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2018-07-05

ドンキホーテへの手紙

【記者会見】原田審議委員(石川、7月4日) [PDF 258KB]

http://www.boj.or.jp/announcements/press/kaiken_2018/kk180705a.pdf


(問)挨拶要旨の20ページでは、色々な神話、伝説、歌舞伎の話*1をされていて、この3つの話はいずれも、日本銀行が神に挑戦した人間のような存在であるという批判があることを前提に、こういう話を出されているのかどうかを教えて下さい。また、そういう批判があるとすれば、誰がどういう風な批判をしているのか具体例を挙げて頂きたい。と言いますのは、インパール作戦に例えた話などは、具体的にそういう批判をされている方も注で書かれているので、具体的にどういう批判があるのか教えて頂けますでしょうか。そうして頂けなければ、この3つの話をよく分かっている方々も、原田委員が何に対してどういった批判をされているのか全く分からないため、ここのところの解説を含め、誰のどのような批判に対しての反論なのかをご説明下さい。


(答)まず、QQEというのは、異常な金融政策であって、そういう異常なことをやるべきではない、というようにおっしゃっている方がたくさんいらっしゃるので、それに対して、そういうことはありませんと述べたわけです。ここでは色々と述べているため分かりにくかったかもしれませんが、挨拶要旨の20ページの下から3行目の最後に、「貨幣に関わる金融政策は、神のものではなく人間のものです。人間のものであれば、理論と事実に基づく議論を避けるべきではありません」と述べています。つまり、こういう異常なことはもうやめろとかいう議論ではなく、効果と副作用とか、どういう効果があるのかとか、そういうものを具体的に認識して議論したほうがよいのではないかと申し上げているわけです。確かに、最後の結論のところで、この下から3行目のところで段落を入れればもっと分かりやすくなったと思います。


ヘイヘイヘイ、いきなり腰が引けてるぜ。こっちはいつでも構わない*2けど、手加減しないから気をつけなよ。

2018-07-04

風車に挑むドンキホーテ

【挨拶】原田審議委員「わが国の経済・物価情勢と金融政策」(石川)

http://www.boj.or.jp/announcements/press/koen_2018/ko180704a.htm/


さらに、金融緩和政策の手段そのものを否定しようという心理もあるように思います。大胆な金融緩和は危険であり、そのような手段を取るべきではないというのです。人間は、太古からこのような感情をいだいていたのかもしれません。神話は、神に挑戦した人間たちの悲劇を繰り返し描いています。バベルの塔、太陽に近づいたイカロス、土で作られ、命を与えられたゴーレムが破滅を導いた神話です。QQEに反対する人々は、QQEも神の領域を侵すものだと言いたいのかもしれません。


ブログが否定するのは金融政策そのものであって、その手段ではないという細かな話は置いておいても、その小細工ハッタリ政策は、いずれ神の見えざる手によって、その代理人としての投機屋によって、解体される運命にある*1と繰り返し述べてきた。


また、歌舞伎雷神不動北山桜には、朝廷が、邪悪な心を持った早雲王子を皇位から遠ざけるため、鳴神上人に寺院建立を約束に、本来は女子として生まれるはずの子を超人的な力―変成男子の行法―により世継ぎの皇子として誕生させたという話があります。ところが、朝廷は、上人は自然の摂理を侵したとして、寺院建立の約束を反故にしてしまいます。しかし、QQEは自然の摂理を侵すような方策でしょうか。


つまり自然の摂理を侵すというよりも、どちらかといえば風車に挑むドンキホーテ*2だ。


ローマ税金を払うべきか否かを問われたイエスは、銀貨に皇帝の肖像が彫られていることを人々に確認させた後に、「皇帝のものは皇帝に、神のものは神に返せ」と言われました。貨幣に関わる金融政策は、神のものではなく人間のもの*3です。人間のものであれば、理論と事実に基づく議論を避けるべきではありません。


理論と事実に基づく議論、いつでもかかってきなよ。前にも指摘した*4とおり、あんた支離滅裂だぜ。

*1http://d.hatena.ne.jp/equilibrista/20090517/p1

*2

ドン・キホーテ 全6冊 (岩波文庫)

ドン・キホーテ 全6冊 (岩波文庫)

*3

*4http://d.hatena.ne.jp/equilibrista/20150204/p1

2018-06-20

そのヘッジファンドを、どれだけ組み入れるべきか

つい先日AQRのアスネスが書いた記事*1は非常に触発的で、乱暴に要約すると、比較はちゃんとやろうぜという話で、振り返ったヘッジファンドベータから、その評価を試みようと。


f:id:equilibrista:20180620205913p:image


こんなふうに見せられてしまうと、では実際にどのくらい我々はヘッジファンドを持っておきたいのか、どうしても気にならざるを得ない。もちろんリスクと見返りの話だが、理屈をこねよう。現在のポートフォリオと組み入れるヘッジファンドリスクを、それぞれσeq、σhf、両者の相関係数をρとして、行列で書くとこんな感じだ。


¥left(¥begin{array}¥sigma_{eq}^2&¥sigma_{eq}¥sigma_{hf}¥rho¥¥¥sigma_{eq}¥sigma_{hf}¥rho&¥sigma_{hf}^2¥end{array}¥right)


