死ぬ確率」とカネのやりとりの姿について、今日は鳥瞰してみたい。


1)古より伝わる方法

役所っぽくカルテルっぽくなれば、どうしたって玉は転がりにくく、錆びついてしまう。要するに今回の改定さえ、この古より伝わる方法に含まれるわけだが、簡単に言えば政治が「死ぬ確率」を定めるわけだ。妙なバーゲンセールと結果的な持ち逃げ(つまり倒産だ)のコンボは許さない一方で、お墨付きを与えられた独占的な業者は、やや高めの保険料を取る。もちろん、例えば病気が流行ったり、大きな災害に遭ったり、戦争があったりすれば、死亡が想定を超えてしまう場合は存在し得る。なので「死んだら払う」保険屋が、あらかじめ高めに死亡率を見積もっておくことは、決しておかしな話とは言いにくい。ただ、膨らませないナマの死亡見積もりと、その「すこし高め」に上乗せするプレミアムとは、別にしておいた方が便利じゃないのかと、誰でも考えると思うのだが、計算機のない時代には大変に面倒だった。現在は2017年だが、計算機は安く、そのスピードは尋常じゃないわけだが、いまだに我々は習慣を引き摺っている。


2)証券化する現代

このところ常に世界をリードする米国の皆さんが、割と最近になって画期的なワザを考えた。あらかじめ高めに死亡を見積もって、特に何も起きなければ結果的に余る「だろうと思われる」カネを、事前に売ってしまおうと。当ブログでも以前に書いた*4が、勝負師は納得してリスクを引き受けるわけだし、保険屋は天変地異にビビることなく、また売ったカネを加入者に返せば、八方丸く収まる素敵な仕組みである。似たような別の事例で、貧乏人が住宅ローンを返せなくなったら肩代わりするリスクバルク売りについては、いまひとつ現場の状況が見通せず、おかしな値段になって結局崩壊したわけだが、人間の死亡を扱う約束について、その情報や、あるいは介入等を含めて、慎重に扱う必要があることは言うまでもない。


3)明日の混沌へ

更に未来を向くならば、しかし沢山の保険契約を一つの箱に押し込める必要があるのかって話ですよ。つまり死ぬ確率と、どうなるかわからない分だけ高めに見積もるプレミアムは、どちらも個々の保険の単位から存在するはずで、さまざまに事情は異なるはずで、それらはバラバラに取引する方が、全体としては安くなって皆幸せじゃないかってのは、例えばコングロマリット・ディスカウント*5を挙げるまでもなく、僕らの愛するCAPMの示唆するところである。で、手前味噌で恐縮なのだが、何でも取引できる仕組みを最近つくって*6みた。僕が来年死ぬかどうかさえ、取引できるモデルですよ。ここで取引価格は、もちろん僕が死ぬ確率をそのまま表現しない。1)死ぬ確率と、2)リスクに要求したい上乗せ分と、どちらも含まれている。これらが、a)需要と供給によって、b)時刻とともに変化するわけだ。どうだい。個々に見てフェアで、全体で見て安い、この望ましいモデルから、我々は逃げることはできない。


もちろん、今日の話の「死」は、例えば「返済」に置き換えることもできる。未来が見えてきたかい。

2017-04-03

市場のつくり方

割と簡単につくれます。


Chopsticks Trade

http://chopsticks.trade/

https://twitter.com/chopstickstrade


お題を考える

まずテーマを決めます。二つの選択肢のうち、どちらかが必ず、実現することが必要です。ですから例えば


A) 稀勢の里が優勝する

B) その他


あるいは


A) ジャイアンツが勝利する

B) タイガースが勝利する + その他


というような形になります。


もちろんスポーツに限らず、対象は何でも構いません。

結果が出るまでの間に、情勢が変化するものを取り上げると、面白いと思います。


項目を入力

画面右上メニューに並ぶNewを押して、市場をつくるページに進みます。


f:id:equilibrista:20170403100849p:image

米印は必須項目です。


title*
市場のタイトルを入力します
A*
事象Aを入力します
B
事象Bを入力します
maturity*
満期を入力します。時差は考慮せず、自分の時刻で入力します。
description*
説明を入力します。AやBが何を表しているか、なるべく詳しく書きます。
tags
後から探しやすいように、タグを入力します。カンマで区切って書きます。

送信ボタンを押すと、確認画面に進みます。

すべての項目は、後から編集することはできません。


追記と終了の処理

自分がつくった市場は、満期表示の下にある、アカウント名脇の[edit]を押すことで、追記や終了の処理ができます。


追加的な説明は、いつでもnoteに書くことができます。

(AかBの)結果を入力すると、以降の注文はできなくなります。


皆が参加して遊べる、楽しい市場を沢山つくりませんか。

2017-03-21

equilibrista2017-03-21

なんでも市場メーカーつくりました

Chopsticks Trade

http://chopsticks.trade/

https://twitter.com/chopstickstrade

f:id:equilibrista:20170402122553p:image


是非遊んでみていただけませんか。Twitterアカウントログインします。

例えば明日のWBC準決勝*1では、


A) 日本が勝つ

B) アメリカが勝つ + the others


という二つの証券を売買します。


実現した方には、100cpx(点)払われます。

実現しなかった方には、何も払われません。


AかBを選んで、何も考えずに送信ボタンを押しても、さほど妙なことにはなりません。

そうしてポチポチと遊んでいるうちに、いろいろと試したくなってきます。


先週の1次ラウンドでは、試合当日夕方から、下記のような*2取引が行われました。


f:id:equilibrista:20170321152534p:image


こうした市場を、じゃんじゃん誰でもつくれるように、こしらえました。すこしずつ市場も増えてきました。


f:id:equilibrista:20170321152533p:image


なんでもかんでも、じゃんじゃん取引して、遊べたら楽しいなと思ったわけです。

もちろんずっと先に、本当にお金が動くようになれば、また便利も*3広がります。

2017-02-10

危機の構造

振り返って視界に入る範囲では、結局のところ危機の構造は皆同じだった。金融緩和資金調達補助金を渡し、その先で要らないモノに突っ込まれる。典型的かつサイズが大きいのは不動産だが、要らないモノを買う奴に(要らないモノの一形態として)資金供給する形で箱は連なり、全体像は確認しにくくなる中で、フローは刹那的にはポジティブに*1捉えられ、しかし減損エネルギーは確実に蓄えられる。


f:id:equilibrista:20170210170233p:image


ややメタな話になってしまうが、意図をもって補助金を繰り出す政府部門さえ、もちろん宇宙の法則から逃れることはできない。予言しておこう。要らない補助金中央銀行が出し続ければ、いずれ資金調達に苦しむことになる。例の話*2の、別の表現だ。