第8回巨椋に聞け!『うつなので頑張って前向きなろうと努力するのですが、返って落ち込んでしまいます』
第8回巨椋に聞け!『うつなので頑張って前向きなろうと努力するのですが、返って落ち込んでしまいます』
Q. わたしはうつ病のためか消極的なところがあり、何とか積極的になろうと思って、自己啓発書などを読んで、前向きになろうといろいろとやるのですが、しばらくすると、やっぱりうまくいかなくて返って落ち込んでしまうことがよくあります。何がよくないのでしょうか?
(E・Eさん 女性)
A. はい、自己啓発書で「プラス思考」や「ポジティブ・シンキング」がいいと思い、一生懸命前向きになろうとして、疲れきってしまい、逆に調子を悪くしてしまうという人は、結構たくさんいます。
生きづらさを抱えている人に、わたしがよくいうのは
「無理なポジティブ・シンキングはやめよう」
「強引なプラス思考は、逆転現象が起こる」
ということ。
特にうつ病の傾向がある人とかは、すでに疲れきっている状態なんですが、それほど疲れきって苦しんでいる人に対して
「もっと前向きに……」
と、言うのは
「お前は怠けているから、うつ病なんだ。もっとがんばれ!」
と、言っているのと同じことですよね。
あるいは、うつ病や『不登校・ひきこもり・ニート』の人は、心が骨折している状態とも言えます。
足が骨折している人に対して、
「そんなものは、気の持ちようで走れますよ。ぼくだって、落ち込むことがありますけど、そんなとき、思いっきり走ったら、気持ちが良くなりました!」
なんて言う人はよほど残酷な人か無神経な人ですよね。本当に骨折した人には、絶対に言わないはずです。
うつ病で苦しんでいる人、不登校やひきこもりで苦しんでいる人は、心が骨折している人たちに。ポジティブ・シンキングを吹き込んだところで、いきなり走れるものではありません。
もし、一時的に走れたとしても、傷が癒えていないわけですから、たちまち逆効果になります。
そして
「ああ、やっぱりわたしはダメなんだ」
と、以前よりもっと深く落ち込んでしまうことになりかねません。
うつ病の人に必要なのは、前向きな励ましよりも、心の傷を休めるための休養であり、治療です。
ぼくは、よく精神を肉体に例えますが、肉体が疲れきっていたり、怪我をしている状態のときに、必要なのは、バーベルを使ってのハードトレーニングではありません。
まず、休養であり治療です。そして充分に休み栄養を摂って回復してきてから、リハビリということになります。
ポジティブ・シンキングやプラス思考といわれるものは、ある程度、強靭な精神がないと挫けてしまうものです。
精神的に健康な人でも、いきなりは難しいことなのです。
ぼくが知る限りでは、世の中には、ポジティブ・シンキングなどの本がたくさんでていますが、実際にそれを読んで、前向きな人生を歩めるようになったという人は、ほとんどいません。
ほとんどの人が、途中でやめるか挫折をして、返って調子を崩してしまう人もたくさんいます。
しかし多くのうつの人や生きづらさを抱えている人は「やっぱりポジティブ・シンキングの方がいい」と、思っていますので、自己啓発書を何冊も何冊も買い続けては挫折し続けるのです。
ではどうすればいいかというと、まず、無理に「前向きにならなきゃ」と思わず「わたしの性格はこんなもん」と、受け入れて「ほんの少しよくなればいいな」ていどでいいと思います。
無理なポジティブ・シンキングというのは、自分で自分に「足が骨折しているけど走れ!」と、叱りつけているのと同じなのですから。
FHN放送局
巨椋修(おぐらおさむ)拝
第3回 生きぞこないなう! テーマ『正義論 あなたの正義に気をつけろ!』
第2回 生きぞこないなう! テーマ『諦め論 諦めちゃダメですか?』
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巨椋修(おぐらおさむ)は陽明門護身拳法という護身術&総合格闘技の師範をやっています。
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