二行二列なので、逆行列だって楽勝である。


¥frac{1}{¥sigma_{eq}^2¥sigma_{hf}^2(1-¥rho)}¥left(¥begin{array}¥sigma_{hf}^2&-¥sigma_{eq}¥sigma_{hf}¥rho¥¥-¥sigma_{eq}¥sigma_{hf}¥rho&¥sigma_{eq}^2¥end{array}¥right)


さて両者への期待と一緒に、マーコヴィッツの枠組みに放り込んで最適解だ。えい。


¥frac1¥delta{¥Sigma^{-1}}{¥Large R}=¥frac{1}{¥delta¥sigma_{eq}^2¥sigma_{hf}^2(1-¥rho^2)}¥left(¥begin{array}¥sigma_{hf}^2&-¥sigma_{eq}¥sigma_{hf}¥rho¥¥-¥sigma_{eq}¥sigma_{hf}¥rho&¥sigma_{eq}^2¥end{array}¥right)¥left(¥begin{array}R_{eq}¥¥R_{hf}¥end{array}¥right)


えいえいと展開してみよう。


=¥frac{1}{¥delta(1-¥rho^2)}¥left(¥begin{array}(R_{eq}-¥frac{¥sigma_{eq}}{¥sigma_{hf}}¥rho R_{hf})/¥sigma_{eq}^2¥¥(R_{hf}-¥frac{¥sigma_{hf}}{¥sigma_{eq}}¥rho R_{eq})/¥sigma_{hf}^2¥end{array}¥right)


どうですか、美しい形に見えないだろうか。日本語で言えば、ヘッジファンドへの配分は、あらかじめベータ分を差し引いた期待を、そのリスクで割ったものに比例すると。


そして頭のδは、実は評価できる。現在はヘッジファンドを持っていないわけで、現状からの追加的な組み入れにかかるリスク増分で、現在のポートフォリオへの期待を割ってやろう。


¥delta=¥frac{R_{eq}}{¥sigma_{eq}^2}


書き換えよう。


=¥frac{¥sigma_{eq}^2}{R_{eq}(1-¥rho^2)}¥left(¥begin{array}(R_{eq}-¥frac{¥sigma_{eq}}{¥sigma_{hf}}¥rho R_{hf})/¥sigma_{eq}^2¥¥(R_{hf}-¥frac{¥sigma_{hf}}{¥sigma_{eq}}¥rho R_{eq})/¥sigma_{hf}^2¥end{array}¥right)


いやー爽快。だから何感が半端ないが、たまにこんなふうに紙と鉛筆で遊んでみるのは楽しいのです。湿った空気の中。

2018-05-02

仮想通貨の取引戦略ご紹介

さて今日は、比較的シンプルな仮想通貨の取引戦略をご紹介します。


  1. まず仮想通貨の価格の推移を見ます。とりあえずBTC、ETH、XRP、BCHの4つを取ってきます。
  2. 一週間前からの価格モメンタムを確認します。【今日のBTC÷一週間前のBTC】の要領です。
  3. 強い順に、4つを並べ替えます。
  4. 1番のものを15%買い、2番のものを5%買い、3番のものを5%売り、4番のものを15%売り、ポートフォリオをつくります。
  5. 明日にはすべてのポジションを解消し、新たに1)から繰り返します。

というストラテジーを、BCHの生まれた昨夏から、日々仮想的に繰り返した*1結果がこちら。


f:id:equilibrista:20180502100433p:image


下落局面もなんのその、+60%のリターンです。もちろん、まだまだ様々色々あります。難しさもあります。

この先は有料です。投資とリスクに関するご相談、いつでも承ります。

2018-04-19

預金獲得競争とリスクヘッジ - 未来の通貨の姿としての

簡単に言って、電子マネーはおいしい商売なわけです。そらそうですよ。JR東日本はスイカとか何とか称して、合計すると結構な前金を皆さんのサイフから集めてる。で、そうして預かったカネを、どこかに突っ込むわけです。すると利息が付く。ほら儲かった。


なので結局のところ、これ預金獲得競争になります。いつか電子マネーは、より高い金利を提示する競争に巻き込まれる。業法?そういう話は横に置いてさ、いまは理屈の話。


ただ預ける側からしたら、これスイカが潰れたら困るわけです。無理して高い金利を提示してるのかもしれない。だから、こんな感じの賭けに参加したくなる。


A) スイカは潰れる

B) 潰れない + the others


格好よく言うと保険だ。もちろん僕らは、スイカにカネを預けると同時に、Aを買っておく。すると、実際に潰れてしまった際には、ここから払い戻されて嬉しいわけです。


他方で、潰れないとき、僕らはAを買った分だけ損してる?いや、これ損じゃないのです。スイカが提示した「高い」金利から、そのうち幾らかをAを買う代金に回してる。


パンを買ってスイカで支払うとき、もちろん同時に保険も渡したくなる。きっと2つは、セットでマネーなんだ。だから僕は次に、Chopsticks*1の受け渡しを考えたくなります。